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ラグビー コラム 2024年11月2日

三菱重工相模原ダイナボアーズ、ハードワーク×新戦力でさらなる進化を遂げる

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ディレーニーHC(左)とSH岩村キャプテ

開幕まで残り2ヶ月あまり、11月1日(金)、リーグワンディビジョン1に参戦して3シーズン目を迎える三菱重工相模原ダイナボアーズが、オンライン会見を開いた。

石井晃GM(ゼネラルマネージャー)、グレン・ディレーニーHC(ヘッドコーチ)、そして今シーズンも引き続きキャプテンを務める、SH(スクラムハーフ)岩村昂太が登壇した。

石井GMは冒頭、「開幕まで残り2ヶ月、良い緊張感を持って取り組んでいる。今シーズンで(ディビジョン1で)3シーズン目、一歩ずつ着実に進歩しており、それを踏まえて、さらに大きく飛躍するシーズンにしたい」と挨拶した。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

続いて今シーズンのスローガンである「心燃える瞬間を -DYNA IMPACT-」を発表した。選手たちが懸命にプレーする姿を含め、ダイナボアーズに関わる全てから「心燃える瞬間を」感じていただくことを目指す想いは変わらずに持ちつつ、さらなる成長で結果による『強い衝撃』を世の中に与えることを布告する『DYNA IMPACT(ダイナインパクト)』という言葉を新たに加えたという。

石井GM

石井GMは「昨シーズンの開幕戦の『相模原1万人プロジェクト』では、8000人近くの緑に染まったスタジアムを、お客様と共有することができた。今シーズンも1試合でも多く共有することで、感動する時間を増やしたい」と語気を強めた。

相模原市を中心とした神奈川県、昨季に続き試合を行う長崎、今季、初めてホストゲームを開催する京都を含めて、ダイナボアーズの選手やスタッフは、大小140のイベントに参加し、実際にシーズンチケットは昨シーズンの1.5倍の売り上げを記録しているという。

石井GMは選手たちが地域のイベントに参加することで、「リーグワンにふさわしい地域の方々との密着を感じるようになった。自治体協会、サポーター、コネクションが深く、長くなっている。安心感、信頼感を持って臨めるのはありがたい。リーグワンの価値を高めつつ、インパクトを残すシーズンにしたい」と話した。

続いて、ディレーニーHCとSH岩村キャプテンが登壇した。ディレーニーHCは3シーズン連続、岩村をキャプテンに任せた理由について「シンプルに一番ふさわしいと思った。オンフィールドでのプレーもすばらしいし、選手とマネジメントチームもまとめてくれている」と話した。

指揮官にどんなラグビーをしたいかを聞くと「もっとトライを多く取るエキサイティングなラグビーをしたい。昨シーズンはアタックにフォーカスしたが、ディフェンスももちろん強化しつつ、バランスをとりながら、インパクトを残してくれる選手も入ってくれたので、トライ取りたい」と話した。

新加入の)カートリー・アレンゼ(写真:本人提供)

ディレーニーHCがインパクトを残してくれると名指ししたのは、もちろん、新加入の南アフリカ代表22キャップのWTB(ウィング)カートリー・アレンゼだ。

「南アフリカ代表でもすでにやっているが、トライをとってほしいという目的で彼を呼んだ。アレンゼは日本に向いている身体だと思うし、スピード、パワーもある選手なので、リーグワンだけでなく、我々のチームでもインパクトがあると思う。まずはチャンスをものにしてほしい」と大きな期待を寄せた。

また、PR(プロップ)安昌豪、PR津嘉山廉人(ともに元・横浜キヤノンイーグルス)、HO(フッカー)李スンヒョ(元・三重ヒート)、CTB(センター)チャーリー・ローレンス(元・トヨタヴェルブリッツ)も加入した。

ディレーニーHCは、「選手層を厚くしたいと思っていた。狙っていた経験のある3人のフロントローの選手が来てくれたし、ローレンスも来て層が厚くなった。ローレンスも、ボールキャリーもパスも上手くて、ワイドへのパスが上手くて、アレンゼにボールを渡すことができると思う」と話した。

ダイナボアーズと言えば、ハードワークが代名詞であり、今夏もしっかりとチームを強化してきたという。岩村キャプテンは「夏はいつも通りハードワークしているが、今シーズンはフィジカル強化や栄養管理に注力していた」。

「ウェイトの数値が上がったり、体脂肪が下がったりした選手もいるし、フィットネスでもボールゲームやきついことをして、フィットネステストの数値が上がってきている。ラグビーに必要なスキル、フィジカル、フィットネスが強化できていると思う」と手応えを口にした。

岩村キャプテンの隣で笑顔を見せていたディレーニーHCも、「ダイナボアーズの選手になりたければ、ハードワークをしなければいけない。ディビジョン1に上がって、残留して、リーグワンで真ん中に行くチームになりたいので、今までやったことを変えて、進化しないといけない」。

「昨シーズン、接戦して負けた試合は良いところもあったが、大事なところで集中力が切れたり、スタンダードが落ちたりしていた。自分たちに集中して、ハードワーク、フィットネス、栄養などを上げることで、ベーシックなことを何度もできるように試している」語気を強めた。

一昨シーズンは10位、昨シーズンは入替戦を回避する9位だったダイナボアーズ。岩村キャプテンは「過去2シーズン、チームとして少しずつ成長した姿を見せることができたと思っていて、今シーズンもより成長した姿を見せたい」。

「そして、『ダイナインパクト』というスローガンがあるが、少しでもリーグワンにインパクトを与えられるように、自分の仕事をやっていきたいし、フィジカル、そしてハードワークするところは、我々のDNAなので見ていただきたい。何事も一貫性が大事だと思っていて、高いクオリティで一貫性を持ってやり続けたい」と腕を撫した。

SO(スタンドオフ)/FB石田一貴が日本代表に招集され、LOエピネル・ウルィヴァイティが、クラブとして初めて日本代表キャップを得た。さらには今シーズン、他チームで実績のある4選手や南アフリカ代表WTBアレンゼも加入した。

具体的な目標は口にしなかったが、ディレーニーHCが言う「リーグの真ん中」という目標は、今シーズンから6位以内のプレーオフ進出を念頭に置いての発言であろう。積極的な補強を行ったハードワークがウリの相模原が開幕から大きな『インパクト』を残すことができるか。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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