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昨年優勝の佐賀工業
夏季オリンピックに向けた強化策の1つとして、高校ラグビーの夏の風物詩となっている「全国高校7人制ラグビー大会」が、今年も長野・菅平高原にあるアンダーアーマー菅平サニアパークで、7月21日(日)~24日(水)に開催される(21日は開会式のみ)。
577チームが各都道府県での予選に参加し、全国の予選を勝ち抜いた47都道府県代表校と、昨年の優勝校である佐賀工業(佐賀)の48校が参加する。
3チームずつ、16のプールで予選を行い、カップ(予選プール1位チーム)、プレート(2位チーム)、ボウル(3位チーム)の各トーナメント戦を行い、それぞれ勝者を決める。つまり、カップ王者がセブンズの高校日本一の称号を得る。
7人制ラグビーの大会だが、15人制で戦う冬の「花園」こと、全国高校ラグビー大会との相関があることでも知られている。2014年度は東福岡(福岡)が春の選抜、夏のセブンズ、冬の花園と合わせて「3冠」、2015年度と16年度は東海大大阪仰星(大阪)が「3冠」、2019年度は桐蔭学園(神奈川)が「3冠」を達成している。
他にも2018年の夏の王者である流通経済大柏(千葉)は花園でベスト4、2021年度の夏の王者である東海大大阪仰星(大阪)は花園も制しており、昨年の夏の王者・報徳学園は花園では準優勝だった。
昨年はセブンズで初の高校日本一に輝いた佐賀工業は花園でベスト4に進出し、セブンズで準優勝だった桐蔭学園は花園を制した。そういう意味では冬を占う大会の1つともなっている。
昨年のプレートトーナメント優勝は石見智翠館
これまで10回(2020年大会は中止)を数える今大会だが、仙台育英(宮城)、茗渓学園(茨城)、流通経済大柏、桐蔭学園、日本航空石川(石川)、報徳学園、石見智翠館(島根)、尾道(広島)、東福岡、佐賀工業(佐賀)、高鍋(宮崎)の11校が10大会連続出場となった。
一方、優勝経験のある東海大大阪仰星、常翔学園を抑えて出場する大阪桐蔭(大阪)を筆頭に、聖光学院(福島)、早稲田佐賀(佐賀)、そして昨季は花園にも初出場した山梨学院(山梨)の4校がうれしい初出場となった。
今大会、最大の注目は初出場校ながら、春の選抜大会、サニックスワールドユースに続き、大阪桐蔭が「3冠」目を達成するかどうか、だ。大阪桐蔭はPプールで、9大会目の出場の札幌山の手(北海道)、そして15人制で九州大会を制した大分東明(大分)と同組になった。決して簡単な組ではない。
他には前回大会優勝のEプールの佐賀工業、一昨年優勝のNプールの報徳学園(兵庫)、準優勝経験のあるAプールの國學院栃木(栃木)、毎年上位に進出している茗渓学園(茨城)なども優勝候補に挙げられるだろう。
そして最も注目されるプールは、断トツでHプールとなった。優勝経験のある昨年準優勝の桐蔭学園(神奈川)、最多となる3回優勝の東福岡(福岡)、そして毎年、いいランナーを揃える京都工学院(京都)が同組となった。
この3校から1チームしかカップトーナメントに出場できないのはややもったいない気もするが、熾烈な争いとなることは間違いない。
昨年のボウルトーナメントは尾道が優勝
他にもDプールは優勝経験のある流通経済大柏(千葉)、天理を下して出場を決めた第1回大会準優勝の御所実業(奈良)、初出場の早稲田佐賀、Mプールも長崎北陽台(長崎)、山形中央(山形)、中部大学春日丘(愛知)が同組となり、ファンの耳目を集めそうだ。
春の選抜準優勝の石見智翠館はIプールで、展開ラグビーに長けた高鍋(宮崎)、青森山田(青森)と。地元の飯田OIDE長姫(長野)はOプールで、強豪の茗溪学園(茨城)、城東(徳島)と同じ組となった。
「セブンズは何が起こるかわからない」との格言が以前からある通り、(=カップ優勝)を狙うチームは、まず予選プールでしっかり2勝してカップトーナメントに進みたいところだ。
昨年のカップトーナメントMVPの服部(佐賀工業)
なお、トーナメントごとに一番活躍した選手としてMVPが選ばれており、昨年のカップトーナメントのMVPは優勝した佐賀工業の服部亮太(早稲田大学1年)、一昨年は報徳学園の伊藤利江人(明治大学2年)、3年前は東海大大阪仰星の御池蓮二(立命館大学3年)、2019年大会は桐蔭学園の伊藤大祐(コベルコ神戸スティーラーズ)だった。MVPに誰が選ばれるかを予想しながら見てもきっと楽しめるはずだ。
今年の高校セブンズで王者に輝くのは48チーム中、どの高校となるのか―。高校生ラガーたちが、本格的に夏が到来した菅平を熱くする!
