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ラグビー コラム 2024年10月15日

【ハイライト動画あり】前半は堅守披露の立命館大学。後半圧巻6トライの天理大学。2024ムロオ関西大学ラグビーAリーグ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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試合序盤で大きな拍手を浴びたのは、立命館大学のディフェンスだった。

2024ムロオ関西大学ラグビーAリーグ第3節。鶴見緑地(大阪)で10月13日(日)に激突した、2勝の天理大学(昨季2位)と、2敗の立命館大学(昨季5位)。

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立ち上がり、立命大はSO山下真之介がロングキックで右奥に侵入するが、ラインアウトのミス&ペナルティで一気に自陣ゴール前まで後退する。

が、ここからの守備が圧巻だった。

まず天理大の強力モールを扇形の守備陣形で2度にわたり止めてみせる。さらに10フェーズ以上の突進をNO8島正輝らが的確なロータックル、チョークタックルで止める。

そして相手のオフロドーパスを読んでいたHO大本峻士がインターセプトし、ターンオーバー。SO山下がハーフ付近まで蹴り戻すと、快晴の空に拍手が響いた。

一方の天理大は、フルバックで先発した主将が魅せる。

開始10分が過ぎてスコアは0-0。ここで存在感を示したのがフルバックでの先発になった天理大・筒口允之主将。特大のスクリューキックで蹴り合いを制し、前半13分、チームを大きく前進させた。

ゲームは開始20分経過で0-0と白熱。

先取は立命大だった。

ワイド展開でWTB岸澤康成が抜け出すもターンオーバーとなったが、NO8島正輝が敵陣中央でジャッカル成功。ここでPGを選び、3点を奪った。

天理大の反撃は、武器であるスクラムからだ。

ここまで無得点の天理大は前半25分頃、敵陣スクラムでこの日初のスクラム・ペナルティ。注目の8対8勝負で成果を挙げた。ラインアウトモールは立命館大の好守備に止められたものの、さらにFWがゴール前で連続ピック。

最後は19歳のLOアリスター・サウララが手薄のラック脇へ飛び込み、逆転のトライ。キック成功で4点リード(7-3)を奪った。

ここからモメンタムは、天理大に傾いた。

立命大はNO8島の2度目ジャッカルで前進するが、前節に続いて敵陣アタックでハンドリングエラーが続いてしまう。ここで天理大は10番起用の上ノ坊駿介がキック「50:22」。

ラグビー 関西大学リーグ2024

【ハイライト動画】天理大学 vs. 立命館大学

一気に敵陣でチャンスが到来すると、ゴール前のFW戦に持ち込み、ふたたびLOアリスター・サウララが196cmの長身をねじこみ2連続トライ。このまま14-3で試合を折り返した。

そして後半最初のトライは189cm、115kgの大砲が呼び込んだ。

天理大は相手ペナルティから敵陣ゴール前ラインアウト。NO8パトリック・ヴァカタを相手バックスにぶつける得意の形から、防御を弾き飛ばし、衝撃的な3本目。

NO8パトリック・ヴァカタは後半14分にも問答無用のフィジカリティで4本目。さらに6分後には堅かった相手モールDFをついに押し切り、この日初のモールトライで5本目を奪った。

FWの5連続トライのあとは、WTB藤原竜之丞がキックカウンターから6本目。一方の立命大はスクラム、そして敵陣勝負所でのラインアウトミスが響いてスコアに繋げられない。

立命大のこの日初のトライは後半33分。

発端は自陣から積極展開した天理大のハンドリングエラー。これを拾って敵陣攻撃を展開。相手反則、武器であるモールで迫ると、ここでSO山下真之介がショートサイドに単独で移動攻撃。

タックルを跳躍してかわすトリッキーなムーブから、左コーナーへグランディング成功。高難度のキックも自ら決めて7点を追加。しかし、スコアボード上の反撃はここまで。

モールなどで2トライを加えた天理大が54-10で3勝目。前半は拮抗模様もセットプレー、フィジカル勝負で優劣が顕著になった後半に、トライ数「6対1」で突き放した。

立命大は序盤から好ディフェンスで対抗したが、敵陣には入るものの不安定なラインアウト、アタック精度が響き、80分間で1PG、1トライに終わった。

一方、後半突き放す展開が続いている天理大は、80分間持続するエナジーが印象的。筒口主将の15番起用もあらためて有効であることが確認され、収穫の多い一戦だったに違いない。

3連勝となった天理大の次戦は10月20日(日)、静岡・エコパで、第2節で近畿大学を破った2勝1敗の関西大学戦。初勝利をめざす立命大は、同日同会場で、3勝の関西王者・京都産業大学にチャレンジする。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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