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ラグビー コラム 2024年10月7日

【ハイライト動画あり】スクラムで安心感。個々の強みも出した東洋大、3季目で流経大戦初勝利。

ラグビーレポート by 田村一博
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笠巻晴太主将(東洋大学)

流通経済大学龍ヶ崎フィールドに、東洋大控え選手たちの声が試合を通して響いていた。

「かさまき、こいずみ、いっしかわ」
この日、濃紺のジャージーのフロントロー、笠巻晴太、小泉柊人、石川槙人の3人は、キックオフからフルタイムまでピッチに立ち続けた。

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パワーとスピード、個人技の高い選手たちがたくさんいる両チーム。強みを出し合って攻めあった中で、明確に上回っていたのは東洋大のセットプレーだった。
特にスクラムで奮闘した3人は東洋大に安心感をもたらし、勝利の立役者となった。

10月6日(日)におこなわれた関東大学リーグ戦1部の東洋大学×流通経済大学は、27-24で前者が勝利した。
前半は19-12と流経大がリードするも、東洋大は後半に高い集中力を見せて逆転勝ち。2022年度シーズン、29年ぶりに1部復帰して3シーズン目。対流経大に初めて勝った。

開幕からの2試合でともに1勝1敗。キックオフ直後は互いに攻め切れぬ展開が続いた。
しかし、両チームとも様子見のない攻防がすぐに始まり、見る者を惹きつけた。

4年生が先発に5人、23人中6人と若いメンバーの流経大は、序盤からスクラムに不安定な要素が見られたものの、一人ひとりが高い個人技を積極的に出して戦った。

先制点は流経大が奪った。
13分過ぎ、スクラムから攻める。ショートサイドでSH幸妻怜治からのパスを受けた4年生スピードスター、FB中村楓馬は防御裏へ短いキックを蹴り込み、自ら高速チェイス。ディフェンダーを追い越してインゴールでグラウンディングをしてトライを挙げた。

その6分後、東洋大にPK後のラインアウト、モールからWTBのボンド洋平にインゴールに飛び込まれ、ゴールキックも決められて5-7と逆転される。
28分にモールからのトライ、ゴールで12-7とするも、直後に5点を返されて12-12となった。

佐々木開(流通経済大学)

それでも流経大は先手を取り続ける。ハーフタイム直前、敵陣深いラインアウトから攻め、7フェーズを重ねた。最後はWTB仲野優輝が左隅に飛び込む。難しい位置からSO佐々木開がゴールキックも決め、19-12として前半を終えた。

ラグビー 関東大学リーグ戦2024

【ハイライト動画】東洋大学 vs. 流通経済大学

坂本琥珀(東洋大学)

東洋大が地力を発揮したのは後半に入ってからだった。安定感のあったセットプレーが支えたプレーが多かった。
3分、PKで前に出た後、右展開。サインプレーで右に大きくボールを動かし、スピードのあるFB坂本琥珀がインゴールに入った。ラインアウトのクリーンキャッチが、その後の流れるようなプレーの発信源となった。

19分にPGで加点(20-19と逆転)した後、27 分にはCTB浅尾至音が勝ち越しのトライを挙げた。
相手キックをレシーブしたところから攻めた。自陣で右に展開。タッチライン際で攻め上がってパスを繋ぎ、最後は13番がトライラインを越えた。ゴールも決まり、27-19とリードした。

インジャリータイムに入って流経大が NO8ティシレリ・ロケティらの好走からトライを返すも、東洋大の勝利は動かなかった。
福永昇三監督は、「大一番で4年生が頑張ってくれた」と評価し、3人のフロントローについては、「優位に立っていたので任せました」と笑顔を見せた。

この試合には「リンク」をテーマに臨んだ。
ディフェンスで左右の人と繋がる。ピッチ上の15人だけでなく、スタンドから応援してくれるメンバーとも気持ちをひとつにして戦う。
試合後、全員で作った歓喜の輪にはチーム状態の良さが浮かんでいた。

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敗れた流経大のシンクル蓮主将は、「後半に(プレッシャーを受けて)規律が乱れた。自滅というところがあり悔しい」と試合を振り返った。
しかし、若い選手たちの台頭によりポジション争いが激化。それがチーム力を高めていると話し、この先の成長に手応えを感じているようだった。

卒業でほとんどのフロントローが入れ替わったことで、スクラムに苦労している。
そこが改善すれば、個々のアタック力はさらに威力を増しそうだ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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