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ラグビー コラム 2024年7月16日

【ハイライト動画あり】6年ぶり開催のジャパンセブンズ。優勝はTID Bチーム、準優勝は大阪府警

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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優勝したTID Bチーム

男女の7人制ラグビー日本代表が出場するパリオリンピックの開幕まであと10日となった7月15日(月・祝)、東京・秩父宮ラグビー場で男子セブンズの日本一を決める『なの花薬局ジャパンセブンズ2024』が6年ぶりに開催された。

心配された雨もほとんど降らず、全席無料ということもあり、セブンズファン、ラグビーファン計3226人が集った。リーグワンチームをはじめ、社会人、大学、クラブの計10チームが参加。参加チームは下記の通り。

・NECグリーンロケッツ東葛(リーグワンディビジョン2)
・大阪府警察ラグビー部(関西セブンズフェスティバル優勝社会人・クラブ・オープンの部/トップウェストA)
・帝京大学(第25回東日本大学セブンズラグビー大会優勝)
・天理大学(2024関西セブンズフェスティバル優勝大学の部)
・福岡工業大学(第62回木元杯九州セブンズ準優勝)

竹山将史らベテランが引っ張った神奈川タマリバクラブ

・北海道バーバリアンズ(ピリカモシリラグビーセブンズ2024推薦)
・サムライセブン(チームサポートパートナー推薦/第14回東日本クラブセブンズ2023優勝)
・神奈川タマリバクラブ(東日本クラブセブンズ主催者推薦/第14回東日本クラブセブンズ2023準優勝)
・男子セブンズTID Aチーム(TIDチーム=将来の日本代表候補となりうる選手の強化・育成を目的に編成されたチーム)
・男子セブンズTID Bチーム

午前9:30から行われた1回戦では天理大学が36-12で北海道バーバリアンズを、帝京大学が神奈川タマリバクラブを33-12で下した。

NECグリーンロケッツ東葛は初戦で敗れる

2回戦では天理大学がグリーンロケッツ東葛を26-19で下し、男子セブンズTID Bチームはサムライセブンズに19-14で辛勝。TID Aチームも福岡工業大学に22-19と接戦で勝利した。また、大阪府警察ラグビー部は帝京大学に26-16で勝って、これでベスト4が出揃った。

帝京大学出身で大阪府警ラグビー部の志和池豊馬は、「後輩たちとプレーできてうれしかった。自分の知っている後輩が試合に出て、活躍しているのは僕の活力になっています」と語った。

ラグビー ジャパンセブンズ2024

【ハイライト動画】決勝 TID Bチーム vs. 大阪府警察

TID Aチームを破った大阪府警

準決勝1試合目は、男子セブンズTID Bチームが天理大学に45-12で快勝し、2試合目は大阪府警察ラグビー部が、男子セブンズTID Aチームを26-14で下し、会場を大いに盛り上げた。その後行われた3位決定戦は、男子セブンズTID Aチームが40-12で天理大学に勝利している。

TID Aチームは意地を見せて3位(大野莉駒/日本体育大学3年)

午後4:30から行われた決勝戦は男子セブンズTID Bチームと、大阪府警ラグビー部との激突となった。試合を重ねるごとに調子を上げてきたTID Bチームが、3試合目で疲れを見せた大阪府警察ラグビー部を圧倒する。

ボールを継続したTID Bチームは3分、ボールを継続し、最後は星遥大(関東学院大1年)がキレのあるステップから中央に先制トライを挙げると、7分、自陣からボールをつないで加島優陽(筑波大学1年)がトライ。

さらにロスタイム、山口泰輝(レッドハリケーンズ大阪)のグラバーキックを佐藤亮吾(秋田ノーザンブレッツRFC)がキャッチしてトライ。山口が右中間からのゴールを決めて21-0で前半を折り返す。

後半もTID Bチームは攻撃の手を緩めず、高井良成(グリーンロケッツ東葛)が力強いランからチャンスメイクすると、星が2つ目のトライを挙げて28-0として勝負を決めた。

準優勝した大阪府警

さらにツヨシ・ジニングス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、山口もトライを重ねて40-0で快勝し優勝を飾った。優勝したTID Bチームには賞金150万円、準優勝した大阪府警察ラグビー部には50万円が贈られた。

TIDのチーム編成はコーチ陣がポジション的なことも考慮して、20人のTIDのメンバーを2チームに分けたという。セブンズの次世代の育成コーチを務める元セズンズ日本代表の小吹祐介HC(ヘッドコーチ)は「経験者が引っ張ってくれて、ジャパンのセブンズらしさを出してくれて、若手がついていってくれた」。

「1回戦は大会が初めての選手もいたので、難しかったので焦ったが、最後はいい形で締められた。国内でこんなに大きな大会が経験できてポジティブ。今後、上のレベルでやってほしい選手もいるので、セブンズを盛り上げていってほしい」と頬を緩めた。

TID Bチームの後藤キャプテン

キャプテンを務めた後藤翔大(日本大学2年)は「国内の大会は優勝して当たり前というプレッシャーがあったが、勝てて良かった。アタックもディフェンスでも前に出ることを意識した。府中合宿から2チームに分かれて3,4日だったが、試合を重ねるごとに、合宿でやってきたことが出せた」。

また、山口は「大学生がハードワークして、社会人もコミュニケーションをしっかりとって、試合を重ねるごとにいいチームになっていった。気負うことなくプレーできた」と振り返った。

決勝で2トライ、TID Bチームの星

2トライを挙げた星は「自分たちがやってきたことが出せて優勝できてうれしい。初戦、2戦目は良くなかったが、決勝で2トライを挙げられたことは、これからの自分のラグビー人生のプラスになる。オリンピックに出たいので、今後は桜のジャージーを着られるようにがんばっていきたい」と声を弾ませた。

今大会出た選手の中から、オリンピックが終わった後のアジアシリーズに出場する日本代表選手が出てくることになるだろう。来年以降は、シリーズ化も検討されている『なの花薬局ジャパンセブンズ』。今後も男子セブンズの強化、育成を担う大会となっていきそうだ。

◆大会最終結果

優勝 男子セブンズTID Bチーム
準優勝 大阪府警察ラグビー部
3位 男子セブンズTID Aチーム
4位 天理大学
5位 帝京大学
6位 NECグリーンロケッツ東葛
7位 福岡工業大学
8位 サムライセブン
9位 神奈川タマリバクラブ
10位 北海道バーバリアンズ

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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