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ラグビー コラム 2025年3月28日

【ハイライト動画あり】御所実業、桐蔭学園、東福岡、京都成章がベスト4進出。全国高校選抜ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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東福岡はロスタイム逆転劇

3月23日(日)から埼玉・熊谷ラグビー場を中心に始まった、26回目を数える「全国高校選抜ラグビー大会」。27日(木)はAグラウンドで、準々決勝4試合が行われた。

25日(火)の2回戦終了後、ベスト8に進出した8校のキャプテンによって再抽選が行われ、準々決勝のカードは下記の通りとなった。

・10:30 御所実業(奈良)vs.佐賀工業(佐賀)
・11:50 桐蔭学園(神奈川)vs.東海大相模(神奈川)
・13:10 大阪桐蔭(大阪)vs.東福岡(福岡)
・14:30 京都工学院(京都)vs.京都成章(京都)準々決勝

第1試合は互いにFW(フォワード)のモールに強みを見せる御所実業(奈良)と佐賀工業(佐賀)が激突した。

序盤から御所実業はSO(スタンドオフ)中俣翔太(2年)、佐賀工業はSO吉浦太我(2年)が蹴り合う中で、前半、佐賀工業は前半11分、FB(フルバック)岩屋武琉(2年)のPG(ペナルティゴール)で先制し、ロスタイムにモールでトライを挙げて10点をリードする。

後半は御所実業が相手陣で攻め続け、モールで2トライを挙げて10-10の同点に追いつく。後半29分、佐賀工業FB岩屋は45mのPGを狙うが惜しくも外れて、そのままノーサイド。試合は引き分けとなったが、トライ数により御所実業が準々決勝に進出した。

後半はエリアの取り合いでリードした御所実業

御所実業キャプテンNO8(ナンバーエイト)津村晃志(2年)は「(ハーフタイムに)とにかく自分たちのやってきたラグビーをしろと竹田(寛行)先生に言われたので、やるしかないなと思った。キックの後、しっかりチェイスにいって、相手陣で戦おうとした」と振り返った。

佐賀工業キャプテンNO8長谷川怜生(2年)は「前半はエリアを取ることがしっかりできていたが、後半はディフェンスの部分で負けてしまい、ペナルティが重なり、その結果、負けにつながってしまった」と肩を落とした。

第2試合は桐蔭学園(神奈川)と、東海大相模(神奈川)の神奈川県勢同士の対決となった。県の新人戦決勝は14-14のドロー、関東新人の決勝は桐蔭学園が29-16で勝利していた。

前半3分、リベンジに燃える東海大相模がラインアウトを起点にLO(ロック)笹部隆毅(2年)のトライで5点の先制に成功した。しかし、その後は花園2連覇中の桐蔭学園の時間帯となる。

10分、ターンオーバーからボールを継続し、キャプテンHO(フッカー)堂薗尚悟(2年)がトライ。14分にもスクラムから左ライン際でWTB(ウィング)西本友哉(2年)が抜け出してトライ。

18分にも長身CTB(センター)古賀啓志(1年)がラインブレイクし、FL(フランカー)長尾峻(2年)がトライを挙げて一気に逆転し、19-5とリードした。東海大相模はロスタイムにトライを返して、19-10と桐蔭学園リードで折り返した。

しかし、後半も桐蔭学園は攻撃の手を緩めず、連続3トライを挙げて勝負を決めた。結局、後半の失トライは「1」に抑えて、43-17で快勝した。桐蔭学園は9大会連続のベスト4進出となった。

6トライを挙げてライバルに快勝した桐蔭学園

桐蔭学園のHO堂薗キャプテンは「60分間、意志を持って話して、9番、10番に伝えるように意識した。アタックはまだまだハンドリングエラーなどミスがあるが、ここから先にもつなげるためにも、再現性あるプレーをしていくことで成長できると思っている」と語気を強めた。

ケガをしたSO(スタンドオフ)市村旅人(2年)に替わり、12番からSOに入った東海大相模のキャプテン中尾思(2年)は「(関東新人決勝の)借りを返そう、絶対に勝つと臨んだ。FWは前に出続けることができたが、BKのエリアマネジメントや、アドバンテージの使い方など、自分のゲームメーカーとしての役割が良くなかった」と振り返った。

第3試合は2連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)と、今大会最多となる6度優勝経験のある東福岡(福岡)の対戦となった。

序盤は大阪桐蔭が優位に試合を進めて、前半5分、ラインアウトから直接ボールを受けたSH(スクラムハーフ)福島悠右(2年)が左中間にトライを挙げて、7点の先制に成功する。しかし、東福岡も負けていない。13分、オフロードパスをつないで最後はFL内田瑛佑(2年)がトライ。7-7の同点に追いつく。

24分に東福岡は、SO川添丈(1年)がPGを決めて3点をリードしたが、前半終了間際に大阪桐蔭のPR(プロップ)国分僚太(2年)がトライを挙げ、12-10と逆転してハーフタイムを迎えた。

