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ラグビー コラム 2024年9月21日

京都産業大学、関西4連覇とさらにその先を目指す戦いがスタート。ラグビー関西大学リーグ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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廣瀬佳司監督

関東に続いて、9月22日(日)からラグビー関西大学リーグが開幕する。優勝候補は何といっても3年連続の関西王者で、大学選手権ベスト4の京都産業大学だ。20日(金)、開幕を2日後に控え、2021年から指揮官を務めている元日本代表SOで、大学OBの廣瀬佳司監督が報道陣に対応した。

ラグビー 関西大学リーグ2024

昨シーズン、10度目の準決勝で敗戦し、大学選手権ベスト4に終わった京都産業大学。4シーズン目の廣瀬監督はCTB(センター)/FB(フルバック)辻野隼大、LO(ロック)ソロモネ・フナキ(ともに4年)の2人をキャプテンに指名した。

共同キャプテンのLOフナキ(左)とCTB辻野

「どっちもキャプテンシーがあり、ちょっと決めかねていて、それだったらポジションもFW(フォワード)とBK(バックス)なので、2人でいいんじゃないかという感じです」と廣瀬監督。

共同キャプテンのメリットに関して監督は、「ラグビーのキャプテンはすごく負荷が高く、しかもケガのリスクもある。幸い今年は2人いたので、お互い役割分担して、負荷を分散させることができる」とも話した。

昨季の国立競技場を経験している選手も多かった京都産業大学は、5月に天理大学に快勝すると、関西大学春季トーナメントで、同志社大学、近畿大学、関西学院大学に危なげなく勝利して優勝を飾った。また、夏の菅平合宿では、明治大学に31-48で敗戦し、東海大学には35-35でドロー、慶應義塾大学には40-26で勝利した。

廣瀬監督は「明治大学にはいい試合がしたくて、しっかり準備していったのですが、走られて、スクラムを押されて完敗した。そこからもう1回、京産らしさを取り戻そうとして、東海大学には引き分けで、慶応義塾大学には勝ち切ってくれました。だが、課題がすごく出た合宿で、ある意味良かったと思っている」と振り返った。

菅平合宿の反省点を踏まえて、もう一度、セットプレーを見直すこと、フィジカルを鍛えること、チームとして結束することを課題に挙げて、開幕までの3週間、京都に戻ってチームを仕上げてきたという。

指導する廣瀬監督

また、夏合宿ではボールを動かすことにもチャレンジした。それは昨シーズンの大学選手権準決勝からの反省からだった。「フィジカルで前に出られないときに、京都産業大学の殻を破って、いろんなオプションを増やしておきたい」という意図からだった。

その上で、ボールを動かす10番として、開幕の同志社大学戦で10番を背負うのは「タックルが強く、前が見える」というSO(スタンドオフ)尾崎恵大(3年)だった。

開幕戦でFB(フルバック)で先発する那須貴大(3年)、ロングキッカーの吉本大悟(3年)と、3年生の3人で競わせる方針だという。そしてケガ人の関係で、キックも長けている辻野共同キャプテンがFBではなくインサイドCTB(センター)となった。

正9番争いも同様で、春から夏にかけて日本代表やU20日本代表活動に参加したSH(スクラムハーフ)土永旭(4年)、高木城治村田大和(ともに2年)の3人を競わせており、開幕戦では「一番調子の良い」土永が先発し、高木が控えとなった。

FLで先発する石橋 チューカと、初先発のPR八田 優太

また、廣瀬監督が今シーズン、推している成長株としてはPR(プロップ)八田優太、フィジー出身のWTB(ウイング)ナブラギ・エロニ(ともに2年)だ。2人とも開幕戦から先発する。

特に八田に関して監督は「(U20日本代表で)身体も大きくなって成長して帰ってきてくれた。ポテンシャルはもともとあったし、ジェネラルプレーは非常にいいものを持っている。スクラムも組めるようになってきた」と期待を寄せた。

指揮官に就任して4年目となった廣瀬監督だが、指導面では「変えていません」と強調しており、自身がアタック、元日本代表CTB(センター)元木由起雄GM(ゼネラルマネージャー)がディフェンスを担当していることは変わらない。

田倉政憲FWコーチ

ただ、大きく変わったのが、主にスクラムを担当していた元日本代表の田倉政憲FWコーチが、今シーズンから週末だけでなく、フルタイムのコーチに就任したことだ。朝のフィジカルトレーニングから田倉コーチが練習場に来て、廣瀬監督は「ガンガン鍛えてくれています」と目を細める。

もちろん、田倉コーチはFW、モールも担当しており、練習時間こそ伸びていないが、練習の質は大きく向上したという。「特にスクラムは専門性が高いので、平日に学生だけで練習すると、馴れ合いみたいなスクラムしか組めなかったのですが、スクラムを見てくれる田倉コーチがフルタイムになったのは非常にありがたいですね」。

今年は関西リーグ4連覇だけでなく、大学選手権初優勝を狙える人材が揃っていると言えるが、廣瀬監督は「もちろんトップを狙いたいが、あまり先を見ずにいきたい。まずは関西で絶対に4連覇したい」と語気を強めた。

「夏合宿で課題が多く出たので『もっとやらなあかん』という感じにはなっている。関西も近畿大学関西学院大学天理大学は夏合宿で関東の大学と良い試合をしていた。他の大学の方が、春から伸びているという危機感はすごくあるので、『日本一、日本一』と言ってられへんな、というところが正直ある」。

改めて、今シーズンはどんなラグビーをしたいかと聞くと、廣瀬監督は「京産大らしく、泥臭くひたむきにFWでガツガツ前にいって、プレッシャーかけるようなラグビーをしたい。セットプレー、接点で制圧したい。相手も必死でタックルに来ると思うが、そこを負けずに京産大らしいラグビーが展開できれば」と先を見据えた。

最後に、今シーズンの目標を聞くと廣瀬監督は、「目標は高く掲げますが、関西リーグはどの試合も厳しい試合ばっかりになると思うので、一戦一戦しっかりと京産大らしく、全試合戦っていきたい。そして、関西リーグを戦っていく中でチーム力を上げて、大学選手権で日本一を目指すぞっ、と言って乗り込みたいと思う」と腕を撫した。

昨年は全勝で関西を制した京都産業大学。今年も一戦必勝でまずは関西リーグで4連覇を達成することが第一関門となろう。そして関西王者として、大学選手権に挑んで今シーズンこそ決勝に進出し日本一にチャレンジしたい。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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