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中村 楓馬(流通経済大学)
どちらも必勝の一戦だった。
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開始早々の一撃は流経大だ。
流経大SO佐々木開がキックモーションからラン選択。一瞬の混戦が生まれ、法政大DFがボールウオッチャーに。
ここで流経大の快足FB中村楓馬が巧みなポジショニングでフリーになり、ボールをもらって独走。前半4分に先制トライを奪った。
手鼻を挫かれた法政大。
ノット・ロールアウェイなどのペナルティが続いて防戦一方となるが、2度にわたりゴール前モールを止める好守。追加点を許さず、開始10分が経過する。
しかし流経大は三度目の正直。
法政大は三度、ペナルティで自陣に後退すると前半14分。流経大がラインアウトからモールではなく展開勝負。
NO8ティシレリ・ロケティが突っ込み、ファーストタックラーを外してロングゲイン。海外留学生のいない法政大は日頃の練習で対留学生の守備経験が少ない。さらにフォローのCTBアンドリュー・ヘイウォードに2トライ目を奪われた。
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注目のスクラム・バトルで、最初の見所は開始18分だ。
流経大が反則を重ねて法政大がゴール前スクラムのチャンス。と、ここで188cmのPR長田士導を3番に据えた流経大が押し返し、ピンチ脱出のスクラムターンオーバー。法政大はスクラムから得点機を失ってしまった。
しかし法政大はルーキーHO花澤祐太のジャッカルで敵陣に入ると前半23分。
U20代表経験のNO8宮下晃毅を中心にフィジカルバトルを仕掛ける。流経大はペナルティなしで防ぎたかったが、反則が続いて次第に押し込まれる。
三浦幹太(法政大学)
ここでラック最後尾の法政大FL三浦幹太がピックで抜けだし、チーム初トライ。トライ嗅覚に優れる大型フランカーの機転で、7点を返した。
ラグビー 関東大学リーグ戦2024
【ハイライト】流通経済大学 vs. 法政大学
法政大はその後トライ(前半26分)を奪われて12点ビハインド(7-19)となるが、ここから怒濤の3連続トライを奪う。
3連続トライの発端は、流経大のハンドリングエラーからだ。
同点トライとなった2本目は、両センターの活躍が光った。
CTB炭竈柚斗のディフェンスから流経大のノックオンが生まれる。敵陣に入った法政大の連続攻撃のラストは、スキルフルなCTB田中大誠。ターンから数的優位をつくって同点トライ(ゴール失敗で19-19)を演出した。
前半40分には50:50のパスをノックオンした流経大を押し込み、FL三浦幹太が倒れながらの絶妙オフロード。NO8宮下が仕留めて勝ち越しトライ。
相手のミス(ハンドリングエラー)を得点に変えるパターンを構築し、法政大が7点リード(26-19)で後半へ入った。
しかし後半に入ると、流経大が2連続トライで逆転する。
アンドリュー・ヘイウォード(流通経済大学)
法政大は前半同様、立ち上がりからペナルティが続いてしまう。するとトライを創造できるアタッカー、流経大FB中村楓馬の仕掛けからCTBアンドリュー・ヘイウォードが後半1本目。49分に後半2本目を流経大が奪取。
法政大はペナルティから流経大の攻撃を受け止めきれないパターンで、ふたたび相手にリードを渡してしまった(26-33)。
しかし締まったロースコアのゲームにはならない。リードの流経大に失点原因だったハンドリングエラーが続いたからだ。
後半14分には流経大が自陣でノックオン。これを拾った法政大SO金が仕掛け、巧みなランコース&バックフリップでボールをつなぎ、FB北川拓来が左中間へ。経験豊富な上級生が決定力をみせ、ゴール失敗で2点差(31-33)に迫った。
試合時間は25分。
2点差の終盤戦で、どちらが先にトライを獲るか――。と、この場面で人員ミスの修正ができなかったのが法政大。中盤でのキャリーからブレイクダウンでの寄りが遅くなり、ふたたびジャッカルを浴びた。
ここから後退するとFW攻撃を止めきれずインゴールを奪われて9点差(31-38)。さらに流経大FB中村がパスミスからの攻守交代から約60mの独走トライ。
そのまま決着し、ファイナルスコアは47-31。
貴重な3勝目を挙げた流経大は5位から4位に浮上。関東大学リーグ戦はラスト2試合で勝点5差にトップ4チーム(大東大、東海大、東洋大、流経大)がいる大混戦となった。流経大は11月10日の次戦、熊谷で首位の大東文化大学と激突する。
順位を逆転され、5位に転落した法政大も勝点18でまだ可能性がある。次戦はスピアーズえどりくフィールドで同日、2位東海大とぶつかる。いよいよ佳境となる関東大学リーグ戦から、今季も目が離せない。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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