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ラグビー コラム 2024年11月29日

「新ルール:期限付き移籍」「若手の育成リーグ開催」「ホストスタジアムの確保」など。リーグワン中期方針に関する会見

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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リーグワンの東海林一専務理事

11月28日(木)、一般社団法人ジャパンラグビー リーグワンの東海林一専務理事は、都内で中期方針に関する会見を開いた。

リーグワンの4シーズン目となる2024-25シーズンは、リーグワン『フェーズ2』の1年目となる。過去3シーズンの実績や、リーグ、クラブを取り巻く現在の状況を踏まえて、各クラブと協議を進めている方向性を発表したというわけだ。

今季からフェーズ2に入る

兼ねてからリーグワンでは、2023-24シーズンまでを『フェーズ1』、そして、2024-25シーズンからの4シーズンを『フェーズ2』、そして2028-29シーズンからを『フェーズ3』と設定していた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

「世界最高への前進」と銘打たれた、今シーズンのスローガンは「WELCOME TO RUGBY!世界最高峰の熱狂をいっしょに楽しもう」となった。

ルールに関しては、今シーズンから新たに2つが加わった。1つは『期限付き移籍』(レンタル移籍)を認めたこと。期限付き移籍は選手を出す側、受け入れる側の両クラブが容認した場合のみ可能であり、1シーズンで最大3名まで(4月1日以降は1名のみ)だ。

2つ目は『カテゴリーB・Cの抹消選手の再登録』を認めたことだ。昨シーズンまでカテゴリーB・C選手は1度、登録を抹消するとそのシーズンは選手登録できなかったが、それが改正された。

つまりシーズン序盤でケガをした外国人選手を抹消しても、ケガが治った後に再登録して出場可能となるわけだ。

※カテゴリーB:今後日本代表資格を得る可能性がある選手、カテゴリーC:他国代表歴があるなど、日本代表になれない選手

また、来シーズン(2025-26シーズン)から、カテゴリーAに「普及育成枠」が導入されることになった。詳細は今後発表されるが、カテゴリーA選手の一定数を、日本の義務教育機関で過ごした選手とするという。4シーズン、日本でプレーした外国人選手は、5シーズン目からカテゴリーAとなり、各チームで増えているため、育成、普及の観点から導入されるという。

来シーズンから、秋に若手の育成リーグの開催を予定しており、2シーズン後の2026-27シーズンからは、スーパーラグビーチームと、チャンピオンシップ形式の「クロスボーダーマッチ」を行う方向で動いているという。また、2027-28シーズンからはサラリーキャップの導入も目指している。

さらに、リーグワンでは「スタジアムの固定化、そしてホスト&ビジターを今以上に邁進する」ことをターゲットに、『フェーズ3』の1シーズン目にあたる2028-29シーズンを目処に、クラブのライセンス制度を導入する予定だ。

ライセンス制度で、一番大きな要件となってくるのは、やはりホストスタジアムの確保である。

ライセンスに基づくエリア・スタジアムの考え方

「ライセンスに基づくエリア・スタジアムの考え方」の表の通り、ディビジョン1は1万人以上、ディビジョン2・3は、2500人以上のスタジアムを確保し、ホストスタジアムで5割以上、セカンダリースタジアムも入れると8割以上のホストの試合を実施することを求めていくという。

2028-29シーズンの1年以上前に、クラブライセンス制度の概要が発表される予定である。東海林専務理事は「4~5年あるので、現在のディビジョン1のチームはホストスタジアムが確保できる見込みだ」と話した。

一方、もしディビジョン1のチームで、1万人以上のホストスタジアムを確保できなかった場合は、ディビジョン1からの降格の可能性があり、ディビジョン2のチームであれば昇格できないケースも出てくるかもしれない。

ただし、現在建設中のスタジアムや、スタジアム建設計画もあるため、ライセンス制度の導入は2028-29シーズンではなく、それ以降になる場合もあるとのこと。なお、2027年に完成予定の新秩父宮ラグビー場は、集客力の多い、複数のチームのホストスタジアム、またはセカンダリースタジアムとなる見込みだ。

フェーズ2・3で目指す姿

リーグ戦は今後、総当たり戦を目指しており、日本代表活動とも関わってくるが、リーグワンの開催時期を『フェーズ3』からはもう少し早めに開幕して、秋から6月に試合を行う方向だ。

さらに「世界への拡がり」がテーマだという2028-29シーズンの『フェーズ3』からは、新規参入チーム数次第だが、『フェーズ3』はディビジョン1が、10もしくは12チーム、ディビジョン2が10チーム、ディビジョン3を8チームと想定している。なお、日本国外のアジアのチームの受け入れも検討していくという。

『フェーズ2』を迎えて、徐々にプロ的なリーグとなっていくリーグワンだが、クラブライセンス導入時に、クラブを法人化させるかどうかは、様々な事情があるため、それぞれの企業に任せる方針だという。ただ、母体企業からの協賛比率を(ディビジョン1は)60%以内にして事業の安定性を高めていくことを求めるという。

少しずつ競技面だけでなく、運営面でも進化を見せているリーグワン。『フェーズ2』では「ファン・チーム・企業・地域」がより結束して、世界的なリーグへと成長していく姿を見せてほしい。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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