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大注目!上り調子の12位「浦安D-Rocks」×5連敗中の11位「トヨタヴェルブリッツ」ジャパンラグビーリーグワン2024-25交流戦第10節
ラグビーレポート by 多羅 正崇
多くのファンが注目する第10節屈指の好カードだろう。
3月1日(土)に福島・Jヴィレッジスタジアムで激突する両軍は、12位(1勝8敗)の浦安D-Rocksと、11位(1勝7敗1分)のトヨタヴェルブリッツだ。
ホストチームを務めるのは、前節(第9節)で東京サントリーサンゴリアスに5点差(35-40)まで迫った浦安D-Rocks。その試合で公式戦通算100試合出場を達成したサンゴリアスのSH流大は、試合後の会場スピーチで浦安D-Rocksの実力を「想像以上でした」と語った。
サンゴリアスが特別不調だったわけではないだろう。浦安D-Rocksのアタック遂行力、ディフェンスの強度が高かった。サンゴリアスと実力伯仲の好勝負を演じていた。
記者会見で浦安D-Rocksの指揮官、グレイグ・レイドローHCは手応えを感じている様子だった。
「今日の試合(サンゴリアス戦)はアタック力の向上が見られたという点で、とても満足しています。ですが重要な局面で求めている結果を得ることはできておらず、そこは引き続きの課題です。しかし選手たちが見せてくれた努力、80分間立ち向かっていった姿には感銘を受けました」
浦安D-Rocksは攻守のシステムが機能。選手も指導陣もシーズンが深まるにつれ自信を深めている様子で、上り調子と言えるだろう。
かたや、けっして上り調子とはいえない状況にあるのがヴェルブリッツだ。
ヴェルブリッツが1勝しかできずレギュラーシーズン後半戦で11位にいる――。BR姫野和樹主将ら主軸に怪我が相次いでいることもあるだろうが、それだけでは説明がつかない事態だ。
立て直しが必要な領域はディフェンスだろう。
リーグ開幕年から1試合の平均失点は23、28、28。しかし今季は9試合でファーストタックルの精度に苦しむなどして1試合平均で約33失点を喫している。
レギュラーシーズン前半戦は、7点差以内で競り負けた試合が4つある。唯一の勝利は第4節ブラックラムズ東京戦のみで、ここまで大崩れする試合はない印象だ。
しかし前節コベルコ神戸スティーラーズ戦だった。序盤カウンターラックなどから被5連続トライを浴びた。スティーラーズのSOブリン・ガットランドはキック成功率100%(9本中9本成功)。前半18分にSO松田力也が負傷交替したことも相まってか、今季ワースト63失点で5連敗を喫してしまった。
「試合結果については非常に残念です。ボールコントロール十分に出来ていませんでした。また前半で見られたように、ターンオーバーをされてしまうと、それを起点として相手が攻め、その結果としてトライを奪われるという展開でした。ウォームアップ中の怪我、チームの司令塔の怪我なども相まって痛手となりました」
こうした局面で、指導する立場にある者はどう振る舞うべきなのか。2015年にオールブラックス指揮官としてW杯連覇を達成した世界的指導者、スティーブ・ハンセンHCの言葉はいつも示唆に富んでいる。
「最も大事なことは、チームとしてコネクトし、ハードワークし、そして信念をもつことだと考えています。私自身、選手の練習での努力に関しては、これ以上多くを求めることはできないと考えています。ただその上で結果に結びついていないことを考えると、非常にタフな状況ではありますが、スポーツとはそういうものであります。タフさを飲み込んでいくことが必要であると思います」
「こういった逆境と言われる局面で、その人の本質が垣間見えると思います。また、そういった局面をチームとして越えることができれば、今後の強みになると考えています。先ほどもお伝えしたように、チームとしてはコネクトし、ハードワークを続け、信念をもつこと、それが一番大事だと考えています」(ヴェルブリッツ、スティーブ・ハンセン HC)
そのヴェルブリッツは先発メンバーを8名替えた。
フォワードは3名。PR百地龍之介、FLアドレ・スミス、そして昨季好調だったNO8フェツアニ ラウタイミ。バックスは5名を替え、ハーフ団はSH茂野海人と、怪我の松田にかわり元BR東京から今季加入のSOマット・マッガーン。
さらに第8節からメンバーに絡んでいるCTB岡田優輝、第2節以来の復帰となるWTBヴィリアメ・ツイドラキ、そしてフィニッシャーのFB高橋汰地だ。
そしてリザーブには大注目の2人。
今年1月に大学4連覇を達成したばかりの帝京大学から、キャリア初の主将を日本一で飾った青木恵斗主将、シーズン終盤の戦列復帰から優勝に大きく貢献した小村真也がデビューに備える。福島のJヴィレッジスタジアムで途中出場からどんなエナジーを与えるのか。
そして迎え撃つ浦安D-Rocks。
サンゴリアスに迫った前節から3名が替わった。クボタスピアーズ船橋・東京ベイから新加入のLOヘル ウヴェ、現役南アフリカ代表でNO8ヤスパー・ヴィーセ、そして今季リーグ50試合出場を達成したFB安田卓平だ。
キャプテンのSH飯沼蓮はSOオテレ・ブラックと先発ハーフ団を組むが、「キャプテンのプレッシャーを取り払ってパフォーマンスを上げてもらう」(レイドローHC)ことを企図し、ゲームキャプテンは2試合連続でHO藤村琉士が務める。
注目点の一つは序盤戦だろう。
浦安D-Rocksはシーズン途中から好スタートを切るチームに脱皮した印象がある。サンゴリアスに開始3分で先制トライを奪った。ヴェルブリッツは、5連続トライを浴びた前節の同じ轍は踏みたくない。
注目対決を制するのはどちらか。ヴェルブリッツのルーキーコンビはいつ登場するか。見どころは満載。土曜日12時のキックオフが待ちきれない。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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