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ラグビー コラム 2024年10月10日

ラグビー日本代表、オールブラックス戦を前に合宿メンバーを発表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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エディ・ジョーンズHC

10月10日、日本ラグビー協会は10月26日の「リポビタンDチャレンジカップ2024」のニュージーランド代表戦に向けた関東・宮崎合宿のメンバー37名、FW(フォワード)20名、BK(バックス)17名を発表した。そして、同日の午後、東京都内で日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が会見を開いた。

リポビタンDチャレンジカップ2024

ジョーンズHCはオールブラックスこと、ニュージーランド代表との試合に向けて「オールブラックスと対戦する試合に関しては、毎回、最高のベンチマークとなる。過去数十年において80%の勝率を誇る強いチームだし、我々は若いチームで7テストマッチをやってきたが、現状確認ができる。すばらしい試合になる」と話した。

続けて、オールブラックスと対戦するときのポイントとして指揮官は、「大切なことは相手を追い詰めること、ハードにチェイスする、ハードに相手に立ち向かうこと」。

「ただ、新しいスコット・ロバートソンHCが率いるオールブラックスは、より相手を恐れないようなチーム。昨今のラグビーはパスの回数が増えると、どうしてもブレイクダウンに弱みが出てしまうところもある」。

「私の仕事としては、ニュージーランドが恐れないスタイルで臨んでくるのであれば、相手より、より恐れない姿勢を見せることが必要だし、大切だと思っている。次の2週間、私の仕事は選手を、どれだけ挑み続けるようにするかが肝だと思っている。若い選手と一緒に集中してやっていきたい」と意気込んだ。

37名のスコッド(うち昨年のワールドカップスコッドは11名)に関して、ジョーンズHCは、「セレクションは選出できる選手からベストな選手を選ぶことに尽きる。12名の選手はケガや他の事情が理由で、招集できなかった」。

「メンバーはミックスしたような編成になっている。これまでトレーニングに関わっていた8名が戻ってくる形で、ケガないし、セレクションにかかっていなかった5名の新しい選手が合宿に参加して、テストラグビーを掴むチャンスをつかむ位置にいる」。

「FWは東京でセットプレーを中心に行い、BKは宮崎で楽しみながら準備をしていきたい。2020~23年の間に、33名が新しいキャップを得た。2024年はすでに17名の新しい選手がキャップを得た。新しい世代をどんどん築き上げていくこと、それを続けていくことで選手層、選手の質を上げることができると思っている。ニュージーランド戦に向けてはベストなスコッドを作りたい」と語気を強めた。

FB(フルバック)矢崎由高(早稲田大学2年)は、オールブラック戦に向けた合宿のみに参加することになり、フランスでプレーしているSH(スクラムハーフ)齋藤直人(トゥールーズ)、NO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(ボルドー)の2人は欧州遠征からの合流となった。

代表復帰を果たした姫野和樹

また、昨年のワールドカップでキャプテンを務めたNO姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)も代表に復帰を果たした。姫野について、「とても良い形でトレーニングをしているし、回復していると聞いている。彼に求めること、彼の仕事は、彼史上最高の選手になること、世界一のバックローになることが、彼に求めることで、彼の仕事」と期待を寄せた。

また、PR(プロップ)オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、SO(スタンドオフ)中楠一期(リコーブラックラムズ東京)、FB(フルバック)/SO松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京)の3人は、うれしい代表初招集となった。

ジョーンズHCは、その3選手について「ヘルはオーストリアで彼の年代で、一番の選手で、才能のある選手だと思う。若いSOを探していたが、中楠はラインに仕掛けながらプレーできるので、我々のスタイルに合っている。松永は李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)が今回、呼ぶことができず、10番と15番ができるのは貴重で、フィットすると思った」と理由を説明した。

ケガやコンディション都合で招集できなかった12名の選手に関しては、現在のところ、途中合流の可能性は「ノー」だという。ただ、指揮官は「もちろん、状況が変わる場合もあるが、ニュージーランド戦後に評価をしたい」とも少し含みを残した。

