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ラグビー コラム 2024年12月23日

【ハイライト動画あり】早稲田大学がFW・BKで計8トライ。近畿大学は強力スクラム&アタック炸裂。第61回全国大学選手権・準々決勝

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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佐藤健次主将(早稲田大学)

大学選手権準々決勝。12月21日(土)に行われた関東大学対抗戦1位・早稲田大学と関西リーグ3位・近畿大学の一戦は、赤黒ジャージーのトライラッシュから始まった。

まずキックオフボールを早稲田大が確保。この日相手の2倍にあたる14回のペナルティを犯した近畿大は、反則から自陣5mラインアウトのピンチを迎える。

ここで早稲田大が堅固なモールを組んで前進。最後尾のHO佐藤健次主将がグラウンディングに成功し、先制トライに成功。

近畿大は避けたかったはずの先制トライを浴び、早稲田大は開始2分にしてモールというトライパターンに手応えを掴んだ。

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「(前半は)ひとつのペナルティで自陣に入られた時に、すぐにスコアされてしまいました」(近畿大・中村志主将)

被トライ直後、近畿大もお返しとばかりにパリ五輪7人制代表だったWTB植田和磨が、キックオフが重要となるセブンズ仕込みのテクニックで、キックオフボールを見事に捕球。

敵陣でアタック機会を得るが、早稲田大はWTB池本晴人がジャッカル成功。武器の守備力で跳ね返してみせる。

7点を追う近畿大は前半5分、ふたたびチャンスを得る。

敵陣22mラインアウトで、ロングボールからCTB藤岡竜也が直接確保して突進。低い姿勢でインゴールに突っ込んだものの、(映像では一瞬ゴールラインに触れたように見えたものの)映像判定はなくノートライとなった。

「(今日)機能していたのはディフェンス。ちょっとしたミスはありましたが、基本的にはタックルした人間が素早く起きて次に行くところで崩されなかったのが収穫でした」(早稲田大・大田尾竜彦監督」

すると早稲田大が反撃に転じる。

近畿大は随所で鋭いタックルを放つものの、2連続のペナルティ(ノットロール・アウェイ)でエリア後退。ここで先発を託されたFB植木太一が鋭いスワーブから前半11分にインゴールへ入った。

「一番良い状態の選手を使うのが今年のポリシーです。(FB)植木に関してはスピードが非常にあって良かった」(早稲田大・大田尾監督)

ラグビー 全国大学選手権 24/25 準々決勝-2

【ハイライト動画】早稲田大学 vs. 近畿大学(12月21日)

さらに近畿大はふたたびノット・ロールアウェイを犯し、早稲田大にモール・トライで3本目。早稲田大は20分までに3連続トライで17-0とリードを広げた。

関東でのアウェーゲームで被3連続トライ。避けたかったはずの展開で劣勢となった近畿大。それでもゴール裏から声援を届けるノンメンバー組に応えるように、近畿大の武器が炸裂する。

PR蔡唯志、HO村尾幹太、PR稲場巧を最前列に据えたスクラムだ。

前半20分(2本目)のスクラムで、近畿大がこの日初のペナルティを奪取。さらに7分後にも強烈ヒットから2連続PKを奪い、一筋の光明となった。

「相手(近畿大)のスクラムが強いことは分かっていました。前半は修正できませんでした」(早稲田大・HO佐藤主将)

スクラムでの優勢から前進した近畿大は、自慢のアタックも炸裂。スクラムでフリーキックを得るや、SH渡邊晴斗が速攻を仕掛ける。

古寺直希(近畿大学)

するとNO8古寺直希の鋭いクイックハンズからショートサイドでWTB植田が突破。ダイビングトライを決めてみせ、仲間たちへガッツポーズ。近畿大のアタックを秩父宮で披露し、12点差(5-17)に詰め寄った。

さらにトライ直後のセンタースタクラムでは、ふたたび強烈ヒットから相手を崩し、なんと3連続でペナルティ奪取。対抗戦で帝京大学も崩した早稲田スクラム相手に優勢となり、主導権を握った。

