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インゴールに飛び込む矢崎
秋の訪れを感じさせる、涼やかな風が吹き込む群馬・太田市運動公園陸上競技場。早稲田大学は関東大学対抗戦の第3節に臨んだ。前節で格上・筑波大学を破り勢いに乗る青山学院大学との一戦は、早大が終始圧倒する展開となった。
試合開始直後にペナルティゴールで先制に成功。エリアマネジメントとセットプレーで優位に立ち、4トライを奪う猛攻で27-0と大きくリードし前半を終える。後半に入っても勢いは止まらず、さらに6トライを追加。ゴール前での粘り強いディフェンスも光り、見事な完封劇で力の差を見せつける結果に。67-0で早大が開幕からの連勝を3に伸ばした。
青学大のキックオフでゲームはスタート。直後に早大のSO(スタンドオフ)服部亮太(スポ1=佐賀工)と青学大のFB(フルバック)井上晴生のハイレベルなキックの応酬が始まる。昨年の全国高校ラグビーフットボール大会でも白熱の蹴り合いを見せた2人。期待の1年生同士の再戦に会場が沸いた。
試合が動いたのは3分、青学大ボールのスクラムで早大がペナルティを獲得。CTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)がPG(ペナルティゴール)を沈め、3点を先制した。その後はセットプレーが続く展開に。早大はスクラムで圧倒し再三ペナルティーを奪うと、精度の高いキックも活用しながらエリアを押し上げていく。
ラグビー 関東大学対抗戦2024
13分には服部が自陣から青学大の背後へキック。低い弾道のボールはゴールライン5m前でタッチラインを割り、『50-22』に成功する。その後のラインアウトから最後に野中がトライ。ルーキーが得意の足技でインパクトのあるチャンスメークを見せた。
前半の終盤にはFB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がその実力を発揮する。27分にキック処理のこぼれ球を拾い一気に敵陣へゲイン。PR(プロップ)杉本安伊朗(スポ2=東京・国学院久我山)のトライへとつなげた。
直後の30分には自陣でターンオーバーしたボールをWTB(ウィング)池本晴人(社2=東京・早実)がキック。勢いよく転がるボールに反応した矢崎が加速し再獲得すると、そのままインゴールにねじ込んだ。
ラグビー 関東大学対抗戦2024
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さらに37分には、敵陣22mライン付近のラインアウトから、早大得意のテンポの速い攻撃で攻め込む。大外でパスを受けた矢崎がディフェンスを振り払い、再びゴールラインに飛び込んだ。終始攻め続けた早大は27-0とリードを奪い前半を終えた。
キックとランでインパクトを残した服部
後半に入っても早大は攻撃の手を緩めない。安定したセットプレーの強さでゲームの流れを完全に掴むと、6分にはスクラムの反則から青学大の選手がシンビンで退場。一時的な数的有利を得る。直後のセットプレーから、早大らしくボールを大きく動かす攻撃でディフェンスを翻弄し、最後は服部がギャップに切り込みトライを挙げた。
さらに15分には、自陣中盤でのペナルティから矢崎が素早くリスタート。敵陣までエリアを回復すると、サポートに駆け寄ったのはまたも服部。ボールを受け取ると、追いかけるディフェンスを置き去りにしてインゴール中央にグランディングした。前半から好キックでゲームに貢献していた若き司令塔が、ランニングスキルの高さでも存在感を見せつけた。
その後の19分には、矢崎がこの日3本目のトライ。28分には途中出場のSH(スクラムハーフ)糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)の追加点でリードを大きく広げた。ここで意地を見せたい青学大が奮闘し早大ゴール前に迫る。このゲーム最大のピンチを迎えるも、今大会ノートライに抑えている堅い守備網はそう簡単にゴールラインを割らせない。
大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が試合後に語った「ゴールラインを背負った時に守り切るという自分たちのプライド」を前面に押し出し戦った選手たち。最後にはCTB(センター)黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)がジャッカルに成功し、インゴールを守り切った。
対抗戦デビューでトライを挙げた清
反撃を凌いだ37分にはLO(ロック)若松泰佑(文構4=東京・早実)が追加点を奪うと、ラストプレーで魅せたのはWTB清透馬(商4=茨城・茗溪学園)。自陣深くでボールを受けるとディフェンスを薙ぎ倒しながら前進。ディフェンスの裏へ抜け出すと、そのまま独走しインゴールを駆け抜けた。この日対抗戦デビューを果たした4年生が、ダメ押しのトライでゲームを締め括り、早大は67-0で見事な完封勝利を挙げた。
的確なエリアマネジメントと強力なスクラムでゲームを支配した早大。堅いディフェンスからつながる鋭い攻撃で大量得点を奪い、まさに『Beat Up』を体現するような試合運びを見せた。
頭角を表す若い戦力や、途中出場した選手の躍動など、選手層の厚さにも期待が高まる。対抗戦はいよいよ折り返し地点へ。後半戦には名だたる強敵たちが待ち受けている。まずは次節・帝京大学戦へ。昨年の王者との大一番に向けて、チーム佐藤の勢いはさらに加速していく。
文:西川龍佑/写真:安藤香穂、植村皓大(早稲田スポーツ新聞会)
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