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ラグビー コラム 2025年2月27日

重量級の打ち合い必至。7戦連続無敗のスピアーズ、王者・ブレイブルーパスに真っ向勝負

ラグビーレポート by 田村一博
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レギュラーシーズンの全18試合中、ちょうど半分の9試合を終えたところで、昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京は2位で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは3位。それぞれ勝ち点は34、33とほとんど差はない。
実力も、FW、BKのバランスがともに取れており、甲乙つけ難い。

激戦必至の両チームの戦いが3月1日(土)、鹿児島・白波スタジアムでおこなわれる。
バックスタンド後方には雄大な桜島が見える地での一戦の注目度は高い。チケットの売り上げも好調と聞こえてくるから、歓声も大きくなるだろう。

前節の両チームの戦いは対照的だ。ブレイブルーパスはリコーブラックラムズ東京と戦い、45-44の辛勝だった。7トライを奪うも、7トライを失う80分。
しかし、先手先手と先を行き、ほとんどの時間でリードを奪う展開だったからか、トッド・ブラックアダー ヘッドコーチは「プレッシャーをかけられましたが、リーダー陣も選手たちも落ち着いていた」と慌てた様子はなかった。

結果を残すことをテーマに試合に臨んだリーチ マイケル主将も、「最終的に勝つことが大事だった」と僅差の試合をネガティブに捉えることはなく、今季ここまでプレータイムの少なかった選手や、今季初出場となった選手たちの存在を前向きな収穫とした。
スピアーズ戦には、あらためてコミュニケーションが深く取れているメンバーを先発に並べて挑む。
パンチ力のある相手に、一歩も引くことのない気持ちで戦う。

 

試合出場登録された23人のバランスがいい。
LOに第5節後に戦列を離れていたワーナー・ディアンズが復帰したのは大きい。ジェイコブ・ピアスとコンビを組む。

HOに先発の原田衛、ベンチスタートの橋本大吾と並ぶのも頼もしい。橋本はピッチに立てばインパクトと元気を周囲に与える。
伊藤鐘平の重く、痛いプレーも相手は嫌だろう。前節からSH小川高廣がベンチに入ったこともチームに安心感を与える。

スピアーズは前節の静岡ブルーレヴズ戦に62-14と大勝して勢いがある。相手にイエローカードが計3枚出たとはいえ、強力FWを圧倒したことは自信になる。
開幕第2戦で埼玉パナソニックワイルドナイツに負けた後は、7戦続けて負けなしの状況だ。(1引き分けあり)。

レヴズ戦に快勝した後、スピアーズを率いるフラン・ルディケHCは「ベーシックなところを重視して準備してきた」ことを明かし、相手のエナジーの発信源となるFWを封じ込めた選手たちのパフォーマンスを高く評価した。

 

ブレイブルーパス戦のメンバーは、FW、BKとも先発が一人ずつ変わった。
1番の先発には海士広大が入り、前節は先発だった紙森陽太がベンチスタートに。80分一貫して強力なスクラムが組めることに違いはない。
3番のオペティ・ヘルのうしろには為房慶次朗が控える。

今回、SOにはバーナード・フォーリーが入った。
素早い球さばきと急加速のランが持ち味のSH藤原忍とコンビを組んだ時、スピアーズBKの動きは鋭い。直近4試合で5トライと決定力のあるハラトア・ヴァイレアが強気で勝負する回数も増えそうだ。

鹿児島での一戦は、スコアボードが動く回数の多い80分となるだろう。思い切って攻め合う。
ブレイブルーパスのアタック力はスタッツでも顕著だ。1試合平均のゲインメーター数(606)、同ラインブレイク数(11.6)、同ディフェンス突破数(35.6)とも、今季ディビジョン1(以下、D1)全体のトップ。前節のブラックラムズ戦でのディフェンス突破数55は、昨季以降のD1最多記録だ。
また、プレースキック成功率81パーセント(42/52)も今季 D1トップとなっている。

スピアーズでは、CTBリカス・プレトリアスの動きが重要になる。ディフェンス突破率は、今季D1トップの55パーセントと高い。前出のヴァイレアだけでなく、FBショーン・スティーブンソンもどんどんチームへのフィット感を高めている(前節2トライ)だけに、アウトサイドの強みは増す(スタッツはOpta調べ)。
FWによるインサイドの圧力も強いチームだけに、相手にとっては厄介となる。

プレーオフでの対戦も予想される顔合わせは、きっとまた見たくなる攻防、駆け引き、魂と力のぶつかり合いが繰り広げられるだろう。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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