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リザーブの第1列も強烈なピアーズ
12月下旬に始まった「NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25」。ディビジョン1は2月に入り、別のカンファレンスのチームが戦う交流戦が始まっている。
2月8日(土)は、神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場で、4連勝で3位まで順位を上げてきたホストの横浜キヤノンイーグルスが、4位につけているクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎えた。
開幕2連敗でスタートしたイーグルスだったが、年が明けてから白星を続け、先週の第6節のトヨタヴェルブリッツ戦も、24-20と競り勝って4勝2敗の勝ち点20で3位に浮上した。イーグルスの沢木敬介監督は、ヴェルブリッツ戦からFW(フォワード)3名、BK(バックス)1名の先発を変更した。
FWは日本代表PR(プロップ)岡部崇人、HO(フッカー)中村駿太がベンチに下がり、シオエリ・ヴァカラヒ、庭井祐輔が、FL(フランカー)は、今季加入したビリー・ハーモンが前節に続いて先発する一方で、ベテランの嶋田直人が先発に上がった。
SHファフ・デクラーク(イーグルス)
また、南アフリカ代表SH(スクラムハーフ)ファフ・デクラーク、元日本代表SO田村優が引っ張るBKは、FB(フルバック)に、これまで先発を続けていたベテランの小倉順平がメンバー外となり、2シーズン目の普久原琉がリーグワン初先発となった。
一方のスピアーズは序盤では接戦が多かったが、前節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦は40-12と快勝。ボーナスポイントを加え、4勝1敗1分の勝ち点20とし、得失点差で4位につけている。
フラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)は前節からFW、BKをそれぞれ1名ずつ変更し、バックローは日本代表でも活躍したFLピーター・ラピース・ラブスカフニが今季初先発となり、WTBにはゲラード・ファンデンヒーファーが木田晴斗に替わって先発した。
ホストのイーグルスがファンの前で勝利し、2016-17シーズン以来となるリーグ戦5連勝となるか。それともスピアーズが勝ち点で並ぶ相手に勝利して順位を上げるか。晴れたものの、強風が吹くの中、試合は午後2:10に、8195人の観客を集めてキックオフされた。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25
【ハイライト動画】第7節 横浜キヤノンイーグルス vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
先制トライを挙げたFL嶋田直人(イーグルス)
先手を取ったのはホストのイーグルスだった。前半3分、フェーズを重ねて右に展開し、キャプテンCTB(センター)梶村祐介のパスに、最後はFL嶋田が走り込んでトライ。5点を先制する。スピアーズも7分、スクラムで得たPG(ペナルティゴール)をSO(スタンドオフ)押川敦治が決め、3点を返した。
そこからイーグルスが優位に試合を進めるが、なかなかスコアボードが動かなかった。ようやく33分、LO(ロック)マシュー・フィリップのトライと、SO田村のゴールでイーグルスが追加点を挙げた。一方のスピアーズも前半ラストプレーで相手陣に攻め込むが、イーグルスがディフェンスで粘りを見せて12-3のまま前半折り返した。
ハットトリックのハラトア・ヴァイレア(スピアーズ)
後半3分、先に得点を挙げたいスピアーズは、キックカウンターからボールを継続して前進し、最後は右大外にいたWTB(ウイング)ハラトア・ヴァイレアにつなぎ、ヴァイレアがフィジカルを活かしてトライ。4点差に追い上げた。
だが、イーグルスは後半10分に、初先発のFB普久原が相手WTBヴァイレアのパスをインターセプトし、そのまま走りきって右中間にトライ。SO田村のゴールも決まり、19-8と11点差までリードを広げた。
後半はリザーブメンバーが機能したスピアーズ
残り30分あまり、スピアーズは南アフリカ代表HOマルコム・マークス、日本代表PRオペティ・ヘル、海士広大ら、5人を交替して一気にギアを上げた。15分にはSO押川がPGを決め、さらに20分にラインアウトからモールで押し込んだ後、右に展開しWTBヴァイレアが右隅にトライ。3点差に迫った。
イーグルスは25分にSO田村のPGで3点を加えたが、スピアーズのペースは変わらず、その直後にWTBヴァイレアがSO押川のグラバーキックを拾い上げ、右隅にハットトリックとなるトライ。
さらにヴァイレアは自身で難しい角度のコンバージョンキックも決め、ついに23-22と逆転に成功。スピアーズは34分にもCTB(センター)リカス・プレトリアスのトライ、WTBヴァイレアのゴールで30-22として、昨季同様に逆転勝ちでイーグルスを下した。
POMのWTBハラトア・ヴァイレア(スピアーズ)
POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、ハットトリックと2ゴールで計17得点を挙げたスピアーズWTBヴァイレアが選出された。「POMは初めて取れたのでうれしいハットトリックは社会人になって初めて。自分の強みが出せた」と笑顔を見せた。
2025年に入って初の黒星となったイーグルスの沢木監督は、「今の実力はこんなものだと思うし、ちゃんと自分たちを受け入れなければいけない。こういうゲームに勝たないと、本当にチャンピオンを狙うチームにはなれないと思うので、もう1回しっかり自分たちにベクトルを向けながら、来週からまたいい準備をしたい」と厳しい表情で話した。
梶村祐介キャプテン(横浜キヤノンイーグルス)
キャプテンのCTB梶村も「自分たちから勝てるチャンスを手放してしまった。来週はワイルドナイツさんとの試合を控えているので、自分たちのやることをもう一度クリアにして、フォーカスを自分たちに向けたい」と前を向いた。
逆転勝利で3連勝となったスピアーズのルディケHCは、「前半チャンスを作っていたが、それをものにすることができなかった。後半はそこをしっかり修正してくれたリーダー、選手たちを褒めたい。(後半途中から入った)HOマークスやPRヘルなどはパワーや重さが桁違いで、必要な場面でしっかり結果を出してくれた。エキサイティングな気分」と選手を称えた。
フラン・ルディケHC(左)とファウルア・マキシ キャプテン
キャプテンのNO8(ナンバーエイト)ファウルア・マキシは「今日の試合は自分たちにとって良いチャレンジだった。すごくいい準備をすることができていた。試合の入りはうまくいかなかったが、後半、ハーフタイムでしっかり修正して、入りから流れ、モメンタムをつくることができた」と胸を張った。
今シーズンの交流戦で、両チームは2度対戦するため、3月22日(土)はスピアーズのホストスタジアムの東京都・スピアーズえどりくフィールドで再び相対する。
連勝がストップし、順位を5位に下げたイーグルスは次節は2月16日(日)に東京都・秩父宮ラグビー場で、現在、首位を走っている埼玉パナソニックナイツと激突する。3連勝で勝ち点を24に伸ばして3位に浮上したスピアーズは、2月15日(土)、スピアーズえどりくフィールドにコベルコ神戸スティーラーズを迎える。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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