また、6月から9月までに代表活動に参加したSO松田力也(トヨタヴェルブリッツ)、3大会連続ワールドカップに出場したFB松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)の2人がメンバーに入っていないことに関しては、「それぞれのケースは違う」とのこと。

ジョーンズHCは「松田はパシフィックネーションズカップまでトレーニングしていたが、課題に取り組める時間を作るためにクラブに戻した。よりよい選手になったら戻ってくる」。

「松島は、今年は招集の対象ではないし、昨季のリーグワンを見ると招集できるレベルではなかった。どれだけ良い選手かわかっているが、身体を治して、リーグワンで良いプレーをみせれば戻ってくるかもしれない」と話した。

改めて、初めて日本代表を率いて、オールブラックスに挑むジョーンズHC(※2013年の対戦はジョーンズHCが病気のため、スコット・ワイズマンテル コーチがHC代行を務めた)は以下のように述べた。

「コントロールできる部分はしっかり準備すること。徹底的にワーク、ファイトして、ジャパンらしくアタックをし続けるための準備に集中したい。60分までに接戦に持ち込むことができれば、勝つ可能性は上がるが、先に点を取られてしまうと突き放されてしまう。先制されないようにアタックして、60分で、接戦に持ち込めばどうなるかわからない」と先を見据えた。

「オールブラックス戦はベンチマークになる」とジョーンズHCが強調したように、日本代表にとって過去0勝7敗と白星のない黒衣軍団との激突は、新生エディー・ジャパンにとって、この半年間の集大成となろう。

【日本代表、関東・宮崎合宿参加メンバー】37名(FW:20名、BK:17名)

( )内は所属、キャップ数
☆:2023年ワールドカップメンバー

◆PR
・岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス、4)
・三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ、14)
・茂原隆由(静岡ブルーレヴズ、5)
・竹内柊平(浦安 D-Rocks、10)
・為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、7
・オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、0)

◆HO
・坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ、46)☆
・原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京、7)
・松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ、2)

◆LO
・秋山大地(トヨタヴェルブリッツ、1)
・エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ、2)
・ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、18)☆
・サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ、7)

◆FL/NO8
・サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ、5)☆
・下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス、10)☆
・姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ、32)☆
・ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京、10)☆
・アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ、4)
・テビタ・タタフ(フランス・ボルドー、18) ※1
・ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、12)

◆SH
・飯沼 蓮(浦安 D-Rocks、0)※2
・小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ、6)
・齋藤直人 (フランス・トゥールーズ、21)☆※1
・藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、6)

◆SO
・立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、60) ◎主将
・中楠一期(リコーブラックラムズ東京、0)

◆CTB
・池田悠希(リコーブラックラムズ東京、0)
・梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス、4)
・シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ、13)☆
・ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ、4)
・ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、24)☆

◆WTB
・長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ、14)☆
・マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ、4)
・ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京、13)☆
・濱野隼大(コベルコ神戸スティーラーズ、1)

◆FB
・松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京、0)
・矢崎由高(早稲田大学2年、6)

※1 ヨーロッパ遠征から合流
※2.関東・宮崎合宿まで参加

◆練習生:2 名
・SH村田大和(京都産業大学2年、0)
・WTB 海老澤琥珀(明治大学2年、0)

【ケガやコンディション調整中などを理由に未招集】12名

・PR稲垣啓太 (埼玉パナソニックワイルドナイツ)
・PR淺岡俊亮 (トヨタヴェルブリッツ)
・PR木津悠輔 (トヨタヴェルブリッツ)
・HO堀越康介 (東京サントリーサンゴリアス)
・FL/LO リーチ マイケル (東芝ブレイブルーパス東京)
・FLベン・ガンター (埼玉パナソニックワイルドナイツ)
・FLティエナン・コストリー (コベルコ神戸スティーラーズ)
・SH福田健太 (東京サントリーサンゴリアス)
・SO李 承信 (コベルコ神戸スティーラーズ)
・CTB サミソニ・トゥア (浦安 D-Rocks)
・WTB 根塚洸雅 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
・SO/FB 山沢拓也 (埼玉パナソニックワイルドナイツ)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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