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帝京大の先発は、強烈スクラムを最前列で支えるPR梅田海星、HO當眞蓮、PR森山飛翔。スクラムプッシュの支柱であるLO坪根章晃、LO本橋拓馬。前戦は8番だったFL青木恵斗主将、FLグアイニ優人、タックルも強烈なNO8倉橋歓太。
ハーフ団はテンポ自在でランもあるSH上村樹輝、有望株のSO本橋尭也。CTB久木野太一、CTB上田倭士、バックスリーはWTB中村海斗、WTB生田弦己、FB神田陸斗という布陣だった。
天理大はフロントローがPR森仁之輔、HO寺西翔生、PR松野楓舞。両ロックは須見悠人、前戦は8番だった岡崎慶喜。バックローはFL川越功喜、FLアリスター・サウララ、そして突進力あるNO8上ノ坊悠馬。
ハーフ団はルーキーに代わり、体幹の強さもあるSH朝倉達弥、そして好判断を重ねるSO筒口允之主将。ランが鋭い両センターは和田雄翔、山田晟大。バックスリーはWTB藤原竜之丞、WTB平松麟太郎、そしてラインブレイカーの才が光るFB上ノ坊駿介だった。
まず開始1分のスクラムで魅せたのが帝京大だ。
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強烈ヒットから相手を崩すと、セットのコールと同時にプッシュ。いきなりスクラム・ペナルティを奪い、敵陣左へ大きく前進した。
ここからラインアウトでモール形成。コミュニケーションの声が盛んに沸くモールから、沖縄県出身のHO當眞蓮(4年/流経大柏)が先制トライ。敗北した早稲田大学戦(14-38)では前半無得点だった帝京大が、いきなり先制点を切った。
直後の自陣DFでもFL青木主将がジャッカル。主導権を握ったかに見えたが――、5点ビハインドの天理大はディフェンスから反転攻勢。帝京大のフィジカル勝負の連続攻撃を防ぎ切ると、ジャッカルなどでさらに前進していく。
すると前半14分。
大学ラグビー 菅平合宿 2024 練習試合
【ハイライト動画】帝京大学 vs. 天理大学
ラインアウトモールの相手オフサイドから、CTB和田が狙い澄ましたロングパス。トライゲッターのFB上ノ坊がチーム初トライを奪い、ゴール成功で逆転(7-5)した。
帝京大もすぐ反撃。4分後(前半18分)にFW・BK一体のチームトライを披露する。
ラインアウトからの敵陣一次攻撃でライン突破。ここでSH上村が巧みな配球。持ち出しでゲインを演出すれば、ゴール前ではスローテンポにしながら攻撃陣形を再構築。
SH上村の巧みなプレーメイクから、最後はFL青木主将の待つ大外へ展開。日本代表に招集されたFL青木主将が左コーナーを陥れ、2本目を奪った。
この日の帝京大はモールで主導権を握った。自陣ゴール前のピンチを相手反則(シーリング)でしのぐと、敵陣に入ってモールで3本目(ペナルティトライ)。17-7とリードを広げていく。
さらに帝京大はスクラムでの優位が決定的に。前半32分の対決をふくむ2連続のスクラムPKで敵陣侵入。またまたモールで3本目(チーム4本目)を奪い、22-7とした。
FW戦(スクラム、モールなど)で優位に立たれてしまった天理大だが、バックスで魅せたのは前半終了前だ。
自陣スクラムで1番側からプッシュすると、左展開からCTB山田が巧みなラン。FB上ノ坊のポップパスでWTB藤原が敵陣奥までゲインを切る。
が、守備でのコリジョン(衝突)で優勢となったのは帝京大だ。
NO8倉橋(4年/東海大仰星)が音の鳴る好タックル。WTB生田(3年/御所実業)ら上級生が帝京のプライドを示し、相手がフェーズを重ねるたび敵陣方向へ押し込んでいく。
前半は帝京大が22-7で力強くフィニッシュした。
後半40分間は、帝京大はFL青木主将らが交代。天理大もメンバーを複数入れ替えた。すると後半の先制トライは、天理大だった。
後半7分、直前で獲りきれなかった敵陣ラインアウトのチャンスから、先発SH朝倉のショートサイドへの配球で好機到来。
LOアリスター・サウララのオフロードパスから、最後はフォローのSH朝倉。ゴールラインにねじ込み、後半最初のトライを奪った。
8点差(14-22)に詰めた天理大だが、帝京大はふたたびSH上村が躍動する。
帝京大はFW間のショートパスからゲインを獲ると、狭いサイドのスペースを察知したSH上村がキャリー。粘ってオフロードを繋ぎ、最後は途中出場のセバスティーン・ ワットニの後半1本目を演出した。
さらに2トライ(後半16、25分)追加で、41-14とリードを広げた帝京大。
天理大は後半開始から出場したCTB/FBフィリモネ・サイア(2年/青森山田)、WTBトゥリマフア・トゥポウ(2年、日本航空石川)の2年生コンビが肉弾戦で前に出る。
すると後半34分には、NO8上ノ坊悠馬が敵陣ゴール前で速攻。そのままゴールラインを割り、スコアを21点に伸ばした。
が、その3分後、帝京大は後半メンバーを中心としたFWでもモールトライ。相手FB上ノ坊のロングゲインを許した直後のスクラムでもペナルティ。
帝京大は前後半のFWメンバーらが仕事を果たし、48-21で夏合宿初勝利。菅平初戦だった早大戦の衝撃からカムバックする一歩を踏みだした。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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