人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2024年12月23日

【ハイライト動画あり】防御力全開。ワイルドナイツ、サンゴリアスに完勝。

ラグビーレポート by 田村一博
  • Line

 

思わぬ点差がついたが、お互いに自分たちのカラーを出した。
その上で埼玉パナソニックワイルドナイツ東京サントリーサンゴリアスを制圧した。

12月21日に味の素スタジアムで行われたリーグワン2024-25第1節の好カードは、リーグ発足年、2022シーズンのファイナルを戦った両チームの顔合わせだった。

ワイルドナイツは初代王者に就いたものの、その後の2シーズンは決勝で敗れている。サンゴリアスは、ここ2季ファイナリストになれていない。

頂点を狙う両チームにとっては、好スタートを切るためにも必ず勝ちたい試合。特に小野晃征新ヘッドコーチ(以下、HC)を迎えたサンゴリアスにとっては重要な初戦だったが、5トライを奪ったワイルドナイツが33-12とスコアを離し、ボーナスポイント1も得る勝ち点5を得た。

前半は13-0。ワイルドナイツの先制点は前半12分だった。フェーズを重ね、FB山沢拓也らの突破でゴール前に迫る。反則を誘い、PGで3点を刻んだ。

22分には得意のアンストラクチャー状態からWTB長田智希がインゴールに入った。
キックカウンターからボールを動かし、NO8ジャック・コーネルセンが抜け、背番号11にラストパスを送った。

長田は38分にもトライを奪った。このとき輝いたのはSOに入った山沢京平だ。中央スクラムからのボールをサイドチェンジしながら受け、絶妙のロングパス。サンゴリアスの防御を翻弄した。

ワイルドナイツのトライシーンを羅列すれば、同チームが攻め勝ったようにも映る。しかし、勝利を引き寄せたのは安定したディフェンス力があったからだ。
サンゴリアスは掲げるアグレッシブ・アタッキングラグビーのスタイル通りに高速でボールを動かし、攻撃を継続するも、攻めるたびに後退するシーンがあった。

シーズン開幕直前に宮崎で合宿をおこなったワイルドナイツ。そこで自分たちの攻守についてのディテールを確認し、試合中にその掟を維持するためのリーダーを明確にしてシーズンに臨んだ。
この日、昨季の第5節以来の出場となったPR稲垣啓太は、「そこがシーズン前にクリアになったことがよかった」と言った。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(12月21日)

【第1節 ハイライト動画】東京サンゴリアス vs. 埼玉ワイルドナイツ

また、前に出すとテンポが上がり、止めづらくなるサンゴリアスのアタックを封じるために、「最初が大事」と全員が高い集中力を出して流れを自分たちのものにした。
ワイルドナイツらしい前半だった。

後半は、サンゴリアスも2トライを返し、黄色いジャージーが試合の流れをつかむ時間帯もあった。「(前半のことは忘れて)後半は新しい試合」(小野HC)との意識を持ったからだ。ホストスタジアムに集まった2万263人のファンが沸くシーンもあった。

しかし、ワイルドナイツは力強く、巧みで、コミュニケーション能力の高さはアタックにも生かされ、追加した3トライは、相手の防御を完全に崩して奪った。

HO坂手淳史主将は、チーム全員が良い準備とワクワク感を共有してシーズンインできたことが好結果を呼んだと話し、その根底にあるのはディフェンスとした。
HO堀江翔太を引退で、SO松田力也を移籍で失った影響を感じさせない80分だった。

自身の初陣を勝利で飾れなかったサンゴリアスの小野晃征HCは、「思っていたような結果は得られなかったが、お互いにスタイルは見せられた」としながらも、ワイルドナイツの圧力を思い通りにボールを動かせなかったと悔やんだ。

J SPORTS 放送情報

HO堀越康介主将も、「相手は自分たちの強みを消してきた」と、プレッシャーの中で準備してきたことを出せなかったと話した。

サンゴリアスは試合の序盤にWTBチェスリン・コルビを怪我で失うなどの不運もあった。
その一方で、長く戦列から離れていたNO8ショーン・マクマーンが復帰し、ボールキャリーで再三前に出てチームに勢いを与えた。
初戦の完敗を引きずることはなさそうだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