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ラグビー コラム 2024年9月1日

ワーナー・ディアンズとファウルア・マキシ、FWの要の2人がアメリカ戦に向け意気込みを語る。パシフィックネーションズカップ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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マキシ(左)とワーナー(右)

「アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024」(PNC)が始まり、ラグビー日本代表は8月25日、アウェイでカナダ代表を55-28(前半38-7)で下して白星スタートを切った。

短いオフを挟み、エディー・ジャパンは9月6日(土)、埼玉・熊谷ラグビー場で行われるアメリカ代表戦の準備を始めている。台風の影響は飛行機が少し遅れた以外、ほとんどなかったようで、スタッフ、選手たちが再び宮崎に合流し、9月1日から本格的なトレーニングを行っているという。

9月1日、練習の合間に、ラインアウトでサインを出しているLO(ロック)ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)と、NO8(ナンバーエイト)ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がオンラインで報道陣に対応した。2人は6月からのテストマッチ4戦全てに先発しており、FW(フォワード)の中心選手である。

ラインアウトでコーラーを務めるワーナー

カナダ代表戦で2トライを挙げてPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いたLOワーナーは、まだ時差ボケで「ちょっと眠い」と笑顔を見せた。「カナダから帰って来た方が辛かった。カナダに行くときは上手くコントロールできたが、帰ったときは疲れもあって上手くできなかった。オフはちょっと身体を動かしていて、あまり激しいトレーニングはしないが、ゆっくりした」と話した。

初戦のカナダ代表戦は「超速ラグビー」を見せて、前半30までに5トライを連取し38-0とリードしたが、その後は相手に攻め込まれたシーンも目立った。

その試合を振り返ってワーナーは、「最初の30分はミスも少なく、自分たちの超速のアタックができていた。ディフェンスでもターンオーバーができて、そこからのアタックができていたと思う」。

「その後、疲れてくるとミスが起きたり、規律のところでペナルティをしたりとちょっと緩くなって、カナダがチャンスを掴んでアタックをしてきた。後半、自分たちのやりたいラグビーができなかった」と悔しそうな表情を見せた。

接点で強さを見せるマキシ

マキシも「たくさんの良いイメージもあったが課題も出た。前半は自分たちの超速ラグビーが見えた。(前半30分以降)自分たちの小さいミスやハンドリングエラーでゲインされたり、自陣まで持ってこられたりした。それが課題で、なくしたらもっと良い試合になる」と先を見据えた。

マキシはワールドカップシーズンだの昨年も日本代表に選出されていたが、スコッドに入れず、悔しい思いをした。ただ、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は「チームで一番のNO8。世界トップクラスの選手になれる」と期待を寄せている。

トンガ出身だが、高校、大学、その後も日本で過ごし、日本語もペラペラのマキシは「自分に何が足りないか、何が上手くいっていないかと見直して、トレーニングやリーグワンでも自分らしくプレーして、自分の強みを練習中から出していけばチャンスは絶対来る」と思っていたという。

エディー・ジャパンでは中心選手として躍動しているバックローは「全然満足はしない。まだまだ自分自身は上を目指していける。80分通してボールキャリーをたくさんやって、ちょっとでもチームのゲインラインを前に出したい。ディフェンスでも、タックルで相手のゲインラインを止めて、チームにエナジーを伝えていきたい。80分間を通して働き続けることがゴール」と前を向いた。

15キャップを数えるディアンズ

まだ22歳だが、ワールドカップにも出場し、すでに15キャップとFWの中では経験値が高いワーナーは、ラインアウトのサインを出すコーラーで、アタックのリーダーの1人を務めている。

ラインアウトに関しては、「イタリア戦はラインアウトの回数が多くなって、ミスも出た。カナダ戦では自分たちのやりたいラインアウトにフォーカスしてやった。今後もスピードと一番高さが出せるジャンプと、リフトにフォーカスしていきたい」と話した

また、リーダーの1人としてワーナーは「あまり喋る方ではない。リーダーでやっていることはラインアウトくらい。自分のプレーでチームメイトを引っ張っていくリーダーになりたい。ちょっとずつボールキャリーが良くなってきているし、アタックも良くなってきている。一貫性を持って毎試合、良いボールキャリー、タックルができるように頑張りたい」と話した。

アサヒスーパードライ ラグビーパシフィックネーションズカップ 2024

【ハイライト動画】カナダ vs. 日本|超速ラグビーを見せた日本が8トライで勝利

PNCの初戦を迎えたアメリカ代表は9月1日、ホームでカナダ代表に28-15で勝利した。そのアメリカ代表の印象を聞かれて、ワーナーは「ラインアウトでは相手が大きいのでスピードで勝負したい」。

「FWは絶対、コンタクトエリアで勝負してくると思うので、カナダ代表戦で最初の20分が上手くできたように、最初の20分、フィジカルを自分たちが出して、相手を超えるというようなマインドセットが大事」と語気を強めた。

オンライン会見中のマキシ

マキシも「アメリカ代表は身体も大きいし、フィジカルも強い。フィジカルバトル、超速ラグビー、ハードワークを今週の試合で出せれば勝てると思う。準備が大事なので、1日1日のトレーニングを全員でやっていきたい」と意気込んだ。

PNCの第2戦目となるアメリカ代表戦は9月6日(土)、熊谷ラグビー場で午後7:05にキックオフされる。ワーナーはアタックとラインアウト、マキシはボールキャリーとハードワークでチームの勝利に貢献する。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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