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ラグビー コラム 2024年10月28日

【ハイライト動画あり】フィジカリティーの強さで東洋大、関東学院大を制圧。

ラグビーレポート by 田村一博
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最終スコアは26-56。
数字を見れば東洋大の完勝も、関東学院大の秘めた力も随所に見られる試合だった。
10月27日、セナリオハウスフィ―ルド三郷(埼玉)でおこなわれた関東大学リーグ戦1部の一戦では、両チーム合わせて12トライが刻まれた。

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開幕から4試合を終え、戦前の時点で東洋大は3勝1敗、関東学院大は全敗という成績だった。
大学選手権出場への希望が広がる東洋大、2部チームとの入替戦を避けたい関東学院大と、見つめるステージは違う。しかし、リーグ終盤戦に向け、両者ともマストウインの気持ちで臨んだ一戦だった。

先手は関東学院大がとった。
前半6分、WTB諸山祐祥が好走からインゴールへ入った。敵陣での右スクラムからのアタック。左へ展開後、意図的に作ったラックのすぐ横に背番号14が走り込み、そのまま走り切った。
設計図通りに仕留めたシーンだった。

しかし、東洋大に焦りはなかった。フィジカリティーの強さで上回っていることが安心感を呼んでいた。
また、勝利を重ねても相手をリスペクトして準備をするチームカルチャーがあるから、先手を取られても、練習してきたことを落ち着いて出し続けた。

この日は白いジャージーを着た東洋大がアクセルを踏み込んだのは前半8分過ぎからだった。
スクラムで圧力をかけて反則を誘い、PKを得る。キックで前進。ラインアウトからモールを組んで、トライを奪った。SO天羽進亮のコンバージョンキックも決まり、7-7とした。

ここから一気にエンジンがかかった。
13分、関東学院大がこぼしたボールに反応。転がる球を拾ったCTBアダム・タマティがすぐにキックを蹴り込むと、CTB浅尾至音が好チェイスからボールを手にして前進し、ラックを作る。その好機にSO天羽らが落ち着いて動き、NO8ステファン・ヴァハフォラウが右中間インゴールに入った。

前半8分過ぎから後半5分までに東洋大は6連続トライを挙げた。
前述の2トライ後、ハーフタイムまでに奪った2トライはモールからだった。
後半開始直後のトライは、相手アクシデントでターンオーバー、ボールを手にしたところから長くフェーズを重ねて攻め切った。

ラグビー 関東大学リーグ戦2024

【ハイライト動画】関東学院大学 vs. 東洋大学

後半5分にNO8ヴァハフォラウが豪快にトライを奪い、Gも決まったところでスコア42-5となり、勝負は決まった。
関東学院大もそのあと3トライを返した。しかし完敗。榎本淳平監督代行は「東洋大のフィジカルの強さにやられた」と敗因を口にした。

FWのパワーでは相手が上と予測して戦いに臨んだ。
しかし、受けた圧力は想像以上だった。指揮官は、「もう少し自分たちのボールを継続できると思っていましたが、おそらく(選手たちが試合の)中で感じたプレッシャーは外で見ているより大きかったのかもしれません」と話した。

後半14分、36分にはモールからトライを返した。同29分には、FB星遥大の快走からSO安藤悠樹がインゴールに入る。
得点のスタイルは持っていただけに、自分たちの流れを作れなかったことが悔やまれる。今季初勝利へのチャレンジは続く。

勝った東洋大のPR笠巻晴太主将は、「(試合の)アタマから100パーセントで行こう、と話していました」と話し、80分を通して主導権を握り続けたチームのパフォーマンスに手応えを感じたようだった。
「ただ、まだ完璧とはいえません。次戦に向けて、この試合で出た課題を修正していきたい」と続けた。

この日プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたSO天羽も「東洋らしいアタックができた」と語り、チームの調子が上がっていることを伝えた。
「FWのコリジョンが強いので、そこを生かしています。練習からコミュニケーションを密にしたことが、いい結果に結びついています」と話し、今後さらに力をつけていくことを期待させた。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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