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ラグビー コラム 2025年1月6日

【ハイライト動画あり】壮絶マッチ。初勝利を懸けた「東京サントリーサンゴリアス×トヨタヴェルブリッツ」は大熱戦に。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第3節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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壮絶な試合になった。

「お互いに連敗していて上手くいかないチーム同士だったので、どちらが勝ちたい欲を出すかというところでゲームに挑み、本当にプライドの戦いになりました」(サンゴリアス、HO堀越康介主将)

同点のまま80分超えのレッドゾーンへ。タッチに蹴り出せば試合終了だが両軍とも勝利を求め、攻め続ける。一歩も引かない姿勢が激闘を生んだ。

共に開幕2連敗。東京サントリーサンゴリアストヨタヴェルブリッツが2025年1月4日、激突した。

サンゴリアスが前半5分、FB河瀬諒介のカウンターを起点に先制トライ。クイックテンポの展開をWTB尾崎晟也が仕留めた。

ペナルティゴール(PG)で反撃したヴェルブリッツは23分に1本目。相手WTBチェスリン・コルビがシンビン(デリバレイトノックオン)の間にHO彦坂圭克が仕留め、逆転(8-7)に成功。ストレートランで数的優位を攻略するスキルが光った。

「(今日は)しっかり全員でスペースを見つけて、判断して、展開できた部分に手応えがありました」(ヴェルブリッツ、NO8姫野和樹主将)

しかしサンゴリアスが再逆転。

順目に高速展開&フラットにゲインを獲るサンゴリアス。ゴール目前、内側のディフェンダー不足を察知したSO高本幹也が切り込み、トライ&ゴール成功。サンゴリアスリードの14-8で折り返した。

「(SO高本は)チームのフィロソフィーの部分でのアグレッシブ・アタッキング・ラグビーに加え、今日はキック、ランの場面でもチームを前に運べたと思います」(サンゴリアス、小野晃征HC)

後半は、さらにリードが目まぐるしく入れ替わる。

「本当に『ヴェルブリッツ側』『サンゴリアス側』でモメンタムが行き来する80分間でした」(サンゴリアス、小野HC)

まずヴェルブリッツが後半5分に敵陣に攻め込むと、NO8姫野和樹主将のノールックのバックフリップからSHアーロン・スミスが2本目。新加入したSO松田力也のゴール成功で逆転(15-14)した。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(1月4日)

【第3節 ハイライト動画】東京サンゴリアス vs. トヨタヴェルブリッツ

しかし、相手にチャレンジングなプレーを選ばせるために「後半はペナルティゴールを狙っていこう」と話していたというサンゴリアス。後半9分にPGですぐに逆転(17-15)する。

ヴェルブリッツのトライでまたも5点ビハインド(17-22)となったサンゴリアス。後半12分にWTB尾崎の同点トライで追いつき、コンバージョンで勝ち越し(24-22)。

欲を言えば、重要な終盤で2度(後半19、35分)あったPG機会のどちらか一本でも決めたかったが、決めきれず。それでもサンゴリアスが5点リード(30―25)で最終盤を迎えた。

ヴェルブリッツは、元日本代表バックスリーのウィリアム・トゥポウが攻守に活躍。後半36分の勝負所では、WTB高橋汰地が相手FBを弾いて敵陣奥へ。最後はトゥポウのオフロードパスで、新加入マット・マッガーンの同点トライを生んだ。

コンバージョンが決まれば32-30で勝ち越し。

が、2023年W杯では正確無比なキックで大貢献したSO松田が、比較的簡単なコンバージョンを外し、勝ち越しならず。これが死闘の呼び水になった。

J SPORTS 放送情報

タッチに蹴り出せば試合終了だが、それでは同点決着を選んだことになる。イエローカードで14人になったサンゴリアスが自陣から攻める。ヴェルブリッツも攻める。とうに限界を過ぎているようにみえる両軍による、壮絶なぶつかり合いが続いた。

82分50秒。

ヴェルブリッツは最終盤、60m級の逆転PGをFBティアーン・ファルコンが狙った。

「自分たちにはティアーン・ファルコンというロングキッカーがいます。僕はコーナーへ蹴るべきなのかなと思いましたが、彼が『チャレンジさせてくれ』と言ってきたところを評価しました。彼が努力しているのは見ていますし、それを100%信じてあげるのがキャプテンとしての務めだと思います」(ヴェルブリッツ、NO8姫野主将)

ただ、蹴られた楕円球はバーに届かなかった。短くなったキックを捕球したサンゴリアスは、またも突進。ゲームは続いた。しかしサンゴリアスのノックオンでプレー中断。

大激闘は30-30でノーサイドを迎え、両軍は30-30の痛み分け。共に1分2敗となり今季初勝利は次戦以降に持ち越された。

「本当にプライドの戦いになりました。勝ち切れた試合を勝ち切れなかった点はすごく反省するべき部分です。次の試合に向けていい準備をしていかなければ、と思います」(サンゴリアス、HO堀越主将)

ヴェルブリッツのスティーブ・ハンセンHC。自分の仕事は「選手を成長させること」であり、目の前の結果だけを見ることはしないと語った。

「私のヘッドコーチとしての仕事は選手を成長させることだと思っています。もちろん、結果は大事ですが、そこだけを見るということはしません。現段階では選手の実力を底上げして、チームとしての成功をつかむことが必要です」

「これまでラグビーを観たことがない人にとって、今日の試合は非常に印象的なものだったと思います。両チームともに良いトライが取れましたし、スキルの遂行力も高かったです。お互いに必死でした。ラグビーというスポーツに関しては、今日は成功だったと言えるのではないでしょうか」

まだまだ今季リーグワンの話題を集めそうな両軍。ヴェルブリッツの次なる相手は、1勝2敗のリコーブラックラムズ東京(1月11日、岐阜・長良川)。第2節でサンゴリアスに勝利した成長株から今季初勝利を狙う。

そしてサンゴリアスは翌12日、2勝1敗のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦(東京・秩父宮ラグビー場)での待望の初勝利を期する。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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