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ラグビー コラム 2025年2月3日

【ハイライト動画あり】サンゴリアス、好調ブルーレヴズに真っ向勝負、今季2勝目を攻め抜く覚悟でつかむ

ラグビーレポート by 田村一博
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勝負事に勢いは大事も、それだけでは決まらない。そして、ラグビーはあらためて難しい。
2月1日(土)から始まった、別カンファレンスチームとの対戦が組まれた交流戦。ヤマハスタジアムで行なわれた静岡ブルーレヴズ×東京サントリーサンゴリアスは、そう学ぶ試合となった。

第5節に昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京を同じスタジアムで34-28と破り、開幕からの成績を4勝1敗としていたブルーレヴズ。サンゴリアスは開幕からエンジンがかからず第5節の三重ホンダヒート戦で今季初勝利と、1勝2敗2分けの10位と沈んでいた。

若く、パンチ力のある選手たちを並べ、FWで昨季王者を圧倒した姿を見れば、ブルーレヴズが今季初勝利を挙げたばかりの相手を飲み込むと予想した人は少なくなかっただろう。
キックオフからお互いにガツガツあたり、攻守両面の激しさが伝わる展開の中、前半20分にブルーレヴズが先制点を挙げた時、スタジアムで応援するファンも含め、多くの人たちは勝負の天秤が青い側に大きく傾くと思った。

しかし終わってみれば33-14。後半に突き放したサンゴリアスが今季2勝目を挙げた。
前半を13-7とリードした黄色いジャージーは後半立ち上がりに13-14と逆転されるも、最後の30分を規律高くかつハードに戦い、勝利をつかみ取った。

試合開始直後からサンゴリアスは覚悟ある動きを見せた。攻守ともに前に出てボールを大胆に、多く動かす。多くの時間を敵陣で過ごした。

それでもなかなか得点できず、20分にはブルーレヴズ陣深くまで攻め込みながらもターンオーバーでボールを失い、そこからWTBヴァレンス・テファレに90メートル近くを走り切られて先制点を許す。
ヤマハスタジアムの熱気はさらに高まったが、この日のサンゴリアスには圧力に屈しない強さがあった。

24分、黄色いジャージーはラインアウトからフェーズを重ね、HO堀越康介主将が右中間に飛び込んで反撃を開始。コンバージョンキックも決まり、7-7とした。
SO高本幹也は34分と39分にはPGを決め、逆転してハーフタイムに入った。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(2月1日)

【第6節 ハイライト動画】静岡ブルーレヴズ vs. 東京サンゴリアス

前半のプレー選択について、堀越主将は、「(PGなど)スコアできる機会には狙いましたが、自分たちにモメンタムがある時は攻めました」と判断の基準を話した。
激しい攻防の中、的確なゲームの進め方をした。

 

サンゴリアスはこの日、ブルーレヴズに自信を持つスタイルを出させなかった。
余計な反則をせず、簡単には自陣に入らせない。結果、相手の前半のトライは個の力で挙げたもので、後半2分、WTBマロ・ツイタマに奪われた5点もキックカウンターから一気に攻め切られた。失点はしても、相手が勢いを出す形には持ち込ませなかった。

その一方で自分たちは、サンゴリアスのスタイルでトライを重ねた。13-14で迎えた後半7分、NO8タマティ・イオアネのトライはボールを大きく動かして6フェーズ目に防御を崩し切った。
22分にLOハリー・ホッキングスがインゴールに入ったものは、この日のベストトライだったか。ラインアウトから攻撃を連続し、5つのオフロードパスをつないで、防御を翻弄した。

さらに1トライを追加して勝利を手に入れた堀越主将は、「我慢の時間帯が多かったけど、自分たちのゲームプランを信じてプレーし続けられた。FW同士の勝負で勝てた」と胸を張った。
小野晃征ヘッドコーチも、「ブルーレヴズはフィジカルの強さが武器。そこを考えて準備してきましたし、やってきたことを出せた」と喜んだ。
「アグレッシブアタッキングラグビーというテーマを自分たちのチームは持っています。ボールを動かすにはブレイクダウン、接点で勝つことが大事。そこをやり切れたことがトライに結びつきました」

敗れたブルーレヴズのFLクワッガ・スミス主将は、「きょうのサントリーはすごくいいプレーをしました。自分たちはミスでモメンタムを失い、スタイルを出せなかった。自分たちがボールを持っているときはいいプレーができたが、得点を取った後に勢いを失ってしまった」。
そして、「追いかける形になり、個々が、自分が何かしないといけないと考えて焦ったことが、ペナルティにつながった」と話し、本来の力を出せなかったことを悔やんだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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