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ラグビー コラム 2024年10月21日

【ハイライト動画あり】帝京大学は4連勝で首位に並ぶ、慶應義塾大学は3連敗で暫定最下位。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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帝京大学が9トライで勝利

9月に開幕した関東大学ラグビー対抗戦も中盤戦を迎えている。10月20日(日)、群馬・太田市運動公園陸上競技場で、昨季の大学王者で開幕3連勝中の帝京大学に、2連敗でいまだ白星のない慶應義塾大学がチャレンジした。

両者の対戦は、帝京大学が優勝した過去3年は64-14、57-14、64-14と快勝しているが、2019年と2020年は慶應義塾大学が29-14、30-27と連勝している。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

帝京大学はキャプテンFL(フランカー)青木恵斗(4年)を筆頭に、春の日本代表活動に参加したPR(プロップ)森山飛翔(2年)、副将の本橋拓馬(4年)、副将のSH(スクラムハーフ)李錦寿(4年)と、U20日本代表経験のあるSO(スタンドオフ)大町佳生(3年)らが先発した。

慶應義塾大学は4名を変更。FW(フォワード)第1列のキャプテンHO(フッカー)中山大暉を筆頭に、1年のFL(フランカー)中野誠章(桐蔭学園)ら、7人が前節と同じとなった。

BK(バックス)は和田康二GM(ゼネラル・マネージャー)の甥っ子・1年のSO健太郎(清真学園)が抜擢され、CTB(センター)はU20代表経験のある今野椋平(3年)が12番で復帰、開幕2試合はFB(フルバック)で先発していた1年の小野澤謙真(静岡聖光学院)が14番のWTB(ウィング)に入った。

帝京大学ボールで試合はキックオフされた。序盤、慶應義塾大学はハーフ団を中心に積極的にボールを動かして相手ゴールラインに迫ったが、トライを挙げることができなかった。

ディフェンスで粘りを見せた帝京大学は前半9分、反則から相手ゴール前のラインアウトを得て、順目にボールを動かし、最後はFL青木が強さを見せて右中間にトライ、SO大町がゴールを決めて7点を先制した。

その後、再び慶應義塾大学が攻め込むが得点を挙げることができず、帝京大学は武器としているスクラムでペナルティを得て、相手陣に攻め込む。16分、ラインアウトを起点にボールを継続し、最後はSO大町が見事なステップを見せて中央にトライを挙げて、12-0とリードを広げた。

ラグビー 関東大学対抗戦2024

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 帝京大学|帝京が9トライを上げ勝利

慶應義塾大学も22分、相手陣ゴール前のラインアウトを起点に、右に素早く展開し、最後はWTB小野澤が右隅に飛び込み、対抗戦初トライを記録、7点差に迫った。

FWの強さを見せた帝京大学

だが、帝京大学の優位は変わらず、28分にはスクラムを起点に、FWが縦にこだわり、再び青木がトライ。さらに33分、39分と相手陣奥のモールからHO(フッカー)當眞蓮(4年)が連続トライを挙げて、帝京大学が33-5と大きくリードして前半を折り返した。

後半、慶應義塾大学はボールを継続して攻め込むが、やはり帝京大学のディフェンスを崩せない。5分、帝京大学はカウンターラックからチャンスを作り、PR森山がゲインして、フォローしたWTB生田弦己(3年)がトライを挙げて38-5とした。

その後は拮抗した状況が続いたが、14分、帝京大学は途中交代のWTB青柳龍之介(4年)が危険なタックルでシンビン(10分間の途中退場)となる。数的有利となった慶應義塾大学は19分、カウンターラックから攻め込み、最後はラインアウトから得意のモールを押し切ってキャプテンHO中山がトライを挙げて12-38とした。

だが、帝京大学も集中力を切らすことなく28分、途中交代のFL森元一気(4年)がゲインすると、キャプテンFL青木が走り込みながらボールを受けて、中央にハットトリックとなるトライを挙げて45-12で勝負を決めた。

慶應義塾大学は34分にモールを押した後、ボールを右につないでWTB小野澤が2本目のトライを決めた。しかし、帝京大学も終了間際にPR平井半次郎(4年)、途中出場のSH上村樹輝(4年)がインゴールを陥れる。

結局、帝京大学は9トライを重ねて57-19で大勝し、開幕から4連勝を達成。3トライ差以上の勝利でボーナスポイント1を得て、総勝ち点では明治大学と24で並んだ。

前節、「帝京大学らしい試合をした」と相馬朋和監督が選手たちを称えていたが、今回の慶應義塾大学戦も同様に、セットプレー、接点で強みを見せての快勝だった。

POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にはハットトリックを達成し、チームの勝利に貢献した帝京大学のキャプテンFL青木が2試合連続で選ばれ、「様々な課題が見つかったので、そこを修正して必ず早稲田大学に、夏のリベンジを果たせるようにがんばりたい」と意気込んだ。

慶應義塾大学は相手陣22m内でのチャンスを活かしきれなかったことが響いた。ただ、まだ4試合残っており、5位以内に入って大学選手権に出場する可能性は十二分ある。

MIP(モースト・インプレッシブ・プレイヤー)には、2トライを挙げた慶應義塾大学のルーキーWTB小野澤が選出され、「明治大学に敗れてから1ヶ月、ディフェンスに取り組んできた。その成果を発揮しきれないところもあったが、良いディフェンスもあったので次節、絶対勝てるように準備したい」と話した。

3連敗で暫定順位ながら最下位となってしまった慶應義塾大学は10月27日(日)、栃木県総合運動公園第2陸上競技場で、現在5位につける青山学院大学と対戦し、今秋、初勝利を狙う。

一方、4連勝で優勝争いを演じている帝京大学は次節は、11月3日(日)、夏合宿で14-38と敗れた早稲田大学と東京・秩父宮ラグビー場で激突する。

文:斉藤健仁/Photo by S.IDA

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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