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11月17日(日)の関東大学対抗戦で、4勝1敗(3位)の帝京大学と5戦全勝(1位)の明治大学が、東京・秩父宮ラグビー場で激突した。
が、キックオフ直後から、劣勢のムードは消し飛んだ。
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早稲田に負けたことが本当に悔しかった――。先発起用された帝京大FL森元一気が率直に話していた。
「早稲田に負けて、チーム一丸となってこの一戦に向けて練習してきました」
大学3連覇中の帝京大だが今季テーマは「チャレンジャー」。「先輩たちが築き上げて残してくれたもので、僕たちは結果的に何も成し遂げていない」(FL青木主将)との思いから設定したという。
キックオフ直後から挑戦的なプレーで先手を取る姿は、まさにチャレンジャー。
生田弦己(帝京大学)
タッチキックのミス、ファーストスクラムのペナルティがあって一時的に後退したもの、前半6分、ラインアウトからの2次目でSO本橋がラインブレイク。WTB生田が二度目の正直で左隅に先制トライを奪った。
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そして、この日の圧巻はディフェンスだった。
7点リードされた明治大が前半8分頃に連続攻撃を仕掛けるが、“赤壁”に阻まれてフェーズのたびに下がっていく。怒りすら感じるディフェンスで、衝突局面で「らしさ」を発揮した。
さらにFL青木、CTB大町佳生の二人掛かりのジャッカルで敵陣に入ると、FW戦で背番号2、4、1、7がラックサイドに次々突進。逆サイドに振り、低いプレーができるLOダウナカマカマ カイサ(大分東明)が2本目を奪取した。
ラグビー 関東大学対抗戦2024
【ハイライト動画】帝京大学 vs. 明治大学
これでバックスとフォワードで1本ずつ。
帝京大が別のトライパターンで武器の豊富を見せつける一方で、明治大はアタックでボールロストを連発。帝京大のボールへのタックルが効いていた。
さらにFL青木主将のトライ(前半23分)を重ねた帝京大に対し、21点ビハインドとなった紫紺ジャージーは前半32分に反撃に転じる。
白井瑛人(明治大学)
CTB秋濱悠太がワンステップで抜け出し、サポートのルーキーWTB白井瑛人がフィニッシュ。この日ライン参加が効果てきめんだった19歳はMIP(モストインプレッシブプレーヤー)に輝いた。
だが真紅ジャージーの勢いが止まらない。
4本目のキーマンは今秋初先発となったFB小村真也。早稲田大戦で劣勢になったキックゲームに安定感をもたらすと、前半35分にはキックカウンターから突破。
最後は一見ファンブルかと思う絶妙チェストパスで、CTB上田倭士の4本目をアシスト。帝京大はさらにFL青木主将が1トライを追加し、ワンサイドゲームの雰囲気のまま33-7で前半を終えた。
迎えた後半、明治大のプライドが炸裂したのは、さらに1トライを奪われて33点ビハインド(7-40)となった後半9分だ。
リスタートのキックオフ(44分45秒)から約3分半、紫紺ジャージーがアタックを続けたのだ。
日本代表に追加招集された兄・耕太郎(BR東京)に負けじと、19歳のSO伊藤龍之介が敵陣22mに迫る。そして20フェーズ目、ライン参加したWTB白井がタックラー4人を振り解いて48分21秒にグラウンディング。明治大が意地の2本目で14-40とした。
その後1本ずつトライを奪い合い、帝京大は後半37分にPG成功で27点差(48-21)。このまま完敗ムードで終わりたくない明治大はラスト、敵陣ゴール前ラインアウト。
ここで途中出場のHO金勇哲が最後尾のモールで前進。確実に押さえたが、時すでに遅し。最終スコアは20点差(28-48)。明治大学は対抗戦初黒星で5勝1敗(暫定1位)となった。
会心の試合で5勝1敗(暫定1位)として、対抗戦4連覇の可能性を残した帝京大。
今季は主力4年が抜けて経験不足の懸念があったが、早稲田大戦の完敗、そして再起した今回の2連戦が大きな経験をもたらしたことは確かだろう。
ただムードの影響を受ける面も垣間見られ、また、後半だけのスコアをみれば「15-21」で明治大に軍配。チャレンジャー・帝京大はまだ成長の余地がありそうだ。
クラブを「ラグビーを通した人間形成の場」(相馬朋和監督)として捉える帝京大ラグビー部は、経験が深まる秋以降も持続的に成長していく。大学選手権で「チャレンジャー」はどんな姿を見せるのか。
帝京大の次戦は、11月30日に行われる4位(3勝3敗)筑波大学戦。明治大は12月1日、東京・国立競技場で行われる暫定3位(5勝)早稲田大との伝統の一番に挑む。
J SPORTS 放送情報
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ラグビー 関東大学対抗戦2024 筑波大学 vs. 帝京大学
放送日:2024年11月30日(土)放送時間:午後 1時50分~
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ラグビー 関東大学対抗戦2024 早稲田大学 vs. 明治大学
放送日:2024年12月1日(日)放送時間:午後 1時50分~
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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