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ラグビー コラム 2024年11月18日

【ハイライト動画あり】ラグビー日本代表、ウルグアイ代表に我慢の勝利。齋藤直人が力強いプレーでチーム救う

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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齋藤 直人

リポビタンDツアー2024ラグビー日本代表テストマッチ第2戦は、我慢の連続の展開になった。11月16日(土)、日本代表はフランスのシャンベリー・サヴォイ・スタジアムでウルグアイ代表と対戦。午後2時30分、ウルグアイSOイカロ・アマリージョのキックオフで試合は始まった。

立ち上がり、日本はLOワーナー・ディアンズが右タッチライン際を快走するなど、チャンスを作ったが、スコアに結びつけることができない。前半6分、ウルグアイSHサンティアゴ・アルバレスにラックサイドをつかれ、NO8マヌエル・ディアナにパスを通されてトライを奪われる。7-0とリードされた日本は10分、ウルグアイ陣のラインアウトからCTBシオサイア・フィフィタが縦に走り込んでゴールに迫り、右に連続して攻めた後、ラックの左にNO8姫野和樹が走り込んでトライ。5-7とする。

その後の日本は自陣からのタッチキックの精度が低く、自陣から脱出できない時間が続いた。20分、ウルグアイSHアルバレスにPGを決められ、5-10。直後に攻め込んだ日本はWTB濱野隼大がインゴールに走り込んだが、CTBディラン・ライリーのラストパスが映像確認の末、スローフォワードの判定でトライを逸した。このトライキャンセルのように、この日の日本は波に乗り切れないミス、反則が多く、自ら苦しい状況を作ってしまっていた。

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SO松永拓朗がPGを決めて、8-10と迫った日本は、前半32分、自陣で粘り強くディフェンスしてボールを奪い返すと、自陣からボールをつなぎ最後はFL下川甲嗣からパスを受けた濱野がトライ。13-10と逆転する。36分にはゴール前のラインアウトのサインプレーで下川がトライ。18-10として勢いに乗ろうとしたところで、SH齋藤直人キャプテンがシンビン(10分間の一時退場)となる。ハイパイントのボールを競り合ってジャンプした際、意図的ではなかったが、キャッチの体勢に入ったウルグアイの選手に空中でぶつかったとして危険なプレーとジャッジされた。このように、日本がウルグアイのキック戦略にはうまく対処できなかったことも苦戦の一因だった。

リポビタンDツアー2024 ラグビー日本代表テストマッチ

【ハイライト動画】日本 vs. ウルグアイ

齋藤不在の間に1トライを奪われ、18-20と逆転された日本だが、後半10分に戻った齋藤がぐいぐいとチームを引っ張る。12分にはウルグアイのゴール前ラインアウトからモールを組むと、奪われそうになったボールを齋藤がもぎとって左タッチライン際にいたWTBジョネ・ナイカブラにパス。ナイカブラが左コーナーにトライを決めた。キャプテンの力強いプレーで23-20と逆転。その齋藤が、21分にPGを決めて26-20とリードを広げる。

さらに得点を重ねたい日本だったが、またしても悪夢のような出来事が起こる。ワーナー・ディアンズが相手の頭部にコンタクトする危険なタックルでレッドカード(退場処分)を受けたのだ。14人で残り15分を戦うことになり、再び苦境に陥った日本だが、数的不利の状況も想定して練習していた選手たちは冷静だった。齋藤がPGを追加して、29-20とし、最後はディラン・ライリーがダメ押しのトライをあげたのだ。

このトライは自陣に攻め込まれたモールから途中出場のLOサナイラ・ワクァがボールをもぎ取ってパスをつないだもの。後半15分に交代出場で入ったニコラス・マクカランがSOに入り、先発SOの松永は東芝ブレイブルーパス東京で主にプレーするFBのポジションに移動していた。その松永が大外でボールをもらってディフェンダーを抜き去り、ライリーにつないだ。松永は「FBのほうが自分にフォーカスしやすかった」とコメント。最近はプレー時間が少ないSOでの先発は精神的な重圧もあったのだろう。キックには精彩を欠いたが最後は持ち前のラン能力で魅せた。

齋藤キャプテンは「カードが2枚出る不利な状況でもファイティングスピリットを失わず勝てたことは若いチームにとって大きい」と話し、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチも「とても難しいゲームでしたが、イエロー、レッドの際の対応は落ち着いていました。一歩前進です」と一定の評価をしていた。ディラン・ライリーは次のようにコメントした。「どんな試合にもタフな時間はあります。とくにSHを失うのはタフです。また自陣でプレーしすぎたとも感じます。しかし、きょうは忍耐力を見せることができました」

数的不利に対応できたことはチームの自信になっただろう。なにより連敗で停滞していたチームの雰囲気を変えるという意味でもこの勝利は大きい。しかし、チャンスでスコアできず、不用意な反則やキックが伸びずに自陣に押し込まれたことは大きな反省点。「ディフェンスのコミュニケーションが上手くいかなかった」(下川)というように、ダブルタックルができずに突破され、オフロードパスをつながれる場面も多かった。ツアー最終戦はフィジカルもスキルもニュージーランドやフランスと同レベルのイングランドが相手だ。プレッシャーの中でいかにプレーの精度を高められるか。数少ない強豪国とのテストマッチの機会を大切に戦いたい。

文:村上 晃一

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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