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服部 亮太(早稲田大学)
メンバー最年少18歳のルーキーが能力を示した。
春季大会は出場のなかった期待のルーキーが9月22日(日)、関東大学対抗戦の2戦目、日本体育大学戦で初先発。スクール同期で佐賀工でもハーフ団を組んだ筑波大学のルーキーSH井上達木も同日、立教大学戦(29-23)で奇しくも対抗戦初先発を飾った。
秩父宮で12時30分にキックオフされたデイ・ゲームで、チャレンジャーとなる1敗の日体大は序盤、相手ノックオンとスクラム・ペナルティで敵陣に入った。
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しかし日体大は敵陣での大事な攻撃機会でノックオン。日体大はこの日ハンドリングエラーやラインアウトのミスなどで得点機をモノにできなかった。
一方の早稲田大は前半3分。
二十歳の日本代表、早稲田大のFB矢崎由高が、蹴ったハイパントをみずから捕球。ここから敵陣に居座ると、モールは仕留め損ねたがCTB福島秀法の突破&オフロードからハードワーカーのFL田中勇成が先制トライ(前半6分)を決めた。
ルーキー司令塔がじわり存在感を発揮したのはここからだ。
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フェーズ内での10回目のボールタッチではパスが乱れたSO服部だが、直後の前半9分。
かつてロングキックは横回転をかけるスクリューキックが主流だったが、蹴り損じのリスクが大きい等の理由から縦回転のキックにとってかわられた。
18歳の服部はそのスクリューキックにミスがなく、5、60mの飛距離が出る。前半9分には自陣から特大のスクリューキックを敵陣22mライン付近に落とした。
さらに、日体大HO萩原一平主将のジャッカルからピンチとなったが相手ミスでしのいだ前半11分、自陣ゴールライン付近から60m超のスクリューキック。秩父宮に拍手が起こった。
さらにCTB野中健吾をファーストレシーバーとした前半12分、SO服部が利き足でない左足で左コーナーへグラバーキック。このラックを制圧してボールを奪うとPR杉本安伊朗が振り戻しのキャリーで2本目。リードを14点に広げた。
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【ハイライト動画】日本体育大学 vs. 早稲田大学
矢崎由高(早稲田大学)
同様のキック&ラック制圧から3本目(前半16分)を奪ったアカクロ軍団。FB矢崎の安定したハインパント処理もありキックゲームから効率的に敵陣に入る。
そして前半22分にはSO服部の対抗戦初トライが生まれる。
敵陣ラインアウト攻撃からSH細矢聖樹と共に小気味よくテンポを刻む。FWユニットの裏・表で多彩な攻撃をくりだすと、SO服部が8フェーズ目で間隙をみつけてラインブレイク&トライ。先発デビュー戦とは思えぬ落ち着きで、キック、ラン、パスなど自在に能力を発揮した。
日体大もFL家登正旺のジャッカル、WTBトアニトニ・キオカタの落球を誘う好タックルなど守備で魅せるが、30分過ぎから一時拮抗していたスクラムで早稲田大の優勢が色濃くなった。
キックゲーム、セットプレーで劣勢の日体大は、早稲田大のミスのない展開攻撃の前にさらに3トライを浴び、前半を0-45で終えた。
防戦一方となった日体大だが、エナジーは落ちなかった。
後半3分には早稲田大FB矢崎のパスからCTB福島が突破。ここから1トライを浴びたが、日体大NO8岡部義大は献身的なカバー・ディフェンスをみせ、リスタート後にLOテビタ・タラキハアモアはチーム3本目のジャッカルで雄叫びをあげた。
また日体大はこの日、ラックで不要な反則を犯さないクリーンなファイトも光った。大敗チームはペナルティ数が増える傾向にあるが、この日の日体大のPK数は「5」。早稲田大の「8」より少なかった。
日体大はアタックでも後半12分、50点ビハインドの状況で敵陣22m内アタックを仕掛けた。
しかし9フェーズ目でノックオン。アカクロ軍団の的確なタックルからの守備構築という好循環を打ち破れなかった。
後半の早稲田大は、FL適性もある先発HO安恒直人、途中出場のPR新井瑛大を入れたスクラムがいよいよ優勢に。盤石セットプレーから2トライを加えた後半29分にはFB矢崎がこの日初トライ。スコアは71-0に広がった。
両軍ミスが増えてくる最終盤で、流石の安定感でさらに2トライを呼び込んだのがCTB起用だった野中健吾だ。
後半35分には敵陣スクラム2次攻撃目でファーストレシーバーとなり、的確なチップキックをインゴールへ転がした。同40分にはラン選択で突破し、WTB田中健想の2連続・この日5トライ目を演出した。
安定したセットプレーから決定力あるバックスが躍動した早稲田大。前後半13トライで83-0で対抗戦2連勝。ルーキーSO服部は鮮烈な初先発デビューとなった。
これで2連敗となった日体大は、中5日で9月28日(土)に2勝の明治大学と対戦する正念場を迎える。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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