後半、大阪桐蔭は相手陣でのプレーが続いたが、なかなか得点を挙げられなかったが、後半23分にラインアウトから、SH福島が2つ目のトライを挙げて17-10とリードを広げた。

後半26分、東福岡も意地を見せ、細かいパスをつないでWTB平尾龍太(2年)が抜けだし、トライを挙げて17-17の同点に追いつく。しかし、このままではトライ数差で大阪桐蔭が準決勝に進出する状況。

ここで大阪桐蔭はスティールを決めて、レフリーから「残り30秒」の声。タップからボールを継続して時間を使おうとしたが、2つ目のラックで、東福岡キャプテンNO8須藤蒋一(2年)がボールを奪い、東福岡ボールとなった。

後半ロスタイムのラストプレー、東福岡はラインアウトからボールを継続すると、SOからインサイドCTBに入っていた川添が、見事なステップワークで抜け出し値千金のトライ。東福岡が24-17と逆転勝利を収めた。

歓喜の東福岡

東福岡キャプテンのNO8須藤は「(最後のスティールは)自分のミスが多かったので、キャプテンとして責任を取ってチームの勝ちに貢献できた。不思議な勝ち方で、自分たちも驚いているが、しっかりリカバリーして次も勝ちたい」と先を見据えた。

あと1~2回、ラックでボールをキープしていれば準決勝に進出できた大阪桐蔭のキャプテンCTB手崎颯志(2年)は「ナイスファイトだったと思う。チームはまだできたばかりで、2ヶ月半の練習しかしてない中で、ここまで来られたのは、本当にすごいと思う。本番は冬なので、春を土台にして、レベルアップできると思うので良い経験ができた」と前を向いた。

第26回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】準々決勝 大阪桐蔭 vs. 東福岡|終了間際の逆転トライ

第4試合は京都工学院(京都)と、京都成章(京都)の京都のライバル校同士が、初めて選抜の舞台で激突した。

前半5分、攻め込んだ京都成章はキャプテンFB笹岡空翔(2年)のPGで3点を先制すると、11分、京都工学院もFB市田愛歩(2年)がPGを沈めて同点に追いつく。しかし、ここから昨年の花園予選のリベンジに燃える京都成章のペースとなる。

前半16分、見事にオフロードを繋いで、最後はSH佐藤啓護(2年)が中央にトライ。20分にもSH佐藤がトライ、23分にはWTB篠颯太郎(2年)がトライを挙げて、22-3と突き放した。京都工学院も負けじと28分、CTB林宙(2年)がトライを挙げて、10-22で前半を折り返した。

後半2分、12点差を追う京都工学院が、ハイパントキックからチャンスを作り、FB市田が右中間にトライを挙げて、5点差に追い上げる。だが、10分に京都成章はラインアウトからNO8南川祐樹(2年)がスピードを活かしてトライを挙げて、27-17とした。

19分、京都工学院もCTB岩本斗吾(2年)がトライを返して、3点差に迫った。しかし19分、京都成章はラインアウトが乱れたが、そのボールをWTB尾関仁(2年)がキープし、ステップで相手をかわして、そのままトライにつなげて34-24と8点差にリードを広げた。

その後は京都成章がディフェンスで相手に得点を許さず、そのままノーサイド。京都成章が2019年以来のベスト4進出を決めた。

喜ぶ京都成章フィフティーン

京都成章のキャプテンFB笹岡は「去年の花園予選決勝で負けていたので、リベンジに燃えていた。自分もそれ以来の先発だった。自分たちが今までやってきたことをやり通しての結果だったと思う」と胸を張った。

ライバル対決に惜しくも敗れた京都工学院キャプテンSO杉山祐太朗(2年)は、「京都成章さんの方が上だった。ただ、相手陣に入って取り切るところができたのは1つの成長。全国大会の舞台で成章さんとやるのは貴重な経験。入りのブレイクダウンでプレッシャーをかけられてしまったので、レベルアップしたい」と先を見据えた。

初優勝を目指す御所実業(奈良)、5度目の優勝を狙う桐蔭学園(神奈川)、最多の7度目の優勝をうかがう東福岡(福岡)、初優勝を目標に掲げる京都成章(京都)の強豪4校がベスト4に進出し、3月29日(土)の準決勝に駒を進めた。

◆準々決勝結果

御所実業(奈良)10-10 佐賀工(佐賀)
※トライ数により御所実業が準決勝進出
桐蔭学園(神奈川)43-17 東海大相模(神奈川)
大阪桐蔭(大阪)17-24 東福岡(福岡)
京都工学院(京都)24-34 京都成章(京都)

◆準決勝組み合わせ

11:00 御所実業(奈良)vs.桐蔭学園(神奈川)
12:30 東福岡(福岡)vs.京都成章(京都)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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