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ラグビー コラム 2024年12月2日

【ハイライト動画あり】互いのラグビースタイル出し切る好ゲーム。近大、関西学院大に逆転勝ちで大学選手権へ。

ラグビーレポート by 田村一博
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両チームともFWが力強く、BKには好ランナー。そして結束も固い。
似たチーム同士の決戦は、期待通りの好ゲームとなった。

11月30日(土)に花園ラグビー場でおこなわれた関西大学Aリーグの最終節、関西学院大×近大は、勝てば全国大学選手権出場、負ければシーズン終了という背景の中での試合だった。

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ともにマストウィンの決意で臨んだ一戦を制したのは近大。29-22と僅差の試合を勝ち切り、3大会ぶり11回目の全国大学選手権出場を決めた。
近大、関西学院大とも5勝2敗、勝ち点24。当該校同士の勝敗で次ステージに進むチームが決まった。

近大は前節に天理大に勝ち、関西学院大も京産大を破って、ともに上り調子でこの日を迎えた。
風はやや強いものの、好天に恵まれた中、先にモメンタムを出し、それをスコアに結びつけたのは関西学院大だった。

朱色と紺の段柄ジャージーは、高い集中力でキックオフからの20分を制した。
接点で激しく、ブレイクダウンへの集まりもよかった関西学院大の先制点は前半7分。相手反則で得たPKで敵陣に入り、ラインアウトからモール。そこで押し込み、近大の防御ラインを下げる。
その後もくさびを打ち込んだ後、左外にできたスペースをBKで攻略した(WTB山本快のトライ)。

前半17分のトライもラインアウトから生まれた。重ねた5フェーズの一つひとつのアタックにおいて、各接点で前に出たから再び左にスペースができる。
エッジにいたNO8小林典大が左サイドライン際を走り切って、追加点を挙げた(ゴールキックも成功)。

12点のビハインドを負った近大だったが、そこで相手の勢いに飲み込まれず、31分に7点を返してハーフタイムに入れたのが大きかった。

この日、ブルーのジャージーが初めてインゴールに入ったのは、敵陣でのラインアウト後の攻撃から。マイボールを獲得後にセンタークラッシュ(ピッチ中央での意図的な接点作り)し、用意されたプレーを出す。
内返しのパスを受けたLO駒井凌太が抜け出し、タイミングよくサポートのPR蔡唯志へパス。そのまま背番号1が走り切った。スコアを5-12とした。

ラグビー 関西大学リーグ2024

【ハイライト動画】近畿大学 vs. 関西学院大学(11月24日)

近大は後半の入りも関西学院大に流れを渡しかけた。キックチャージからFB的場天飛にトライを奪われてリードを広げられた(ゴールキックも決まり5-19)。
しかし4分、SH渡邊晴斗がインターセプトからトライを返して点差を元に戻す。これで息を吹き返した(ゴールキックも決まり12-19)。

その後、お互いに1PGずつを決めるなど、後半10分までは試合が落ち着かなかったが、ここから近大が、少しずつ自分たちのペースに持ち込んだ。
15-22で迎えた後半17分、この日安定していたラインアウトからのモール→サインプレーでWTB植田和磨が前進してディフェンスに圧をかける。最後は逆サイドへ回し、FB阿曽有馬がトライ。ゴールも決まり、22-22と追いついて勢いづいた。

決勝点も再びラインアウトからだった。FWから出たボールを受けたSH渡邊が巧みにインゴールへグラバーキックを転がす。それをCTB藤岡竜也が押さえ、このゲームで近大が初めてリードを奪った。
ゴールキックも決まり、27-22とした青いジャージーは残りの時間も積極的に攻め、ディフェンスでも粘り強く守る。勝ち切った瞬間、喜びを爆発させた。

プレーヤー・オブ・ザ・マッチには、自らトライを奪い、逆転を呼ぶキックも転がしたSH渡邊。強気の2年生が輝いた。

神本健司監督は、関西学院大について「素晴らしいチーム」とリスペクトの気持ちを伝えた後、「特に前半はやろうとしていることができず、難しい時間が進みました。その中でもなんとか7点差で終えられたのが大きかった」とし、どちらに流れが傾いてもおかしくない試合で勝ち切った選手たちに向け、「学生たちが日々厳しく取り組んできたからつかみ取れた勝利。彼らと大学選手権でラグビーができる」と笑顔を見せた。

161センチと小柄ながらチームの先頭に立ったFL中村志主将も、「しんどいことをやりながらも、冷静に戦う準備をしてきました。それが(接戦の中で)生きた」と話し、仲間たちと戦い続けられることへの幸せを言葉の端々から感じさせた。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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