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ラグビー コラム 2024年11月22日

歴史的大混戦。5校に優勝可能性がある関東大学リーグ戦2024。最終節「東海大学×流通経済大学」

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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リーグ戦の大学コーチが「(最終節で)5校に優勝の可能性があるシーズンは記憶にありません」と話していた。リーグ戦1部に限らず、最終節で5チームに優勝の可能性がある状況は極めて稀だろう。

8校が参加する全7試合の関東大学リーグ戦1部は最終節。

リーグ優勝の可能性があるのは上位5校(大東文化大学流通経済大学東海大学東洋大学法政大学)。上位3校に与えられる大学選手権出場キップの行方も未確定だ。

ここで、歴史的な大混戦をしめす、6試合終了時点での順位表を確認しておきたい。

順位 チーム 勝点 勝ち 引き分け 負け
1 大東大 27 4 1 1
2 流経大 25 4 0 2
3 東海大 24 3 1 2
4 東洋大 24 4 0 2
5 法大 23 4 0 2
6 日大 15 2 0 4
7 立正大 15 2 0 4
8 関東学大 8 0 0 6

全勝(6勝)チームはなく、1位から5位までの勝点差はわずか「4」。一度の勝利(勝点5)で逆転可能な範囲内に5チームがひしめく。

そして今週、全4試合が開催される運命の11月24日(日)。

11時30分開始の第1試合(秩父宮)で、大東大(1位)が法政大(5位)に勝てば2017年以来の優勝が決定。焦点は、残り2枠の「選手権出場権争い」に移る。ただ、ここで大東大が負けると法政大が大学選手権出場。まさに運命の一戦となる。

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この「大東大×法政大」の直後、同舞台(24日/東京・秩父宮)でキックオフを迎えるのが「2位流経大」×「3位東海大」の決戦だ。

どちらも勝利すれば少なくとも大学選手権出場は決定する大一番。一方で負ければ大学選手権出場を逃し、シーズン終了を迎える可能性もある。

大学選手権連続出場が「19」でストップする危機にあるのが、リーグ6連覇中の東海大だ。

ここ3試合は1分2敗。東洋大戦(26-33)、大東大戦(33-33)、法政大戦(19-29)と勝利がない。

リーグ戦を6連覇した東海大の強みはセットプレーと強力FW。畳みかける圧力とスピード感はリーグ随一だった。

今季も大東大戦で後半トライを奪ったスクラムなどパワープレーは大きな武器だが、近年は東洋大や立正大の隆盛など、他チームの成長が著しい。ここ4試合は毎回約30失点が続いており、王者らしい守備力を披露できていないのも気になるところだ。

 

必勝の一戦へ向けて、東海大はハーフ団を含めた先発の4カ所に変更を加えた。

フォワードではPRシアレ・オトゥホウマが1番に入り、ハーフ団はSH山田莞大、デビュー済みのルーキーSO浦本明惟のコンビ。フィニッシャーのWTB永瀬由太郎が4人目の先発変更だ。

一方で、流経大には、勢いがある。

2週間前に全勝だった大東大に27-22で勝利。強力モールと流経大らしいダイナミックな展開力、プレースキック全5本を決めたSO佐々木開の安定感もあって逃げ切った。

試合直後に涙もあった会心の勝利を受け、チームは自信を掴んだ。階段をひとつ上がった心境で、東海大との大一番を迎えているだろう。

勝てば3大会連続24回目の大学選手権出場。他試合の結果次第で2014年度以来のリーグ優勝もある状況だ。

 

東海大戦の先発メンバーは3名の変更。FL原創之助、CTB如澤海流。そしてチャンスメイカーである中村楓馬に代わり経験豊富なFB青木鴻志がスターターを任され、背番号15を背負う。

勝負所はフォワード戦だろう。

東海大はフォワードがスクラムやモール、近場のコリジョン(衝突)などで前進することからリズムが生まれる。ここで対抗できれば流経大が主導権を握る時間が増えるだろう。

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東海大は明確な武器のひとつであるスクラムから流れを引き寄せたい。が、流経大は大東大戦で勝負所の78分にペナルティを奪うなど、力強いスクラムをみせていた。8対8の押し合いの行方も注目だ。

そしてモールの攻防だ。

パワーと技術、駆け引きの詰まったラインアウトからの攻防は、どちらも強みとしている。獲るべきときにモールで獲れるかが勝敗を分ける可能性もある。

今後語り草になるであろう歴史的な大混戦。11月24日、運命の最終第10節。運命の日曜日は目の前に迫っている。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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