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ラグビー コラム 2024年11月15日

秋の大学最高峰バトル。再起を期する4勝1敗「帝京大学」×自信深める5戦全勝「明治大学」。関東大学対抗戦2024

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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手負いの獅子となった帝京大学か。

無傷の開幕5連勝・明治大学か。

11月17日(日)の関東大学対抗戦Aグループで、昨季大学選手権の決勝カードが実現する。4勝1敗(3位)の帝京大と5戦全勝で首位を走る明治大が、東京・秩父宮ラグビー場で激突する。

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2週間前、大学4連覇を狙う帝京大は大敗を喫した。

早稲田大学に17-48で初黒星。最大の武器であるフィジカリティを発揮できず、キックゲームでも劣勢となり、相手陣での強みを存分に発揮できないままノーサイドを迎えた。

「全ての面で早稲田大学さんが我々を上回った結果、このようなゲームになったと思います。学生たちに勝たせる準備ができなかったことを本当に反省しています。次に向けてこういったことが無いようにいい準備を行っていきたいと思います」(帝京大・相馬朋和監督)

「前に出る勢いなど、早稲田大学さんが全ての面で上回ることになり、このような結果となってしまいました。準備してきたものを出そうとは思っていましたが、攻め込んだところで自分たちがミスをしてスコアできませんでした」(帝京大・FL青木恵斗キャプテン)

相馬監督と青木主将は、全ての面で上回られたと完敗を受け入れた。FL青木主将は「秩父宮で観客も多い中で、経験の少ない選手にとってはプレッシャーに慣れていないところもあったと思います」とも振り返った。

今週の会場もおなじ秩父宮ラグビー場。相手は熱狂的なファンに支えられる「メイジ」であり、アウェーのような雰囲気を感じる可能性もある。

心理的なプレッシャーがかかる状況においても一人ひとりのプレイヤー、そしてゲームコントローラー(9、10番など)が冷静な判断を重ねられるかはポイントのひとつだろう。

 

早速、帝京大戦の先発メンバーを見てみると、大敗した早稲田大戦から先発4名が入れ替えられている。FWでは唯一、早稲田大戦の後半にピック&ゴーでトライを決めたFL 森元一気が新たに名を連ねた。

バックスでは3名変更。186cmの大型WTB 日隈太陽 、スキル豊富なCTB大町佳生、そしてプレッシャー下での好判断・プレー精度が光るFB小村真也。NZハミルトン・ボーイズ出身の逆輸入である小村の戦列復帰は大きなプラスだろう。

かたや明治大は2週間前、自信を深める完封勝利を挙げた。

大学屈指のスピードランナーを複数擁する難敵・筑波大学を31-0で完封。波に乗ると攻撃力が増大する才能集団を押さえ込んだ。

「シーズン後半に向けて非常に大事なゲームと位置付けて臨みました。このタイミングで0点に押さえるゲームができたというのは、チームとしては収穫だったと思います」(明治大・神鳥裕之監督)

思うように得点を重ねられなかった時間帯を課題としながらも、リコーブラックラムズ東京(リーグワン)の元指揮官でもある神鳥監督は、守備に高評価を与えた。

昨季の大学選手権ファイナルで15-34で準優勝となった明治大。春季大会は静岡・エコパスタジアムで引き分けた(24-24)に対し、今週こそ勝利を収めたい。

 

注目の先発メンバーは、筑波大戦から変更はない。現状主力が固まっている点が帝京大との違いの一つだろう。

引き続きの先発では、チームスピリット「前へ」を体現する背番号8の木戸大士郎主将を筆頭に、注目のスクラムバトルの最前線に立つのはPR檜山蒼介、HO西野帆平、PR倉島昂大。

ハーフ団はランで脅威にもなれるSH柴田竜成とSO伊藤龍之介の2人が揃い、フィニッシャーからトライ演出まで全てをこなすオールラウンダー、秋濱悠太は背番号13を背負う。そして先発唯一の1年生は、早稲田大で目下ブレイク中の田中健想と共に桐蔭学園の花園優勝に貢献したWTB白井瑛人だ。

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初黒星を喫して手負いの獅子となった帝京大は、今週こそフィジカルバトルで本領を発揮したい。筑波大を完封した明治ディフェンスを突破できるか。

一方で、もしフジカリティ、フォワード戦の強みを消された場合、帝京大がハーフ団を中心にどのようなゲームマネジメント、エリアマネジメントをするかは注目したい。

帝京大、明治大どちらもフォワード戦は存在意義に関わる領域であり、当然スクラム、モール、ラインアウトといったパートの攻防は要注目だ。

再起を誓う帝京大か。それとも明治大学の6連勝か。日曜日14時のキックオフを心待ちにしたい。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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