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ラグビー コラム 2024年10月6日

【ハイライト動画あり】サクラフィフティーン、金星まであと一歩。ラグビーWXV2024 15人制ラグビー女子国際大会 WXV2

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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サクラフィフティーン

すでに来年のワールドカップ出場権を得ている「サクラフィフティーン」こと、女子15人制ラグビー日本代表(世界ランキング12位)は、先週から南アフリカで開催されている、国際大会のディビジョン2に相当する「WXV2」の第2戦目で、世界ランキング5位のスコットランド代表に挑んだ。

日本代表はスコットランドと過去3戦しており、2019年11月、アウェイで初対戦し24-20で勝利したが、2021年はスコットランド代表が36-12でリベンジを果たし、昨年の「WXV2」でも、スコットランド代表が38-7と快勝している。

ラグビーWXV2024 15人制ラグビーユニオン女子国際大会 WXV2

先週の南アフリカ代表戦で24-31と惜敗したものの、勝ち点2を得た日本代表のレスリー・マッケンジーHC(ヘッドコーチ)は、FW(フォワード)1名、BK(バックス)1名の変更にとどめた。

力強いランを繰り返したWTB松田

HO(フッカー)谷口琴美がベンチに下がり、公家明日香が先発にまわった。BKはWTB(ウイング)松村美咲がメンバー外となり、7人制日本代表としてパリ五輪に出場した松田凜日がスターターとなった。また、試合前に控えのPR(プロップ)左高裕佳がコンディションの都合で永田虹歩に変更となった。

一方、今大会で来年のワールドカップ出場権獲得を狙うスコットランド代表は、第1戦のイタリア代表戦は、19-0と快勝。その試合からブライアン・イーソンHCは、FW4名、BK2名の先発を入れ替えたが、キャプテンのFL(フランカー)レイチェル・マルコム、バイスキャプテンSO(スタンドオフ)ヘレン・ネルソン、HOナラ・スケルドンら中軸も多く出場していた。

28度と暑い日差しの中、試合は10月5日(土)午後2:00(日本時間午後9:00)にケープタウンのアスローン・スポーツスタジアムでキックオフされた。

先制したのは格上のスコットランド代表だった。前半3分、ラインアウトを起点にボールを継続し、最後はWTBフランチェスカ・マクギーが右中間にトライ、SOネルソンがゴールを決めて7点を先制した。

ラグビーWXV2024 15人制ラグビー女子国際大会 WXV2

【ハイライト動画】日本女子代表 vs. スコットランド女子代表|

その後、日本代表はディフェンスで粘り、セットプレーでも互角の戦いを見せると、徐々に相手陣でのプレー時間が増えていく。17分、相手の固いディフェンスの前にSH(スクラムハーフ)津久井萌が裏にキックし、そのボールをWTB松田が足にかけてインゴールにボールを運んだが、相手に先にグラウンディングされてしまった。

ボールキャリーするNO8齊藤、PR加藤、HO公家

ようやくチャンスを得点に変えたのは29分だった。自陣のスクラムを起点に、SO大塚が左タッチライン際の奥に「50-22」キックを狙った。相手がボールを残して、惜しくもタッチを切らなかったが、そのボールをWTB今釘小町がキープすることに成功。そしてFWで近場を攻めて、最後はNO8(ナンバーエイト)齊藤聖奈が押さえて、5-7とした。

その後も日本代表の時間帯が続くが、得点を挙げることができなかった。すると前半のロスタイム、スコットランド代表はモールを起点に、オフロードパスで縦につないで、20歳のFLアレックス・スチュワートが押さえ、再び7点差としでハーフタイムを迎えた。

後半、互いにディフェンスで集中力を見せて、なかなかスコアボードが動かない時間帯が続く。18分、日本代表が連続攻撃から得たペナルティでPG(ペナルティゴール)を選択して、SO大塚が沈め、8-12と4点差に迫った。

しかし23分、スコットランド代表もFW、BK一体となったアタックを見せて、WTBローラ・ロイドが右端にトライ、難しい角度のコンバージョンをCTB(センター)メリル・スミスが沈め、日本は8-19とリードを再び広げられた。

FL長田主将

それでも日本代表は素晴らしい集中力を見せ、27分、相手の反則からゴール前ラインアウトのチャンスを得た。FWパックがしっかりと押し切って、最後はキャプテンFL長田いろはが押さえてトライ。13-19と、1トライ1ゴールで逆転できる6点差に追い上げた。

残り10分、日本代表は何度かゴール前でチャンスを得たが、相手の粘り強いディフェンスの前に得点を重ねることができず、そのまま13-19でノーサイドを迎えた。日本代表は初戦に続き惜敗したが、7点差以内の敗戦でボーナスポイント1を得た。

スコットランド代表のイーソンHCは「良い勝利ではあるが、自分たちが掲げた基準には達していない。もっと良いパフォーマンスができるはずだが、選手たちを称賛したい。彼女たちは最後まで諦めず、来週のオーストラリア代表戦に望みをつないでくれた。今日の試合を振り返って、来週に向けて準備したい」と最終戦を見据えた。

疲れた表情を見せていたキャプテンFLマルコムは、「どちらに転んでもおかしくなかった。何度も対戦しているが、今日の日本代表のプレーは、間違いなく過去、最高のパフォーマンスだった。それでも勝利を手にした選手たちを誇りに思う」と話した。

ラインブレークするCTB古田真菜

善戦したものの、勝利を手にすることができなかった日本代表のマッケンジーHC「本当に集中した、献身的なパフォーマンスをした、彼女たちの努力とパフォーマンスを誇らしく思います。選手たちは昨年のスコットランド代表戦(7-38)からどのように成長したかを示した」。

「私たちにとって本当に良い試金石となった。強度も上がり、セットプレーやコンタクトの面で、試合の流れを変えるようなエリアでは、私たちはより大きな影響力を発揮できるようになった。ウェールズ代表との試合がもう1つ残っているすが、楽しみにしている」と終始選手を称えていた。

トライを挙げたFL長田キャプテンは、「ディフェンス面では前に上がれていたので継続していきたいが、失トライは自分たちのミスからだったので、修正していきたい。アタックでは、相手のプレッシャーを受けた部分もあったが、耐えて攻撃できたところはポジティブなところだと思う。自分たちのミスでボールを失う場面が多かったので、次に向けて修正したい」と振り返った。

攻撃をリードしたSH津久井は、「(昨年と比べて)しっかりキックを使って、ポゼッションを取れたところが成長的できたところ」と言えば、セットプレーを引っ張ったHO公家は「今日の試合はセットプレーを大事にして、そこからプレッシャーをかけられたことは、自分自身やFW全体として成長できた点だと思う」と話した。

2戦連続で惜敗したものの、昨年に比べて大きく成長した姿を見せたサクラフィフティーン。世界的強豪のハイプレッシャーの中で、ゴール前の精度をもう少し高めれば勝つチャンスは十分にあった試合だった。

2連敗したが総勝ち点3で6チーム中5位につけている日本代表は、10月11日(金)の最終戦で、オーストラリア代表、イタリア代表に連敗し、6位のウェールズ代表と対戦して、今大会、初勝利を目指す。

文:斉藤健仁/写真:(C)JRFU

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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