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ラグビー コラム 2024年11月29日

早稲田大学、全勝優勝を懸けた国立競技場での第100回早明戦に挑む。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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「自分たちを見失わないようにプレーしたい」とHO佐藤主将

毎年、12月の第1日曜日に開催される早明戦は100度目のキックオフを迎える。ラグビー関東大学対抗戦の最終節に行われるこの一戦には、これまでいくつものドラマが生まれ、人々に興奮と感動を与えてきた大学ラグビー随一の好カードだ。

今年は第100回にふさわしく、対抗戦優勝を決める天王山となる今試合。無傷の6連勝を飾り、単独首位に立つ早稲田大学が王手をかけているものの、この80分は何が起こるかわからない。

「国立競技場での開催、そして第100回、さらに全勝がかかっている。いろんなプレッシャーに負けず、自分たちを見失わないようにプレーしたい」と早明戦への意気込みを語ったHO(フッカー)佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)。節目の一戦に向けて、堂々たる決意表明だった。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

前節は11月23日に行われた慶應義塾大学戦。伝統校の矜持がぶつかり合う大一番は早大の見事な試合運びで、57-3と大差をつけて6つ目の白星を飾った。

序盤からセットプレーで圧倒した早大は7分に得た反則からペナルティーキックを選択する。距離、角度ともにCTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)の射程圏内で先制点は確実かに思われたが、ボールは左に逸れた。

早慶戦の難しさを感じさせる立ち上がりになったものの、早大はすぐに流れを掴む。10分、NO8(ナンバーエイト)鈴木風詩(社4=国学院栃木)が待望の先制トライを挙げるとそこから一気にラッシュに入る。

前半だけで5トライを挙げ、38-3と大きく慶大を突き放して前半を終えた。続く後半も、ミスはあったものの慶大にインゴールを割らせることはなく、57-3で伝統の一戦で大勝を果たした。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

対する明治大学はFW(フォワード)の強烈なコンタクトと前進、BK(バックス)の多彩かつ重層的なアタックが融合された隙のないラグビーが魅力。

その圧倒的攻撃力で、日本体育大学を101-0で粉砕すると、筑波大学戦では31-0と完封での勝利を見せ、攻守ともに高い水準を誇るオールラウンドなチームだ。

明治大学の注目選手は、BKはWTB(ウィング)安田昂平。先週行われた帝京大学とのジュニア選手権決勝でゲームキャプテンを務め、6年ぶりの優勝を決めたチームの精神的支柱が対抗戦に復活。紫紺のトライゲッターが満を持して早大に牙をむく。

そしてFWはNO8木戸大士郎主将。1年時からレギュラーを獲得した大器は鋭いタックルと激しいボールキャリーで明大を象徴する選手となり、チームにエナジーを与える。前節の帝京大学戦で28-48と敗戦し、大粒の涙をこぼした熱き闘将が、重戦車を率いて早大のインゴールに襲い掛かるだろう。

アタックラインにボールを供給するSH細矢

早大のキープレーヤーはSH(スクラムハーフ)細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)。昨年の早明戦では思うようなパフォーマンスを発揮できず、辛酸をなめた細矢。ラストイヤーとなった早明戦で雪辱を晴らすため、並みならぬ思いで国立の舞台に登場する。

また、PR(プロップ)亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園)にも注目したい。今季の早大スクラムの躍進を担う生粋のスクラメイジャーは必ずや明大相手でも押し勝ち、赤黒に勢いをもたらしてくれるだろう。

ディフェンスをブレイクするPR亀山

また、リザーブにはHO安恒直人(スポ4=福岡)やFL(フランカー)清水健伸(スポ2=東京・国学院久我山)、SH宮尾昌典(スポ4=京都成章)など、戦況を変えうるスタープレイヤーが出番をうかがっている。

的確なベンチワークで明大に勢いを渡すことなく80分間を終えることができるか、大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)の手腕にも期待が高まる。

激闘になることは必至の宿敵との一戦。「すべてのプレーに対して粘り強く戦うことがポイント」と大田尾監督が強調するように、激しい殴り合いを我慢強く戦いきることができるかが勝負のカギとなるだろう。

対抗戦優勝を目の前に、立ちはだかるのは最大の敵。紫紺の壁を破壊し、6年ぶりの歓喜へ。そして、『荒ぶる』へ。両雄は12月1日、国立競技場で相まみえる。

文/写真:村上結太(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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