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ラグビー コラム 2024年10月21日

オペティ・ヘルと姫野和樹、秋からの新戦力に聞く。ラグビー日本代表vs.オールブラックス

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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オペティ・ヘル(左)と姫野和樹

10月26日(土)、「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表戦を控えるラグビー日本代表は現在、宮崎で合宿を敢行し、強化を進めている。そんな中、夏までは代表にいなかったが、今秋選出されて、大きな戦力となる可能性があるFW(フォワード)2人を紹介したい。

リポビタンDチャレンジカップ2024

それは、5年居住の条件をクリアし、新たに日本代表入りしたPR(プロップ)オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)と、前キャプテンで右肘の手術から復帰を果たした、国際経験豊富なNO8(ナンバーエイト)姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)だ。

リーグワンで3度、「ベスト15」に選ばれたヘル。エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、「(高校時代プレーしていた)オーストラリアで学生時代彼のことを見ると、年代で一番の選手だったと思う」。

「能力に長けた選手だが、どれだけハードワークできる心構えがあるか。オールブラックス戦までに見ていきたい。ハードワークがしっかりできれば、セレクションには必ずかかる」と話していた。

オペティ・ヘル

オフシーズンの体重は133kgだったが、今の体重は129kgと少し痩せたというPRヘルは、日本代表は速いプレーをするので、ベストなシェイプにならないといけない」と笑顔を見せた。

ヘルは高校時代にオーストラリアでプレー。故郷のトンガ代表の資格を有していたが、なぜ日本代表を選んだのか。「クボタでプレーするために日本に来て、日本が自分にくれたラグビーの機会、スポーツに対して好きな気持ちをもらったからこそ、日本に恩返ししたい気持ちが強く、日本代表を選んだ」。

また、いつから日本代表になることを意識したのかを聞くと、「2019年に初めてクボタとサインしたとき」と話したヘル。

「自分の夢が変わったという感じだった。それまではトンガか、オーストラリアの代表でプレーしたい気持ちだったが、義理のお兄さん(トゥパフィナウ)のいるクボタとサインしたことで、自分はこれから日本で生活し、今後、日本でプレーしていくんだと、気持ちが変わった」と話した。

日本代表に呼ばれる前から、インターナショナルのレベルでプレーすることにワクワクしていたかと聞くと、「何回かエディー(・ジョーンズHC)とミーティングしたが、呼ばれるかわからなかった。だから、自分でコントロールできることに集中した。ハードワークしたことが実になったことに感謝している」と目を細めた。

初キャップを目指すオペティ・ヘル

日本代表にはトンガ出身も多いため、「チームがどういうことを期待しているかシェアをしてくれているのでやりやすい」というヘル。改めて自身の強みを聞くと、「ボール持って走ること、ボールを持って相手にヒットすることが強み。もう1つ、チームの力、エナジー、勢いが自分に大きく伝わり、それをプレーで体現することも強み」と語気を強めた。

10月26日のオールブラックス戦は出場したら初キャップとなる。ヘルは「緊張しているが、ハイレベルなスタンダードを保って、プレーしたら大きな責任をまっとうしないといけないと感じている」。

「この1~2週間、しっかり準備をしているので、試合に出たら自分の仕事を遂行したい。もし、プレーするチャンスがあれば、他の選手たちと同様にファンに見応えある試合をして、勝利を届けたい」と意気込んだ。

姫野和樹

続いては、2019年、2023年のワールドカップに出場した、32キャップを誇る前キャプテンの姫野だ。

ジョーンズHCは姫野に関して、「彼の仕事は彼史上最高の選手になること、世界一のバックローになることが、彼に求めることで彼の仕事」と断言。

そして、「姫野はラック回りのアタック、例えばピック&ゴーや倒れ込むことなくボールを持ち続けることが強み。タックルしてもすぐに起き上がって、次の仕事ができることが強みなので、ピークに戻すことが大切です」と大きな期待を寄せた。

昨年のワールドカップ以来となる代表活動に参加し、姫野は「肘の出術をして、久しぶりの日本代表で、久しぶりの実戦だったので、ただただ楽しかった」と声を弾ませた。

リーダーシップも期待される姫野和樹

新生エディー・ジャパンで、初めて実戦練習をして、姫野は「若い選手が多くてほぼほぼ初対面だった(苦笑)。つい最近まで代表は自分が後輩で、先輩がたくさんいてと、それが普通だったが、今回合流して、チームのフレッシュさを肌で感じた。自分が与えられた役割、責任は大きなものがあると思う」と正直な感想を述べた。

キャプテンではなくなったが、FW(フォワード)では2番目となる30歳の姫野に、当然、ジョーンズHCはリーダーシップも求めている。姫野は「チームを引っ張っていくのは強みだし、エディーさんもそこを求めていると思うので、合流して1週間だが、自分の持てるリーダーシップを出しつつ、ベストな選手、人間であり続けるような努力をしていきたい」と話した。

また、指揮官が掲げる「超速ラグビー」に実際に触れて、姫野は「もちろん、(前体制とは)ラグビー自体のディテール変わっているが、得意としている分野、ストロングポイントを活かしながらラグビーをしていくのは、これまでとも変わらない」。

「良い意味でエディーさんが引き継ぎながらイノベーションして、エディー流に改良していると感じている。スキル、スピード、そしてそれに頭、考える判断、身体を動かす速さを追求していくのが、僕らが目指す方向性」と率直に話した。

個人の強みを聞くと姫野は「以前と変わらない。ブレイクダウン周りの運動量、タックル、ボールキャリーが強みだと思うので、自分の能力を100%出し切るのが自分の仕事だと思う」と語気を強めた。

2年前は善戦したオールブラックス戦に向け姫野は、「勝つと歴史的瞬間になる。一昨年、1トライ差(31-37)ほどの差で負けたが、日本代表もそのレベルまで来ている。オールブラックスに勝つのも夢ではないと感じているし、必ず勝ちたい思いをみんな持っているし、原動力になっている」と前を向いた。

リーグワンでトップクラスのフィジカルを誇るヘル、そしてジャッカルが代名詞の経験豊富な姫野。今秋に合流した新戦力の2人が日本代表FW陣を勝利に向けてドライブする!

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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