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初キャップを目指すSO/FB松永拓朗
10月26日(土)、神奈川・日産スタジアムで「オールブラックス」こと、ニュージーランド代表と対戦する日本代表。13日からFW(フォワード)とBK(バックス)に分かれて3日間合宿を敢行し、16日から宮崎で合流して全体練習を行っている。
18日(金)午後、練習が公開されたが、前日の練習が激しく、雨天だったため強度はそれほど高くはなかったという。
リポビタンDチャレンジカップ2024
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ラグビー日本代表テストマッチ:日本 vs. ニュージーランド
10月26日(土)午後2:20 J SPORTS 1で生中継&オンデマンドでLIVE配信
8月~9月のPNC(パシフィックネーションズカップ)に続いてキャプテンを務めたSO(スタンドオフ)立川理道は、「自信になった。(秋も)自分らしくやっていきたい」とコメント。
この秋もキャプテンを務めるSO立川理道
「エディー(・ジョーンズHC)さんになってからのテストマッチで、ハンドリングエラーが多くあったので、BKはそこの修正に取り組んだ。昨日はFWも合流して1発目の練習だったので、強度も高かったし、時間も長かったが、いいスタートが切れた」と目を細めた。
2013年のオールブラックス戦に出場していた立川キャプテンはすぐに交替したため、「正直、あまり覚えていない」という。ただ、2022年は31-38と接戦を演じた試合は見ていたと言い、「すごく勇気を持ってアタックして、あのような試合になった。(今回も)最初から最後まで、アタックもディフェンスもプレッシャーをかけ続けたい」と語気を強めた。
勝つために必要なことを聞かれ、立川は「やはりニュージーランド戦に向けての心構えのところだと思う。相手はハカをするので、日本の方もニュージーランドを応援する人もいると思う。ただ、そういう声援をあまり気にせずに、勝つという強い気持ちを持って、しっかり準備していくことが大事」と冷静に話した。
18日は立川が「天理大学出身者が5人いて、一緒にプレーできて幸せを感じるしうれしい」と話したように、現在、日本代表には立川以外に、NO8(ナンバーエイト)ファウルア・マキシ、SH(スクラムハーフ)藤原忍、SO/FB(フルバック)松永拓朗、CTB(センター)シオサイア・フィフィタがいる。
SH藤原忍
今年初キャップを得たが、すでに中軸選手の1人になりつつある藤原は、天理大学同期の松永も日本代表に招集されて、「うれしいですね。要求しやすいし、向こうも要求しやすいと思う。戦術やサインとか教えている。向こうからこういうとき、どうしたらいいと聞かれたら、しっかり答えている(天理大学出身者が多いく)気持ち的に動かしやすい」と破顔した。
藤原は試合出場を重ねて、「リードしないといけないという気持ちがすごく出てきている。練習中から態度でも声でも意識してやっているし、エディーさんからもコミュニケーションを取って、アタックもディフェンスもオーガナイズしろと言われているのでやっている」と話した。
また、日本代表に呼ばれた直後は、いろいろなことにフォーカスしていたが、ジョーンズHCがそれを見抜いて、「それだと自分にプレッシャーがかかり、多すぎるとミスにつながる。2個、多くても3個、例えばとりあえずボールに集中すること、ディフェンスをオーガナイズすることだけを考えてプレーしろとアドバイスをもらいました」と好調の要因を説明してくれた。
オールブラックス戦に向けて、どんなプレーをしたいかを聞くと、藤原は「自分の役割をしっかり理解しながら、チームでやることをまず明確にして、みんなを鼓舞して自分の強みを出しながら、勝ちにいきたい」。
「ニュージーランド代表はトランジション(攻守の切り替え)で、空いているスペースにアタックしてくるので、その時間と余裕を与えないディフェンスができるよう、オーガナイズしていきたい」と前を向いた。
一方、昨シーズンの東芝ブレイブルーパス東京の優勝に貢献した松永、夏までは招集されなかったが、今回初めて日本代表に名を連ねた。
「焦る気持ちはなく、ワールドカップまでまだ時間はあるし、今季や来季のリーグワンで活躍すればチャンスがあると思っていた。発表の1週間前に代表入りを知った。やっとこういう場でチャレンジできるうれしさと、呼ばれた瞬間、緊張感はあった」。
大学選手権で一緒に優勝した天理大学の同期が日本代表にいることに関して松永は、「心強くて、(藤原)忍、サイア(シオサイア・フィフィタ)は普段から仲のいいメンバーなので、一緒にきてすごくうれしいし、心強くて助かっている。同級生がいるので何でも聞けるし、困ったこと悩みごとがすぐ聞けるし、何でも言い合える」と話した。
大学の先輩であり、ポジションを争う立川主将については、「ハルさん(立川)はテレビで見ていた存在で、ちょくちょく天理大学時代も練習を見に来てきてくれて、キックを教えてくれたりした」
「憧れの存在の人と一緒のフィールドできるのはちょっと感慨深い。ハルさんは特別な存在。チームのリーダーだと思う。ブレないし、みんなからの信頼も厚いし、冷静で引っ張ってくれているので素晴らしい。学ぶことが多いので、いっぱいスキルを盗みたい」と力強く語った。
「超速ラグビー」への理解を行くと、松永は「今、必死で覚えている感じ」と話しこう続けた。「だいぶコミュニケーションも取れるようになったし、こういったラグビーするというのは、だいたい理解できるようになってきたので、もっとアジャストできたらと思う。頭で考えず行動ができるようになったらいい。忍やハルさん、あと周りの選手に聞きながらやっている」。
ジョーンズHCにアドバイスを受ける松永
この日の練習では10番に入っていた松永だが、ジョーンズHCには10番、15番の「両方ができるように準備してほしい」と言われている。
改めて、自らの強みを聞くと松永は「ボールを動かすところと周りとコミュニケーションを取ること。コミュニケーション取って周りの選手を動かす、ボールを動かす。それにプラスして自分がランできたら最高。そういうところを出してくれとエディーさんにも言われました」と話した。
松永はオールブラックスで試合メンバーに入れば、初キャップとなる。「まず自分を表現したいのが一番。相手がオールブラックスとか考えずに、自分のパフォーマンスを出せたら最高の初キャップになると思う」と先を見据えた。
オールブラックス戦まであと1週間あまり。ラグビー日本代表はFW、BK一体となって宮崎でチームの強化を進めていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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