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ラグビー コラム 2025年1月3日

負けたら開幕3連敗…。2敗同士の名門対決「東京サントリーサンゴリアス×トヨタヴェルブリッツ」。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第3節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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「まさかの展開」と言ってよいだろう。

東京サントリーサンゴリアスと、トヨタヴェルブリッツが、開幕2連敗を喫した。第2節終了時点で、サンゴリアスが10位、ヴェルブリッツが9位にいることを予想した人は少ないのではないか。

第2節で、両軍はアップセットの引き立て役になってしまった。

サンゴリアスはリコーブラックラムズ東京に20年振りの大金星(32-33)を許し、ヴェルブリッツは三重ホンダヒートに実に32年振りの勝利(17-21)を許した。

共に前身トップリーグ時代からの「4強」常連。4年目を迎えるNTTジャパンラグビーリーグワンのディビジョン1(D1)は混戦模様であり、今季プレーオフ進出枠が上位6チームに拡大されたことも相まって、もはや「4強」という概念は過去のものになりつつある。

今季サンゴリアスのヘッドコーチ(HC)に昇格した小野晃征HCは、第2節の敗因について「最初の10分、後半最初の10分で相手の勢いをなかなか止められず、そこで大きなリードをされて追う立場になってしまった」と、前後半のスタート精度を課題に挙げた。

日本一を期するHO堀越康介主将。ボール争奪局面でプレッシャーを感じた。

「僕たちのラグビーで最も大事なブレイクダウンのところで圧力をしっかり掛けてきて、プライドを感じました。そこで受けてしまったところで、モメンタムが相手に傾いた部分が多かったのかなと思います」(サンゴリアス、HO堀越主将)

開幕3連敗となれば、小さくないディスアドバンテージとなる。

 

必勝態勢を期するサンゴリアスは今週、ベテラン3人を先発に入れた。まずは元日本代表のSH流大。同じくW杯2大会出場(2019、2023)のCTB中村亮土。そして南アフリカ代表が世界に誇るWTBチェスリン・コルビだ。

前節ハットトリックを決めたものの、最終盤の逆転トライは逃したFB河瀬諒介は引き続きスタメン。伸び盛りの25歳の躍動に期待したい。

まずは主将が「生命線」と表現したブレイクダウンを連取し、サンゴリアスのアタッキングラグビーを表現する。やりたいラグビーができた、という確信がV字回復の足場になるはずだ。

一方のヴェルブリッツ。

今季は姫野和樹キャプテンの大学同期、SO松田力也埼玉ワイルドナイツから加入。スティーブ・ハンセンHC、イアン・フォスター共同コーチという超豪華な元NZ代表指揮官コンビの体制となり躍進が期待された。

しかし第2節ではフィジカリティが成長した三重ホンダヒートに金星を許した。ただ敗戦後の会見で、世界的名将ハンセンHCはすぐに問題点に言及し、指針を示した。

「今日の試合に関してはペナルティやハンドリングミスが多く見られました」

「勝ちたいという気持ちが強過ぎるがゆえに、個々で『どうにかしたい』といった心境が悪い判断につながった側面があると思います。なので、いまの課題としてそこに焦点を当てていきたいです」

「気持ちがありすぎるがゆえに個々で動いてしまう。これまでに似たようなチームを見てきました。まず、メンタルの点でどう解決していくのか、チームの一体感を生み出すのか、その課題を克服することができれば、良いラグビーを展開できると思います」

第2節時点の問題点は、戦力でもなく技術でもなく、プレッシャー下でのメンタル面であると指摘。チームの一体感を保つことの重要性を示唆した。

 

今季初勝利向けて、ヴェルブリッツも同じく前節から先発3人変更。スコットランド代表79キャップの208cmLOリッチー・グレイ、今季初出場となる和田悠一郎、新加入のCTBジョセフ・マヌが入った。

経験豊富なハーフ団(SHアーロン・スミス、SO松田力也)に変更はない。苦しい場面になっても個々に走らず、チームのシステムを信じ切れるか。

初勝利を挙げて復調の契機にするか。それとも開幕3連敗を喫してしまうのか。両軍にとって序盤のターニングポイントになるかもしれない、重要な一戦だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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