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ラグビー コラム 2025年1月3日

早稲田大学、昨季大敗した京都産業大学にリベンジ。『荒ぶる』まであと1勝。ラグビー全国大学選手権 準決勝

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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トライを取り、雄叫びを上げるHO佐藤

『赤黒』ではなく『白』。早稲田大学は白地に臙脂色の襟と背番号が映える白装束。昨季、京都産業大学に敗れた時と同じユニフォームだ。しかし、そのプレーは同じではなかった。自信に満ちた前に出るディフェンスと、次々と反則を奪い取る強烈なスクラムで、あの京産大に苦戦を強いた。

京産大がじわじわとフェーズを重ねながら前進しても、ハードタックルでボールを奪い取るとロングキックで自陣へと追い返す。逆に、攻撃ではテンポの早いパス回しで相手を翻弄し、少ない手数でインゴールに飛び込んだ。今季の早大らしい見事なラグビーで京産大を31-19で撃破し、昨季のリベンジに成功。そして全国大学選手権決勝へと早大は駒を進めた。

ラグビー 全国大学選手権 24/25

試合が始まり、いきなり魅せたのは早大。硬いディフェンスで京産大のノックオンを誘うと、そのマイボールスクラムでアーリーエンゲージの反則を奪った。昨季との違いをまざまざと見せつけ、試合の立ち上がりを制した。

6分に得たスクラムでは京産大のコラプシングを誘発すると、一気に敵陣深くまで侵入。ラインアウトではモールを組まず、HO(フッカー)佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)がボールを持った状態で回り込む。

その内側にスピードをつけて走りこんできたWTB(ウィング)池本晴人(社2=東京・早実)がパスを受け取ってゴール前まで前進すると、守備が整う暇を与えずにSH(スクラムハーフ)細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)が、LO(ロック)栗田文介(スポ3=愛知・千種)にボールを繋いでそのままグラウンディング。鮮烈な先制トライを挙げた。

続く13分にもスクラムでペナルティを獲得し、陣地を拡大。FB(フルバック)矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のキャリーから得たオーバーザトップの反則をクイックで再開。CTB(センター)福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)がインゴールにねじ込み、早くもスコアは12-0に。

スクラムで優位に立ち、試合を組み立てた早大がさらにリードを広げていく。23分には早大らしいハイテンポのアタックで右サイドに数的優位を作るとインゴール右に飛び込んだのはHO佐藤。主将が雄叫びを上げてチームを鼓舞すると、早大はさらに加速する。

30分、京産大が着実にフェーズを重ねてゲインを奪いに来るが、早大はこだわってきたディフェンスでミスを誘い、ターンオーバーに成功した。WTB池本が左サイドでブレイクすると、SH細矢に繋いでさらに前へ。

ディフェンスに仕掛けるCTB野中

素早くアタックラインを作ると、右サイドまで大きくボールを展開して受け取ったのは、関東大学対抗戦トライ王のWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)。インゴールを駆け抜け、CTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)のキックも成功すると26-0とリードを大きく広げた。

前半の終盤は京産大の圧力あるアタックに苦戦を強いられるものの、最後は佐藤がジャッカルに成功し、ハーフタイムを迎えた。

ラグビー 全国大学選手権 24/25

迎えた後半も先に試合を動かしたのは早大。オフサイドのペナルティから自陣ゴール前まで侵入を許すものの、強固な守備とSO服部亮太(スポ1=佐賀工)のロングキックでエリアを回復。

インゴールに向かって走るWTB池本

7分には矢崎の『50-22』で一気にチャンスを迎えた早大は、ラインアウトのアタックでキレのあるサインプレーを披露する。矢崎のカットインでディフェンスラインを引き裂くと、最後は池本がトライ。31-0とさらに京産大を突き放した。

しかし、ここから早大は反則が重なり、思うようなラグビーを展開できない。23分にFW(フォワード)に押し込まれてトライを許すと、続く32分にも失点。「チームの悪い流れを断ち切れなかった」と佐藤が振り返るように、苦しい時間が続く。

38分には2連続の反則からまたもFWにインゴールを叩き割られ、31-19と点差は12に。試合はノータイムを迎えるが、京産大は最後までアタックを継続。意地の攻撃でゴール前まで前進を許すものの、最後は京産大がノックオン。早大が前半に得たリードをキープし、大学選手権準決勝を勝利した。

「早稲田のディフェンスができた」と語ったのは豊富な運動量で守備の要を担ったFL田中勇成(教3=東京・早実)。身体の大きな京産大FWに対し、低く鋭いタックルで簡単に前進を許さず、粘り強い組織ディフェンスで一発でトライを取られることがなかった。

昨季の敗戦を糧に、『武器はディフェンス』とプライドを持てるほどに成長した早大。大学選手権準決勝という難しい試合でも安定したパフォーマンスを見せつけ、天敵を撃破した。

ラグビー 全国大学選手権 24/25

ついに次戦は決勝戦。帝京大学との対戦を前に「今年の過去2戦は関係ない。チャレンジャー精神で常にアタックマインドを持ち続けたい」(佐藤)と、あくまでも挑戦者の心意気。『荒ぶる』に向けた長い長い道のりも、残り1試合となった。『Beat Up』し、早大が大学ラグビーの頂点に君臨するその瞬間を見逃すな。

文:村上結太/写真:濱嶋彩加、権藤彩乃(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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