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高校生を指導した日本代表の選手やコーチ
10月20日(日)、宮崎で合宿中のラグビー日本代表は、練習している「宮崎県屋外型トレーニングセンター」などで、宮崎県のラグビー協会が主催、日本ラグビー協会の協力で、小中学生、高校生向けの「日本代表ラグビークリニック」を開催した。
宮崎県内のラグビーの普及と育成が主な目的だったが、2027年に48年ぶりに「国民スポーツ大会(旧・国民体育大会)」を控える宮崎県ラグビーの強化も目的の1つとしても行われた。
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小学校は宮崎県内の6つのラグビースクール(延岡、日向、高鍋、宮崎、日南、都城)の計250名が参加し、高校生は富島高校(女子12名)、日本代表PR(プロップ)竹内柊平の母校・宮崎工業(17人)、チームディレクターを務める永友洋司氏の母校・都城高校(16人)、合同チーム(23名。都城工業、高鍋農業、日南振徳、日南)の約70名が参加した。
別会場でも行われた日本代表ラグビークリニックにも、中学生が150人ほどが参加し、合計500人近くの選手が参加したという。宮崎県協会の県ミニ部門の中瀬修さんは、「日本代表のコーチ、選手たちによる、ここまで大規模クリニックは初めてかもしれません。大変、ありがたいです」と感謝していた。
小学生を指導する海老澤
ラグビースクールに通う小学生に対しては、宮崎ラグビースクール出身の竹内だけでなく、ダン・ボーデン コーチとデイビット・キッドウェル コーチ、オペティ・ヘル、PR松岡賢太、PR為房慶次朗、SH(スクラムハーフ)飯沼蓮、CTB(センター)濱野隼大、SH小山大輝、LO(ロック)エピネリ・ウルイヴァイティ、WTB海老澤琥珀(練習生)が指導し、一緒にラグビーを楽しんだ。
高校生を指導するサウマキ
高校生たちに対しては、ニール・ハットリー コーチ、PR木村星南、FL(フランカー)サウマキ アマナキ、SO(スタンドオフ)松永拓朗、SH村田大和(練習生)らが指導役となり、パスとハンドリング、タックル、ボールキャリー、ミニゲームと4つにエリア分かれて、1つのパートで15分ずつ実戦的な指導を行っていた。
手を叩いて褒めるエディーHC
そして、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、その4カ所を歩いて回りながら「もっと、まっすぐね!」「素晴らしい」「いいね!」などと選手たちに声をかけていた。
女子ラグビーを強化している富島高校で部長を務める、日本体育大学ラグビー部のOBの前田佑人先生は、「普及はもちろんですが、富島高校では、3年後の国民スポーツ大会に向けて女子選手を強化しています。日本代表コーチ、選手からこういった機会は大変ありがたいですし、選手たちにも良い刺激になりました」と話した。
練習を終えて、ジョーンズHCは「練習をするとき、前日よりも良い選手になるように心がけてほしい」「才能がある選手がいっぱいいた。ハードワークして真剣にトレーニングして、夢を実現してほしい」などと挨拶した。
そして、ジョーンズHCは、「スキルがめちゃくちゃ良かった」と高校生約70人から今日のMVPに富島高校ラグビー部1年のバレンタイン・ジェナ選手を選び、着用していた帽子をプレゼントした。
ジェナ選手は、「今日は緊張しましたが、MVPを取れるようにアピールしました。日本代表のHCのエディーさんが言ったことを1つ1つ信じて、これから日本代表になるためがんばりたい。一番プラスになったのは木村選手に教わったタックルです。将来はオリンピックに出たいです」と声を弾ませた。
小学生低学年に大人気だったヘル(左)と竹内
ラグビークリニック終了後、宮崎出身のPR竹内選手と、PRオペティ・ヘル選手が報道陣に対応した。
ヘルは、「子どもたちのエナジーと明るさから、自分もエナジーをもらって身体の疲れが吹き飛んだ。日本代表として子どもたちに接することができて、彼らの日本代表になりたいというモチベーションを上げることができたかな」と大きな笑顔を見せた。
また、ご当地選手で大人気だった竹内も、「これだけたくさんの小学生のラグビー選手が宮崎にいて、目を輝かせながらラグビーボールをずっと触っていた。昨日、ハードな練習で疲れていたが、元気をもらって、明日からがんばろうというやる気に満ちあふれている」。
「ラグビーの技術どうこうよりも、ラグビーというスポーツを純粋に楽しんでほしい。みんなと一緒に何かを成し遂げる、味方のために身体を張るのはラグビーのスポーツ特性なので、楽しみながら、ラグビーボールを存分に触ってほしい」と、自分と同じ宮崎県でラグビーをしている子どもたちにエールを送った。
小学生を教え、笑顔を見せる小山(左)と松岡
宮崎県のラグビーの普及、強化に一役買い、子どもたちから大きなエネルギーをもらった日本代表のコーチや選手たち。翌日からはメンタルチェンジし、「オールブラックス」ことニュージーランド代表戦に向けて一気にギアを上げていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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