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2度目のV4を狙う王者が、白星スタートを切った。
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ボール投入は王者・帝京。ここで息のあったプッシュで日体大スクラムを崩した帝京大は、重要なファーストスクラムでペナルティを奪ってみせる。
このスクラムPKを端緒に敵陣侵入。ここで武器のモールにこだわり、HO知念優来が先制トライ。キッカーCTB上田倭士のコンバージョンも成功した。
帝京大は直後、自陣からワイド展開をくりひろげる。折り返しでLO本橋拓馬が大きなストライドで突破し、会場がどよめく。
しかし日体大もNO8岡部義大が抜けた相手に飛び込んで手をかけるなど粘り強い。すると日体大はロングキックのチェイスから敵陣ラインアウトの機会を得る。
このアタックで、帝京大がラインオフサイド。日体大のSO五味侑也が前半11分、着実にペナルティゴールで3点を返した。
しかし4分後だった。
日体大が自陣ディフェンス時でノットロール・アウェイ。ゴール前に進んだ帝京大は、SH上村樹輝がFWユニットのいないショートサイドに配球。ここでCTB上田倭士が突破から2トライ目。
モールだった先制トライとは違うパターンで2本目を奪い(ゴール失敗)、開始15分で12-3とリードを広げた。
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この日の帝京大はセットプレーが盤石だった。スクラムだけでなく、FL青木恵斗主将が競った前半20分のラインアウトDFなど、自陣ピンチでのセットプレーも堅調だった。
だが日体大の守備プレッシャーもあって約15分間トライはなく、帝京大に3トライ目が生まれない。
が、均衡は前半29分に崩れた。
日体大が中盤でキックチャージ。これを再獲得した帝京大は、的確にスペースを突いたWTB生田弦己が快走。縦突進からの展開でFB神田陸斗が3本目を仕留めた。
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【ハイライト動画】日本体育大学 vs. 帝京大学
ここからフィジカルの優位が鮮明になる。前半34分には敵陣スクラムからの3フェーズ目でLO本橋が突進から4本目。ルーキーFL福田大和のジャッカルから前進&PK速攻で、大分東明出身のNO8カイサ・ダウナカマカマがインゴールへ。
前半5本のトライで、31-3で試合を折り返した。
すると後半開始直後だ。
帝京大学の矜持が全開だった。
ラインアウトから順目にFW陣が4連続キャリー。NO8カイサ・ダウナカマカマ、LO本橋拓馬、FL福田大和、HO知念優来。
風下に立った日体大も激しく抵抗。途中出場組の藤田幹太、原田来紀らが鋭く刺さる。一度は押し込んだが、帝京大は1年生SO福田正武がランから突破を創出。PR森山飛翔がストレートランで、後半1本目を、強引に奪ってみせた。
日体大はロングキック選択が50:22で戻されるなど、前半からのキック戦略が裏目に出る場面が散見され、なかなかボール保持率を高められない。
逆に帝京大はモールなどで3連続トライ(後半8、17、27分)。リードを50点(53-3)の大台に乗せる。しかし日体大も闘志は失わなかった。
後半27分には相手の自陣脱出キックを途中出場の家登正旺がチャージ。ここから敵陣22m内の自軍投入スクラムのチャンスを得た。
ここで押されながらもボールキープ。FW陣が近場攻撃を重ねると、途中出場した岡谷工業出身の19歳、ラコマイソソイマニエルがドロップゴール。約25mのHポールを見事に通し、後半最初のスコア3点を奪った。
日体大はSH伏見永城が身長差約20cmの帝京大FL青木主将に捨て身のタックルを放ち、ノックオンを誘う場面もあった。
しかし帝京大は、勝利濃厚ながら最終盤まで攻撃マインドを維持。後半41分にはスクラムプッシュで相手FWの出足を遅らせ、そのギャップを突いたCTB上田がスコア。後半44分に中盤からの突破をWTB生田が締め、後半6トライ目。
帝京大は風上に立った後半、前半の31得点を上回る6トライ36得点。スクラムは終始優勢でラインアウトの正確性、ディフェンスも光った。
一方でラストプレーがパスミスで終わるなど連携ミスも散見。アタック精度などに向上の余地を残した。
一方でペナルティも相手9回に対し、帝京大はわずか6回。相手をノートライに封じる67-6の完勝で、2024年の対抗戦で好スタートを切った。
1敗の日体大は9月22日(日)の早稲田大学戦で今季初トライ、初勝利を奪いたい。まず1勝を挙げた帝京大は同22日、森エンジニアリング桐生スタジアム(群馬県桐生市)で、青山学院大学との2戦目が待ちうける。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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