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ラグビー コラム 2024年9月6日

代表組も戻り、急ピッチで組織力高める明大。青学大は100周年に全国8強狙う

ラグビーレポート by 田村一博
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昨季は頂点にもう一歩届かなかった明大と、今年創部100周年を迎えた青学大。両チームが、9月8日(日)に月寒(北海道・札幌)で戦う。

それぞれにとって関東大学対抗戦Aにおける今季の初戦は、ただの1試合とは違う。目指すところへ到達するために重要な80分だ。
自分たちが今季をどう戦うのか、スタイルを示す場でもある。

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全国大学選手権の決勝で帝京大に敗れ、準優勝に終わった明大は、今季のスローガンを『奪還』とした。
100周年という節目の年だった昨季は日本一を逃した。それを必ず手にするため、6季ぶりに覇権を取り戻すことを誓う。

開幕戦でNO8に入った木戸大士郎主将は、その試合について、「自分たちにフォーカスして戦う」と話す。
「これまで何をやってきたのか。これから何をやりたいのか。それらを全員で確認し合いながら戦いたい」とした。

今季のチームの強みに関しては「戦いながらあらためて作っていきたい」としながらも、「明治ラグビーの心臓であるスクラムにはこだわりたいし、展開力のあるバックスの力も見せたい。『前へ』という言葉は、当然、大事にします。その基本は忘れずに全力で戦う」と力を込める。

夏の菅平では筑波大天理大、帝京大に敗れ、勝ったのは京産大だけだった。
しかし、キャプテンは試合ごとにチーム力が高まっていると感じた。

「アタックでは新しいことに取り組んでいます。菅平でも初戦はあまり噛み合いませんでしたが、負けた天理戦でも多くのことが改善されていました。ディフェンスも同じように整ってきている。最初はスキャンできていなかった(前を見ることができていなかった)。でも試合をするごとに、攻守ともに良くなっています」

春シーズンは個々の力を伸ばすことに力を注いだ。
その地力が、夏から始めたチーム戦術の熟成の際に生かされている。シーズンの深まりとともに、太くした芯の太さが、相手に圧力をかけることになるだろう。

チームの進むべき道がぶれないように、まずは自分が明確にプレーしたいと話す木戸主将は、昨年のファイナルで帝京大に敗れた理由のひとつにオフ・ザ・ボールの動きを挙げる。
その領域を高める意識改革と準備を積んできた。開幕戦から遂行力の高いパフォーマンスを見せる。

日本代表やU20代表に選ばれていた選手たちもチームにもどり、彼らが持つ才能は、組織力の高まりとともに存分に発揮されそうだ。
主将は、「一戦一戦自信を深めていきたい」と、足元を見つめて着実に前に出るつもりだ。

 

一方の青学大は節目の100周年イヤーに、「全国ベスト8」の目標を立ててシーズンに臨む。
過去にない高みにターゲットを掲げた理由を河村凌馬主将は、「4年生たちで話し合い、(部で)これまでやったことがない目標を目指そうと決めました」と話す。
春から積み上げてきたものをさらにブラッシュアップさせて勝負に挑もうとしている。

地道に積み上げてきたのはブレイクダウンエリアのプレーだ。攻守ともその周辺で相手を上回れば、用意してきたアタックストラクチャーもうまくいくと考える。

「ディフェンスも同じだと思います。相手の動くスペース、考える時間を奪うように守りたいと思っているので、全員で体を張ったプレーをし続けるつもりです」と頼もしい。

10番も12番もできる河村主将は、今季はインサイドCTBでチームを束ねることになりそうだ。
開幕戦で10番を背負う同期、青沼駿昌のゲームコントロール能力を信頼している。

チームの武器であるディフェンスでも先頭に立ちたいと言う主将は、「初戦で結果を残したい。チームに勢いを生んで、シーズンを通して自分たちのスタイルを見せ続ける流れを作りたいですね」。
乾坤一擲の戦いを見せる。

両チームとも照準を絞り、ベストコンディションで臨むのが開幕戦。面白くて熱いのは当たり前だ。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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