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ラグビー コラム 2024年10月20日

エディ・ジョーンズHC、「日本ラグビーの歴史を変える結果を残したい」。ラグビー日本代表vs.オールブラックス

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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松永拓朗にアドバイスを送るジョーンズHC

10月26日(土)、「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表との対戦を控えるラグビー日本代表は、13日から合宿を重ねており、19日には宮崎で全体練習を一般公開した。時折、小雨の降る中で、2時間近くにわたって、15対15のアタック&ディフェンスを繰り返した。

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練習前に、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が報道陣に対応した。日本代表を率いてオールブラックスと対戦するにあたって、「日本らしくプレーすることを心がけて、100%の力を尽くす。ニュージーランドと対戦することは常に名誉なことで、私たちのチームにとっても素晴らしい機会。選手たちにとって、大きな舞台で真価を発揮するチャンス」。

「これまでの対戦成績はニュージーランドが7勝し、平均で81-13というスコア。だから若いチームにとっては、日本らしくプレーしニュージーランドに挑むチャンスがある。試合の最初からファンを魅了し、本物の日本代表のプレーを見せることが私たちの仕事」と話した。

練習場に掲げられた「超速ラグビー」

ジョーンズHCが就任して以来掲げている「超速ラグビー」が通用するか、と聞かれて指揮官は、「日本らしくプレーするつもりで、それこそが私たちにできる唯一のこと」。

「スピード、賢さを活かしたプレーをして私たちのペースに持ち込みたい。試合終了の80分まで戦い続けて、そして、自分たちが十分に実力を発揮できれば、ニュージーランドを追い詰めて、日本のラグビーの歴史を変える結果を残せる」と自信を口にした。

特に、どのエリアでプレッシャーをかけたいかと聞くと、「ニュージーランドは常にオープンスペースを求めている。だからニュージーランドと対戦するときは、スペースを埋め続けるようにしなければならない」。

「そして、非常にディシプリンの取れた攻撃を展開することが重要。無差別にキックしてはいけないし、ボールを落としてはいけない。ディフェンスではとにかく前に出ていくしかない。前に出続けて、一瞬たりとも立ち止まるわけにはいかない。ニュージーランドと対戦するときは、常にプレッシャーを与え続けることができるかという戦術的な規律を試される真のテストとなる」と話した。

練習を見守るジョーンズHC

勝つ確率を上げるためにしていることは?という問いには名将は「確率には全く関心がない。私が興味を持っているのは、ニュージーランド戦に向けて、チームが全力で準備しているかどうか。最高のパフォーマンスを発揮できれば、試合に勝つチャンスがある」。

「ニュージーランドのファンになってしまったら、勝利の望みはない。私たちはしっかりと準備をしているし、今日もまた、しっかりと準備する機会がある。ここ1週間、私たちの準備は完璧だった。この調子でいけば、勝利に導く最高のポジションにつけるだろう」と自信を口にした。

2019年ワールドカップ準決勝で、イングランド代表を率いていたジョーンズHCは、「V」の字となり、ハカに対抗したことで知られている。「なぜそうしたかというと、日本のファンのほとんどがオールブラックスファンだろうと思ったから。ハカが盛り上がり、ファンはニュージーランドにいるような気分になり、彼らが望むプレーをするための舞台が整う」。

「だから、ハカで私たちがやるべきことは、日本のファンに日本代表を応援する必要があることを理解してもらうこと。それをどうするか、今、いくつかのことを考えている。現時点ではまだ何も具体的には決まっていないが、私たちは何かをするかもしれないし、しないかもしれない。しかし、私たちにとって最も重要なのは準備、そして考え方、取り組み方だ」。

オールブラックス戦に向けてのセレクションで大事になってくることは何かと聞かれて、ジョーンズHCは「今日(10月19日)セッションがあり、来週の火曜日にメインのトレーニングセッションがある」。

「姫野(和樹)、(シオサイア・)フィフィタなど復帰したメンバーや、新しいメンバーが数人いるので、彼らがどの程度のレベルにあるのか、ポジションを争えるのかどうかを見極める必要がある」。

「また、坂手(淳史)やジョネ(ナイカブラ)のようにケガをした選手や、(サナイラ・)ワクァのようにチームを離れた選手もいる。だから、選手たちの状態を把握する必要があるが、選考方針は明らか。ニュージーランドに勝つためには、信じられないほどの闘志を持ってプレーする最高の23人を選ぶ必要がある」と語気を強めた。

オールブラックス戦への意気込みを語るジョーンズHC

また、ジョーンズHCにとっては、イングランド代表の指揮官として2019年ワールドカップ決勝で南アフリカ代表に12-31で敗戦して以来となる、神奈川・日産スタジアムでのテストマッチとなる。

ジョーンズHCは、「まだ心の傷は癒えてないので、いい気分ではない。しかし、その気持ちを変える唯一の方法は、日産スタジアムで良い経験をすること。私は今でもその試合のすべてを覚えているし、決して忘れることはない。それが、私が今でもコーチングを続けている理由の1つ。来週の土曜日に日本代表がニュージーランドに勝てば、その気持ちを変えることができるだろう」と先を見据えた。

パシフィックネーションズカップから中軸のメンバーはさほど変わらないが、新たに日本代表に入った選手や、ケガをしていた選手が数人復帰を果たしており、どんなメンバーで臨むか楽しみでならない。

残り1週間あまり、37人の選手たちはチーム一丸となって、切磋琢磨しながら今年、国内最後のテストマッチであるオールブラックス戦本番を迎える。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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