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レイドローHC(左)と飯沼蓮キャプテン
8月28日(水)、千葉・浦安市にある『シネマ イクスピアリ』で、リーグワン・ディビジョン1に昇格した浦安D-Rocksが、グレイグ・レイドローHC(ヘッドコーチ)の就任会見を開いた。
スコットランド代表76キャップを誇る世界的なSH(スクラムハーフ)だったレイドローHCは、ワールドカップに2度出場した後、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスと、浦安D-Rocksで計3シーズンプレーし引退。そして、昨季はそのままチームに残り、浦安でアシスタントコーチを務め、今季からHCに昇格した。
冒頭、内山浩文GD(ゼネラルディレクター)が、ディシジョン1に昇格した今季のチーム強化のテーマを、「D-Rocks Journey ~We are D-Rocks~」と掲げ、「みなさんと一緒に旅に参加してほしい。これから強くなっていくD-Rockのプロセスを旅で楽しんでほしい。新しい強化策、ラグビーにチャレンジしていきたい」と話した。
レイドローHCをコーチから昇格させた経緯に関して、内山GDは「昨季、レイドローHCはコーチとして、特に順位決定トーナメント、入替戦でチームを仕上げたことはとても評価できる」。
「ヨハン・アッカーマン前HCのフィロソフィーをアップデートして、選手をもっと育成してほしい。チームのポジティブな情報を世界的に発信してほしい。そして個人的な意見だが、今後のキャリアとして、(将来)インターナショナルチームを率いるコーチを輩出したい」などと説明した。
会見の会場は浦安市の『シネマ イクスピアリ』
続いて前指揮官であり、レイドローHCのメンター役となったアッカーマンTA(チームアドバイザー)が映像で、「これからディビジョン1の強豪と対戦する、ワクワクする時間が待ち受けている。浦安の大きなテーマは『つなぐ(connect)』です。みんなでつながってチームになって、チームとグレイグを応援しましょう」とエールを送った。
新たな指揮官に就任したレイドローHCは、「HCに任命していただき光栄に思う。ディビジョン1で戦えることにワクワクしている。若いコーチだが、エネルギーがあるので、困難な状況になっても強豪と戦っていくことを楽しみにしている」と話した。
ビジョンを語るレイドローHC
どんなラグビーをしたいか?という質問に対して、スコットランドの英雄は「コーチの経験は少ないが、選手時代にいろいろなコーチとプレーしてきたという自負がある」。
「思い描いているものもたくさんあるが、簡単にいうとスマートに戦うことを意識している。ただ、FWパックのタフさも必要で、昨季は入替戦でステップアップしてくれた。タフかつ、スマートに戦うことを意識している」と語った。
また、昨シーズンに続いて、今季もSH飯沼蓮がキャプテンを務めることになった。これについてHCは、「昨季は蓮のもとで良い成功を収めることができたので、良かったところを続けるという方針で、良いリーダーシップを取ってほしいと彼を選んだ。リーダーとしての成長の旅路をサポートしたいし、彼の昨季のパフォーマンスはリーダーに値する」と話した。
途中から登壇した飯沼キャプテンは「レイドローHCと、キャプテンという関係でチームを作っていくことは楽しみ。昨季、昇格できて、やっとスタートラインに立つことができた」。
「チームフィロソフィーである『つなぐ』『コネクト』することを意識して、選手、コーチ、ファンと強くコネクトして、より高いスタンダード、カルチャーを作って、過去最高のチームを作っていきたい。目標はトップ6。簡単な目標ではないが、チャレンジャーらしく努力していきたい」と意気込んだ。
浦安はプレーオフに出場できるトップ6を目標に掲げたが、新HCは「もちろん数年かけてという、これからのプランもあるが、目標は高く設定しないといけないと考えている。(今季の目標である)トップ6は簡単なことではないが、コーチ陣と選手としてのゴールは一致している」。
「一流、トップを目指して、勝者を目指すことが浦安のビジョン。日本人の若い選手と、経験のある外国人のバランスの取れたチームで、クオリティの高い選手も揃っている。プロセスにこだわっていけば、自ずと結果はついてくると思う」と語気を強めた。
今季、初めてディビジョン1で戦うことになった浦安D-Rocks。世界的なSHだったレイドローHC、そして日本一のスクラムハーフを目指す飯沼キャプテンのタッグで、来週から宮崎で始まるキャンプから新たな旅路に出発する。
文:斉藤健仁/写真提供:浦安D-Rocks
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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