【予選プール 組み合わせ】
◆Aプール
・國學院栃木(栃木/8大会連続9回目)
・関商工(岐阜/3大会ぶり6回目)
・鹿児島実業(鹿児島/4大会連続8回目)
◆Bプール
・昌平(埼玉/2大会ぶり3回目)
・倉吉東(鳥取/2大会連続3回目)
・コザ(沖縄/2大会ぶり3回目)
◆Cプール
・尾道(広島/10大会連続10回目)
・富山第一(富山/5大会連続5回目)
・山梨学院(山梨/初出場)
◆Dプール
・流通経済大柏(千葉/10大会連続10回目)
・御所実業(奈良/3大会ぶり7回目)
・早稲田佐賀(佐賀/初出場)
◆Eプール
・秋田工業(秋田/4大会連続5回目)
・佐賀工業(佐賀/10大会連続10回目)※前回大会優勝
・光泉カトリック(滋賀/3大会連続7回目)
◆Fプール
・仙台育英(宮城/10大会連続10回目)
・日本航空高校石川(石川/10大会連続10回目)
・高知中央(高知/2大会連続4回目)
◆Gプール
・明和県央(群馬/3大会連続6回目)
・倉敷(岡山/4大会連続4回目)
・若狭東(福井/5大会連続7回目)
◆Hプール
・桐蔭学園(神奈川/10大会連続10回目)
・東福岡(福岡/10大会連続10回目)
・京都工学院(京都/3大会連続5回目)
◆Iプール
・高鍋(宮崎/10大会連続10回目)
・石見智翠館(島根/10大会連続10回目)
・青森山田(青森/5大会連続5回目)
◆Jプール
・黒沢尻工業(岩手/3大会連続6回目)
・四日市工業(三重/2大会連続2回目)
・松山聖陵(愛媛/4大会連続7回目)
◆Kプール
・静岡聖光学院(静岡/2大会連続5回目)
・開志国際(新潟/4大会連続4回目)
・高松北(香川/2大会連続6回目)
◆Lプール
・高川学園(山口/2大会連続2回目)
・近大和歌山(和歌山/2大会ぶり7回目)
・早稲田実業(東京/4大会連続4回目)
◆Mプール
・長崎北陽台(長崎/2大会ぶり9回目)
・山形中央(山形/9大会連続9回目)
・中部大学春日丘(愛知/3大会連続5回目)
◆Nプール
・報徳学園(兵庫/10大会連続10回目)
・熊本工業(熊本/4大会ぶり2回目)
・聖光学院(福島/初出場)
◆Oプール
・飯田OIDE長姫(長野/2大会連続2回目)
・茗溪学園(茨城/10大会連続10回目)
・城東(徳島/7大会連続7回目)
◆Pプール
・大阪桐蔭(大阪/初出場)
・札幌山の手(北海道/5大会連続9回目)
・大分東明(大分/3大会連続7回目)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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