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ラグビー コラム 2024年10月25日

オールブラックスがイベントに参加、ラグビー日本代表との対戦を前にファンと交流

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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日本橋でのトークイベント

10月26日(土)、横浜市の日産スタジアムで行われる「リポビタンDチャレンジカップ2024 日本代表vs.オールブラックス(ニュージーランド代表)」を控えた25日(土)、オールブラックスの選手たちは2カ所に分かれてイベントに参加した。

東京・日本橋の江戸桜通り地下歩道にある、オールブラックスの展示がされていた「アディダス イノベーションミュージアム」では、アディダスジャパン株式会社、大正製薬株式会社、三井不動産株式会社との3社共催で、トークショーが行われた。

柔道の金メダリスト角田選手と武井さん

オールブラックスからは、翌日の試合メンバーである100キャップのFLサム・ケイン(東京サントリーサンゴリアス)、元サンゴリアスの司令塔SOダミアン・マッケンジー、23歳の若きランナーのFB(フルバック)ルーベン・ラヴの3人が登場。さらにスペシャルゲストとしてパリ五輪の柔道金メダリスト角田夏美選手、タレントの武井壮さんも参加した。

リポビタンDチャレンジカップ2024

熱心なオールブラックスファンが、朝から約110人が集まったという。角田選手は「ラグビー選手に会えるので、手に汗が出て緊張しています。(柔道で対戦したら)持ち上げられて投げられそう」と言えば、武井さんは「オールブラックスの選手の3人の選手の肉体を見ると、本能で戦うとやばい。試合ではマッケンジー選手の(プレースキック前の)スマイルが見たい」と笑いを誘った。

柔道経験者だったFLケイン

日本代表と3度目の対戦となるケインは、柔道の角田選手がいることもあり「6歳から7歳のとき柔道をやっていた」と吐露。そして、「日本代表は毎年、力をつけている印象がある。2年前は7点差だった。速いアタッキングラグビーをしてくるので、ラックから速いボールを出させないようにして、スピードを持ってボールを回させないようにしたい」と続けた。

スマイルを見せるSOマッケンジー

マッケンジーは「明日、スマイルします(笑)。日本代表はアップテンポで、ボールを動かしてくる。私たちと似たようなラグビーをするので楽しみ」、昨年、オールブラックスXVとして、2回対戦したラヴは、「エネルギーをたくさん持ったチームで、80分最後までエネルギーが持続するので、規律を持って戦いたい」と話した。

日本代表で警戒している、マークしている選手を聞かれて、ケインは「LO(ロック)ワーナー・ディアンズに気を付けたい。FW(フォワード)の中心選手で、ラインアウトも強いし、ターンオーバーもする。ボールを持ったら良い動きをする。リザーブから出てくる(サンゴリアスの同僚の下川)甲嗣も気を付けたい」とコメント。

23歳、初キャップとなるラヴ

マッケンジーは、「全員気を付けないといけないが、姫野さん。すばらしいディフェンダーなので注意したい。まだ大学生のFB矢崎(由高)にも気を付けたい」と話した。また、FBラヴは「13番のディラン・ライリー。昨年も対戦したが、スキルフルな選手。ベンチからピッチに上がったら気を付けたい」と話した。

武井さんは「みなさんが磨いてきた最高のラグビーを日本代表とともに、全国のみなさんに見せてほしい!」と語り、角田選手は「ケインの話などを聞いてオールブラックスの選手から逆に力をもらいました。明日の頑張ってください」とオールブラックスの3選手を激励した。

オールブラックスを代表してケインは「本日、これだけのみなさんに足を運んでいただきありがとうございます。武井さん、角田さんも、これからもアスリートの成功を祈っております。明日は良い試合をするので、引き続き熱い応援をよろしくお願いします」と話してトークショーを締めた。

リポビタンDツアー2024

また、東京・港区赤坂のベクトルスタジオでは、オールブラックスの公式エアラインであるニュージーランド航空が主催し、オールブラックスの選手と日本の中高生が英語で交流する『ラグビーニュージーランド代表「オールブラックス」×日本の中高生交流イベント』が行われた。MCはJ SPORTS「ラグビーわんだほー!」でお馴染みの浅野杏奈さんが務めた。

