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ラグビー コラム 2025年1月9日

初勝利へもう一歩のヴェルブリッツ。激しさ増すブラックラムズが立ちはだかる。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第4節

ラグビーレポート by 田村一博
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開幕から3試合を戦って、まだ勝利がないトヨタヴェルブリッツが、岐阜メモリアルセンター 長良川競技場にリコーブラックラムズ東京を迎えて今季初白星を目指す(1月11日、14時40分キックオフ)。

ヴェルブリッツは勝ち点3の10位で、ブラックラムズは勝ち点4の8位。まだ序盤も、ここから巻き返してプレーオフ進出の6位以内に入るためには、互いに勝利を手にしたい一戦だ。
両チームとも好選手を多く擁する。勝利から一気に浮上する可能性を秘めている。

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それにしても、前節のヴェルブリッツは惜しかった。東京サントリーサンゴリアス相手に30-30と引き分けた(1月4日)。
先制を許し、前半を8-14とリードされるも、決して大きく離されず、後半37分に30-30と追いついた。コンバージョンキックが入れば、大きく勝利に近づいただろう。

奪った4トライのうち、ベストトライは前半23分に奪ったものだったか。
自陣から攻め、チーム全員が一体となったアタックを見せた。174センチ、95キロと小柄なルーキー、FL三木皓正がピッチ中央でビッグゲインを見せると、FWがよく走っていた。左サイドでパスをつなぎ、最後はHO彦坂圭克がインゴールに入った。

後半37分、途中出場のマット・マッガーンが奪ったトライも、自陣から攻めた。
個人技の高さとサポートが噛み合って取り切ったものだった。

インジャリータイムに入って自陣でペナルティゴールの機会を得た。結果的には、FBティアーン・ファルコンが狙った約60メートルのキックが外れて勝利をつかみ損ねたのだが、NO8姫野和樹主将には、その選択への後悔はなかった。

ゴールポストまでの長い距離に、主将はタッチに蹴り出し、次のラインアウトからの攻めることも考えたが、ファルコンの「チャレンジさせてくれ」の思いに託した。
試合後の記者会見で、「彼が(日頃から)努力しているのを見ています。それを100パーセント信じるのがキャプテンのつとめ」と話した。

目の前の勝利こそ逃したものの、この先につながる判断ではなかったか。
シーズンは長い。チームの一体感こそ激戦を戦い抜く力になる。

 

ブラックラムズは開幕第2戦のサンゴリアス戦(12月28日)に33-32と勝利した。その顔合わせでブラックラムズが勝利を手にしたのは、トップリーグ時代の2004年以来、20年ぶりのことだった。

これまで脆かったチームが常勝チームの一角相手に接戦を勝ち切ったのだから、当然雰囲気は高まる。
続く埼玉パナソニックワイルドナイツ戦(1月4日)でもアップセットが期待された。
そして伝統のブラックジャージ―は実際に堂々と戦い、後半10分過ぎまでは16-20と互角に戦った。

HO武井日向主将が相手のボールを取り返すなどFWが奮闘し、今年から加わったSH、TJ・ペレナラの判断とチームを前に出す動きはさすが。
テストマッチ出場こそなかったが、昨秋の日本代表活動に加わったSO中楠一期、CTB池田悠希の動きは昨季以上に強く、キレがあった。

最終的には終盤に引き離されて16-39と敗れるも、潜在能力の高さを垣間見せた試合。その80分を振り返りって新任のタンパイ・マットソン ヘッドコーチは、チャンスを相手に渡した時間帯を悔やみながらも、フィジカリティーで対抗できた面を評価し、「学びを成長につなげていきたい」と前向きに総括した。
武井主将も「一貫性は出てきている」と話した。

この両チームが戦う試合の出場予定選手を見ると、ともに前節の試合と先発メンバーは大きく変わらない。
ブラックラムズは、前節の後半途中に退いたFBアイザック・ルーカスを欠くが、ベレナラ、中楠がハーフ団を組む。

そのペレナラと、ヴェルブリッツ9番アーロン・スミスの、オールブラックスSH対決も痺れる顔合わせだ。

アタック力の強い両チームだが、この試合ではタックルに注目するのもおもしろい。
今季のディビジョン1で、50回以上のタックル成功数を記録している全6選手のうち4人は、両チームにいる。

ヴェルブリッツでは、今回はベンチスタートとなるFL三木が3節までに53タックルを記録し、姫野主将は相手に52回突き刺さった。ブラックラムズは、53タックルのNO8リアム・ギル、51回のFLマイケル・ストーバーグがFWにいる(Optaによるデータ)。

トライの取り合いより、タックルの応酬にラグビーの深みを感じる人は多い。
特に、小柄な三木の一撃に心を奪われる人はきっと多い。

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文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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