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ともに今季が創部100周年。節目のシーズンを戦っている。
関東大学対抗戦の開幕からそれぞれ2試合を戦って、筑波大は2勝、青山学院大は2敗。両校が9月29日(日)に秩父宮ラグビー場で対峙する一戦は、ともに今季中盤戦に続く戦いとなる。
筑波大は前節の立教大戦に29-23のスコアで勝ったものの、10点を先行される展開で、前半は14-13と互角だった。
トライ数は相手の2つに対して4つも、反則が多く、3PGを決められて差を広げられなかった。
先に得点を許したことでリズムが崩れた一戦。その80分を振り返り、WTB中野真太郎主将は、自分たちのラグビーを出せなかった理由について「先行されたことで焦りが出た。それがミスを呼んだと思っています」と話した。
「いつもはしないところで(無理に)つないだり、判断を間違ったりしてしまいました」と続け、相手につけ入るスキを与えたことを悔やみ、その反省点を青山学院戦に生かしたいとした。
同主将は、上位校戦う時と、それ以外の学校との対戦時に気持ちの違いがあってはいけないとあらためて気を引きしめる。
「相手がどこであっても、準備も、試合中のパフォーマンスも、同じクオリティーでプレーしないといけないと思います。そうでないと、対抗戦の中で成長し、そのあとの(全国大学)勝選手権で勝利するのは難しくなる」
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対抗戦での戦いについて、「どのチームも、相手の強みを出せず、自分たちの力を出すための準備をきっちりしてきます」と言った。
「なので、自分たちの武器であるラインアウトとBKのアタックをどう出していくか、しっかり準備して戦いたい」
スコアでも内容でも圧倒しないと、シーズン終盤に充実が訪れることはないと肝に銘じていた。
その点は、嶋崎達也監督も同じ意見だ。
立教大戦について「一つひとつのプレーを見た時に、そこまで悪かったかというと、そうでもない。フィニッシュや、小さなところがうまくいっていなかった」とし、「相手の力を出させない準備をしてきた相手の策にハマると、ああなってしまう」と話した。
大事なことは、実際のゲームの中でどうスコアするか、どうリズムを作っていくか。
状況に適応し、スマートに戦うことをやっていかないとした。
青山学院戦では、立教大戦のメンバー23人は変わらないが、前戦では先発したSH井上達木がベンチスタートとなり、21番だった高橋佑太朗が先発へ。WTB中野主将が23番のジャージーを着て、23番だった大畑亮太が11番に入った。
ゲームキャプテンはCTB堀日向太。それぞれが1週間前と同じ轍を踏まぬマインドで戦いに挑む。
対する青山学院は、前戦の帝京大戦に5-40と敗れるも、前半は5-14と健闘した。
抗える時間をもっと長くして、勝負を終盤に持ち込みたいところだ。
今季のスローガンを「徹底」としている。上位校のように、豊富な才能に恵まれたチームではない。CTB河村凌馬主将はシーズン前、「一体感を持って戦いたい」と話した。
やるべきことを80分間徹底して勝利を引き寄せるイメージだ。
健闘した帝京大戦の前半は、前へ出るディフェンスを貫いて赤いジャージーを必死に止めた。
そしてボールを手にすれば、SO青沼駿昌が積極的にボールをワイドに動かした。
意思統一された攻守があったから戦えた時間が長かった。
奪ったトライも、サイドチェンジからショートパントを蹴り、自らそのボールを手にした青沼の動きに周囲が反応したから生まれた。
特に後半、前半は奮闘していたスクラムが圧力を受けてしまい思うようなスタイルを出せなくなったが、セットプレーで互角に戦えれば果敢に戦える時間も長くなるだろう。
FL八尋祥吾のしつこく、激しいタックルは、どんな試合でもかわらない。
小柄な7番の動きを追い続けて見ても楽しい。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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