赤坂では中高生とイベント(写真提供:ニュージーランド航空)

オールブラックスから、明日の日本代表戦でキャプテンを務めるLO(ロック)パトリック・トゥイプロトゥ、LOジョシュ・ロード、FL(フランカー)ウォレス・シティティの3人が参加した。

オールブラックスの選手が登場すると、会場の中高生から「わぁ、デカい!」と歓声が上がった。トヨタヴェルブリッツでプレー経験もあるトゥイプロトゥが日本語で元気よく、「おはようございます!日本語で好きな言葉は『スイマセン』です(笑)」と挨拶した。

1ヶ月練習したハカ(写真提供:ニュージーランド航空)

選手の自己紹介の後、千葉・八千代松蔭高校ラグビー部員によるハカのパフォーマンスが行われた。1ヶ月練習したというオールブラックスのハカ、「カパ・オ・パンゴ」を見て、「日本とニュージーランドはハードワークするという共通点がある。だから日本の高校生がニュージーランドの大事な文化であるハカを踊ってくれたのは光栄なこと」(トゥイプロトゥ)、「ハカリーダーも見事だった」(シティティ)とオールブラックスも感嘆の声を挙げた。

その後、日本の中高生から英語での質問が続いた。「ラグビー以外だったらどのスポーツ選手になりたい?」との問いにはそれぞれ、「ゴルフ。下手だからまっすぐ飛ばしたい」(トゥイプロトゥ)、「バスケットかな。自分もやっていたし、NBAが好き」(ロード)、「NFLの大ファンだから、アメリカン・フットボールだね」(シティティ)と答えた。

また子どもの頃の夢を聞かれると、「旅が好きだからパイロット。オールブラックスになって世界中を回っているからその夢は今半分叶っているかな」(シティティ)、「ラグビー選手じゃなかったら農場で牛の世話をしたい。キャリアを終えたら多分そうする」(ロード)、「僕は建築の勉強をしていたんだ」(トゥイプロトゥ)とそれぞれ答えた。

「オールブラックスになりたいけど何が必要ですか?」という質問には、トゥイプロトゥは、「まずはニュージーランドの学校に通わなきゃ(笑)。僕の地元オークランドにはいい学校がたくさんあるよ」。

「そして、たくさんラグビーの試合を見てハードワークすること。僕らブルーズの選手も指導する機会もあるしね」と笑顔を見せた。ロードは「まずは自分の目標を設定すること。そして努力すると同時にそのプロセスを楽しむこと」とアドバイスを送った。

英語で選手に質問(写真提供:ニュージーランド航空)

さらに、オールブラックスになって一番良かったことはと尋ねられると、シティティは「日本もそうだけど、いろんな場所に行って、いろんな人に会うことだね」と話した。

初来日だったロードは「食べ物も人も最高で日本が気に入った!オールブラックスになるという夢を叶えて、今自分がそこにいるということが最高かな」と笑った。LOトゥイプロトゥは、「新しい文化を経験できるし、世界トップのチームと対戦できるチャンスがある。それが一番いいことかな」と答えた。

また、マオリの伝統的な遊びファノファノ(Whano whano)がオールブラックスと中高生で行われた。ジャンプしたり足を前に出したりして勝敗を決めるゲームで、オールブラックスの3人も初挑戦ながらすぐにマスター。中高生の対戦に加わったりして笑顔を見せた。ゲームはトーナメント形式で行われ、最後の3人に残った生徒にはサインが入ったニュージーランド航空のドリンクボトルが賞品として贈られた。

全員で記念撮影が行われ、最後にオールブラックスの3人は「皆さん、今日は本当にありがとう。エネルギーをもらいました。今度はぜひニュージーランドに来てください!」とメッセージを送り、イベントは終了した。

午前中はコミュニティー活動に勤しんだオールブラックスの選手は、午後には前日練習であるキャプテンズランを行い、明日10月26日(土)の本番に備えた。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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