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ラグビー コラム 2025年1月23日

「日本製鉄釜石シーウェイブス」の連勝か。「花園近鉄ライナーズ」の初勝利か。ジャパンラグビーリーグワンD2第4節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ディビジョン2(D2)で1929年創部の名門・花園近鉄ライナーズが苦戦している。

2季死守したディビジョン1の戦場を失い、リーグ開幕年以来のD2参戦となっている今季は、ここまで1分2敗。いまだ勝利がなくD2最下位(8位)に沈んでいる。

課題は明確だ。

2週間前にレッドハリケーンズ大阪に17-36で2敗目を喫した試合後、2季目の向井昭吾ヘッドコーチが言及していた。

「前半25分までは非常に良いゲームをしていましたが、前半30分過ぎぐらいから少しずつ守れなくなり、ペナルティが多くなってしまいました」

「後半についても、やはり自分たちのペナルティでリズムを崩して相手の一番強いトライのパターンに引きずり込まれました。規律とそれを守り切れなかったところが、今回の敗因かなと思っています」

象徴的な場面は後半8分。ラインアウトのノットストレート、スクラムの被ペナルティ、そして被トライ。反則からエリアを後退して守り切れないパターンで崩れた。ペナルティは相手の2倍にあたる14回に上った。

昨季敗れた入替戦においても、2戦目はイエローカード(後半19分)が敗着になった。WTB木村朋也らを擁するアタックは迫力十分。ディシプリンの意識向上が目下の最重要課題だろう。

 

そんなライナーズはD2第4節、今季初勝利をかけて福島・ハワイアンズスタジアムいわきで、6位(1勝2敗)の日本製鉄釜石シーウェイブスとのビジターゲームに臨む。

 

1959年創部の新日鐵釜石を礎とするシーウェイブス。

待望の今季初勝利は、2週間前の清水建設江東ブルーシャークス戦だ。

終盤まで4点差(28-24)の接戦だったが、自陣トライライン前でNO8サム・ヘンウッドが値千金のスティール(ジャッカル)。

最終盤は、ブルーシャークスの相手主将(白子雄太郎)が「ひたむきさで相手が上回った」と語った運動量、ラックへの集散で上回り、35-24の勝利に繋げた。

宮城県気仙沼市出身のSH村上陽平主将は、「前半受け身に回って相手のペースにさせたことは反省です」としつつ、後半については「一人ひとりがハードワークして、修正すべき課題に対して、チーム全体でフォーカスしてアプローチできた」と仲間を誇った。

そして東京・江東区開催のビジターゲームながら大きかった声援については「自分たちのホームなんじゃないかというくらい大声援が聞こえて、それで後半で勢いに乗れた部分も少なからずあると思います」とサポーターの声援に感謝していた。

そして今週土曜日の舞台は福島。今季2度目のホストゲームだ。シーウェイブスは前節の課題になったスロースタートを修正したい。

「(ブルーシャークス戦の)後半のクオリティーを試合開始からやらないといけないし、そのクオリティーをすべての試合でやり続けることが、リーグワンのシーズンを戦っていく上では大事だと思います」(シーウェイブス、SH村上主将)

キックオフ直後から精度高くプレーし、その強度を80分継続する。大声援を送るサポーターもいる。昨季D1に所属していたライナーズから今季2勝目を奪う可能性はあるだろう。

一方のライナーズは、セットプレーを安定させれば文句なしのアタックが活きてくるはずだ。この2週間でエリア後退後のディフェンスにおける規律意識は改善できたか。注目すべきポイントは多い。

今季初勝利の勝ち鬨を上げたいライナーズ。福島で今季初の連勝を遂げたいシーウェイブス。D1がバイウィーク(休養週)となる今節、注目の一戦となりそうだ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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