しかし敵陣ラインアウトでロングボールのミスなどがあり、近畿大はこのチャンスを活かせず。風上の有利を十分に活かせない。

田中健想(早稲田大学)

すると前半終了前には無理なパスが被インターセプトを浴びる。捕球したのは早稲田大のルーキーWTB田中健想。快足を飛ばして4本目を奪い、24-5で試合を折り返した。

後半になって、早稲田大は前半大きな課題となったスクラムを修正した。

「(近畿大のスクラムは)対抗戦ではあまりないような、ほぼ僕たちに寄り掛かるほどの圧力があって、そういう相手に自分たちが止まってしまって前半やられてしまいましたが、そこを(後半は)一歩前で仕掛けてスクラムを組めたのは良かったです。(後半は)間合いの詰め方、掛け方を修正できました」(早稲田大・佐藤主将)

「前半は(スクラムで)試合ができていましたが、後半では早稲田大学さんの修正力がすごくて、かなり修正してきて、前半とは全く違うスクラムを組んできた。そこに対応できませんでした」(近畿大・中村主将)

早稲田大は後半10分、そのスクラムでペナルティを奪うと、ハーフウェイライン付近のアタックを続けてCTB福島秀法が突破&オフロードパス。

LO西浦剛臣、WTB池本晴人がクイックパスで右隅のWTB田中健想に繋げ、衝突局面での判断が光るフィニッシャーが後半11分にチーム5本目。6分後にはPGも加える盤石の展開で29点リード(34-5)を得た。

さらに早稲田大は途中出場組がインパクトを与える。

後半19分から出場したスクラムハーフの宮尾昌典がショートサイドに仕掛け、守備を引きつけ、こちらも途中出場の安恒直人の突破を演出。リザーブ組の連携から後半24分に6本目。39-5とした。

大量リードを奪われても、近畿大のエナジーは落ちなかった。その証拠は終盤(後半27分)のチーム2本目だ。

ゴール裏の仲間の声援を受けた近畿大が中盤からアタック。相手ペナルティからSO西柊太郎が相手を弾いて前進すると、キーマンの一人、CTB嶋竜輝が突破してワンハンドの技ありオフロード。途中出場の井上晴嵐がグラウンディングを決め、意地の2本目を奪ってみせた。

しかし地力は終盤2トライを追加した早稲田大にあった。最終スコアは53-10の大差となった。

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ブレイクダウンのターンオーバーは速報値で早稲田大が5回(近畿大は0回)。ブレイクダウンの仕事量、激しさを含めたディフェンス力が光った。

「非常に勢いのある強みのしっかりしたチームである近畿大学さんに、しっかり勝負できたことは非常に良かったと思います。自分たちのディフェンスでまだ課題はありますが、これから準決勝へ向け、しっかり準備して臨みたいと思います」」(早稲田大・大田尾監督)

近畿大も最終盤、早稲田大の再三のスクラム選択にも対抗。スクラムトライを許さず直後の展開攻撃もしのいでみせた。近畿大の神本健司監督は、最高タイのトップ8に進出したチームを手放しで讃えた。

「(今日は)自分たちの強みであるスクラムの面でいかにいけるかということ、早い展開については粘り強く入って我慢し続けてということを掲げていました。スクラムは前半思い通りの形でしたが、ラインアウトモールを止められずかわされる、という展開となりました。全体的に早稲田大学さんは全てにおいて上だった、というのが正直な感想です」

「この4年生は常にリーダー、スタッフ含めミーティングなどを重ね、すごく良いチームになったと思います。横にいる中村キャプテンと一緒にこの1年何やってこれて、幸せだと思っています。彼の姿を後輩たちが見て、また良いチームを作ってくれて、またここに戻ってきて勝利したいと思います」

難敵を倒した早稲田大は準決勝に進出。大東文化大学(関東リーグ戦1位)に勝利した京都産業大学(2位)と決勝進出をかけて激突する。舞台は新年2025年1月2日(木)の東京・国立競技場だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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