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ラグビー コラム 2024年10月7日

【ハイライト動画あり】立命館大学が魅せた渾身DF&決定力。春に関西準Vの関西学院大学と大熱戦。2024ムロオ関西大学ラグビーAリーグ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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昨季5位で1敗の立命館大学

昨季3位で、今季関西春季トーナメントで初の決勝進出を果たした1勝の関西学院大学と、大熱戦をくりひろげた。

9月22日開幕の2024ムロオ関西大学ラグビーAリーグは10月6日(日)、東大阪市花園ラグビー場(第2グラウンド)で、第2節の2試合を行った。

第1試合では昨季6位の関西大学が同4位の近畿大学を撃破(31-25)。下馬評を裏切る波乱に触発されたかのように、快晴の下、まず攻勢をかけたのは立命大だった。

立命大は昨季、王者・京都産業大学を同時期に4点差(22-26)まで追い詰めるなど実力は十分だ。

まず開始直後には自陣の相手ラインアウトをスティール。ロングキックからNO8島正輝の好タックルでターンオーバー。関学大を守勢にまわした。

関学大はHO平生翔大主将がオーバーとなった相手ラインアウトを捕球、すぐにキック「50:22」を決めるスーパープレーもあったが、直後のラインアウトミスから後退。

すると決定力ある立命大は前半8分に敵陣で展開攻撃。バックドアからCTB中村颯汰がゲインを獲ると、最後はSH福本颯翔がパスダミーからゴール下へ先制トライを決めた。

7点ビハインドの関学大もすぐ反撃する。

敵陣でペナルティをもらうと混戦模様でCTB川村祐太が絶妙なタップパス。もらった快足WTB武藤航生が左隅で2対1をつくり、大外のNO8小林典大がフィニッシュ。すぐにスコアをイーブン(7-7)に戻した。

すると前半16分だ。

立命大は敵陣スクラムでボール確保。パスは乱れるが敵陣22mのフェーズアタックに入ると、多層攻撃からふたたびCTB中村。決定的なオフロードパスを決め、チーム2トライ目をアシストした。

立命大はディフェンスでも魅せていく。

7点(7-14)を追う関学大は中盤からボール保持でアタック。しかし立命大は鋭い出足でNO8島正輝、PR甲斐匠馬らが的確なタックルを放つ。手詰まりになった関学大のキックを司令塔・SO山下真之介が蹴り返し、タッチを選ばせ、粘り勝ち。

ラグビー 関西大学リーグ2024

【ハイライト】立命館大学 vs. 関西学院大学

会心の自陣ディフェンスから敵陣に入り、会場を沸かせた。

さらに7点リードの立命大は前半26分、自陣ゴール前の相手投入スクラムで、値千金のペナルティ奪取。「半年間スクラムを強化した」(立命大、小寺亮太HC)経験が成果として出た。

直後に169cmSH福本颯翔はジャッカル、SO山下はロングキックで安定したエリアマネジメントでチームを牽引。ムードは立命大一色となっていく。

前半36分には2度目のスクラムPKから敵陣侵入。相次ぐパスミスに悩まされるが、関学大のペナルティに助けられて3点追加(17-7)。着実に差を広げる。

苦境に立たされた関学大だが、前半終了前にPG機でトライを狙った。しかし立命大LO本郷正人のファイトからカウンターラック成功。応援団の目の前でタッチに蹴り出し、10点リード(17-7)のまま後半へ向かった。

前半はラインアウト、パスミスを重ねながらもスクラム、ディフェンス、SO山下のキックで敵陣勝負の土台を築き、決定力あるアタックで17点を奪った立命大。

しかし後半スタートダッシュを決めたのは、関学大だった。

相手反則から敵陣に入った関学大は、連携ミスが続く相手のノックオンから、ゴール前スクラムの好機。このスクラムで押し込んでペナルティを奪い、NO8小林が速攻から後半最初のトライ(ゴール)を決めた。

ここでモールに活路を見出した立命大は賢明だった。

相手反則が続いて敵陣ゴール前ラインアウトを迎えると、無事にボール確保。モール守備に課題感がみえる関学大を押し込み、歓喜のチーム3本目。ゴール失敗も8点リード(22-14)とした。

ところが立命大はアクシデントに見舞われる。

途中出場の鍋島孝碩、先発FL小山虎汰朗が守備時にお互いの頭部が当たって負傷退場。FW2人が同時に退場となりスクラムも不安定に。自陣でガマンの時間が続いた。

が、ゴール前まで押し込まれた後半30分過ぎだった。

関学大がフェイントの二段式モールで勝負。ここで途中出場の背番号17中村康暉が、ボールをもぎとる正真正銘のジャッカル。さらにキック脱出後にFL吉川大智が相手に絡みつく。土壇場で2連続のジャッカルを決め、見事に自陣を脱出したのだ。

しかし負けられない関学大は、優勢となったスクラムから反撃に転じる。

ショットを狙わずに敵陣に入ると、ここで堅実にモール攻撃。頼もしいHO平生翔大主将が貴重なトライ(ゴール失敗)を決め、ついにビハインドを3点差(19-22)に。

このトライ後に「ロスタイムは6分」のアナウンス。

まだ勝負は分からない。キック失敗の関学大はショット選択でも同点の状況だ。3点リードを守りたい立命大だが、自陣ゴール前のラックで深刻な反則(オフサイド)でシンビンの苦境に立たされた。

最重要局面でFWが減り14人となった立命大。ここで関学大はもともと優勢なスクラムが8対7となり、相手ゴール前でスクラム選択する。

このスクラムはなんとかペナルティを許さなかったが、関学大はボールを拾ったU20代表暦のあるNO8小林が突進。力強く飛び込み、歓喜の逆転トライ。ゴール成功で4点リード(26-22)を奪った。

14人の立命大、まだワンプレーあったが、キックオフボール確保の関学大に蹴り出されて、無念のノーサイド。22-26で2敗目を喫した。

ここで奪った勝点1はハードワークと実力の証明だろう。立命大の次戦は10月13日、2連勝の難敵・天理大学と対戦する。

後半優勢のスクラムを起点に巻き返し、地力をみせた関学大。敵陣での打開力、序盤戦のエナジーなど一貫性に課題を残した。選手権出場へさらに上積みしたい次戦は同13日、相手は2敗の同志社大学だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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