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ラグビー コラム 2024年9月13日

ワールドカップベスト8のフィジー代表にアメリカ代表がチャレンジ。パシフィックネーションズカップ準決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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フィジー代表 vs. アメリカ代表

8月23日に開幕した「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024」(PNC)は9月14日(土)15日(日)から、トーナメント形式のファイナルシリーズを迎える。

プールBの日本代表(世界ランキング14位)は、カナダ代表(22位)、アメリカ代表(19位)を下して、15日(日)にサモア代表(13位)と準決勝を戦う。もう1つの準決勝は、前日の14日(土)に東京・秩父宮ラグビー場で行われ、プールAのフィジー代表(10位)とアメリカ代表(19位)が対戦する。

パシフィックネーションズカップ2024

昨年のワールドカップフランス大会でベスト8に進出し、今大会で最も世界ランキングが上位のフィジー代表。今大会では、プールAに入り、初戦でサモア代表を42-16、トンガ代表(16位)を50-19と退けて、プール首位で準決勝に駒を進めた。

今年から「フライング・フィジアン」を率いるのは、フィジアン・ドゥルアを指揮していたオーストラリア出身のミック・バーンHC(ヘッドコーチ)だ。日本代表やオールブラックスでもコーチをしていたことで知られる。そんなフィジー代表は、サモア代表戦からFW(フォワード)2名、BK(バックス)1名の先発を入れ替えた。

フィジー代表

FW第1列に変更はなく、HO(フッカー)はキャプテンのテヴィタ・イカニヴェレ。PR(プロップ)はイングランドのサラセンズに在籍しており、ワールドカップにも出場したエロニ・マウイと、アメリカでプレー経験のあるサム・タワケの3人。

LO(ロック)は4番が21歳のメサケ・ヴォセヴォセから、オーストラリア生まれのイソア・ナシラシラに替わり、ヨーロッパでプレー経験の豊富なテモ・マヤナヴァヌアとコンビを組む。

FL(フランカー)は元7人制フィジー代表で、東京オリンピックの金メダリストのメリ・デレナランギと、エリア・カナカイヴァタがNO8(ナンバーエイト)に移動し、7番には今大会で3トライを挙げているキティオネ・サラワが入り、ベテランのアルバート・トゥイスエがベンチに下がった。

BKは2019年ワールドカップメンバーのSH(スクラムハーフ)フランク・ロマニ、ニュージーランド生まれのSO(スタンドオフ)ケイリブ・マンツのハーフ団が引き続き先発する。

CTB(センター)は、前の試合でレッドカードとなったアドレア・ソカギに替わり、フランスのラシン92でプレー経験のあるイニア・タブアヴォウが12番に入り、7人制フィジー代表経験があり、3トライを挙げている13番のイオセフォ・マシとコンビを組む。

WTB(ウイング)はエペリ・モモと、リーグラグビー出身のヴアテ・カラワレヴ。今年代表デビューを果たした20歳のFB(フルバック)アイサイア・アームストロング ラヴラは引き続き先発する。

バーンHCは「サモア戦、トンガ戦を見ても、我々は相手にプレッシャーを受けても得点力があるチームだし、フィットネスの高さもあると思っている。ディフェンスにはまだ課題があるものの、一貫して前に出続け、プレッシャーをかけ続けようとしている」。

「それは選手たちにとっては楽なことではないが、ハードワークし続ければよくなっていくと思う。しかし、戦う相手は毎回違うし、今週に関してはディフェンスが我々にとって大きなチャレンジになるだろう。よりフィジカルな試合になるだろうし、しっかりとタックルを成功させないといけない」と語った。

アタック力に定評のあるフィジー代表としては、ボールを保持することができれば、それだけチャンスを生むことができるだろう。特に近年、力が上がっているFWのセットプレーで互角に戦い、決定力のあるランナーが揃うBK陣に良いボールが供給できてトライを奪うことができるだろう。

一方、プールB初戦でカナダ代表に28-15と勝ったものの、先週、2戦目熊谷で日本代表に24-41で敗れて2位となった「イーグルス」こと、アメリカ代表。スコット・ローレンスHCは、日本代表戦からFW3名、BK3名の先発を変えてきた。

アメリカ代表

FWを見ると、フロントローは両PRがジャック・イスカロー、アレックス・モーガンの2人は変わらないが、HOはケペリー・ピフェレッティが控えに回り、先週デビューした元アイルランドU20代表のショーン・マクナルティーが先発に上がった。LOはキャプテンのグレッグ・ピーターソンがベンチに下がり、ジェイソン・ダムがビリアミー・へルーとコンビを組む。

バックローはFLパディ・ライアンとコーリー・ダニエルが引き続き先発するが、NO8はオーストラリア出身で、日本の栗田工業でプレーしたこともあるジェイムセン・ファナーナ・ショルツから、トンガにルーツを持つイングランド生まれのトーマス・トゥーアバオに替わった。

BKは南アフリカ生まれでアメリカ育ちのSHルーベン・ダハースは2戦連続の先発となるが、SOはルーク・カーティが欠場し、クリス・マッティーナがスターターとなりハーフ団を形成する。

CTBは元イタリア代表で父方の祖父の出身であるアメリカ代表に変更したトンマーゾ・ボーニはメンバー外となり、ドミニク・ビーサッグがタビテ・ロペティとコンビを組む。

WTBはゲームキャプテンを務める45キャップのベテランWTBネイト・オウグスバーガーと、コーナー・ムーニハムが引き続き先発に入り、FBはミッチ・ウィルソンから元7人制ウェールズ代表で、この試合が15人制アメリカ代表初キャップとなるトビー・フリッカーに代わった。

また、ベンチにはこの夏U20アメリカ代表としてプレーした大学生のSOランド・サントスが初キャップをうかがっている。

ローレンスHCは、「私たちが選手たちに求めているのは、一貫性とパフォーマンスであり、それは私たちがキャンペーンの重要な要素としている3つの柱、すなわち規律、つまりテストマッチのプレッシャーに耐えられるかどうか、肉体的な強さ、そしてボールを扱う勇気であるかどうかにかかっている」。

「ゲームプランは変わらないが、リードしているとき、あるいはビハインドでプレーしているときに実行できることをいくつか用意した。今週も強力なベンチを選んだ。カナダ代表戦と日本代表戦では、ベンチメンバーのパフォーマンスが18%から41%に上がった。だからこの部分をまた向上させたい」と意気込んでいる。

アメリカ代表としては日本代表戦同様に、スクラムとラインアウトからのモールといったセットプレーでプレッシャーをかけたい。またハーフ団からのキック後は、しっかり相手にカウンターアタックを許さないよう、プレッシャーをかけていきたい。

アメリカ代表とフィジー代表が対戦するのは実に10年ぶりで、2014年、フランスのヴァンヌで行われたのが最後のテストマッチで、この時はフィジー代表が20-14で接戦を制している。この試合では現在キャプテンを務めるLOピーターソンが先発しており、アメリカ代表メンバーで唯一フィジー代表と対戦した経験を持つ。

すでに2027年ワールドカップ出場を決めているフィジー代表に、2031年にワールドカップ開催を控えるアメリカ代表がチャレンジする構図となることは間違いないだろう。

FW、BK関係なく、オフロードパスを変幻自在につなぐフィジー代表か、セットプレーとフィジカルに強みをもつアメリカ代表か。ファイナル進出をかけた準決勝は、9月14日(土)午後7:05、東京・秩父宮ラグビー場でキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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