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ラグビー コラム 2024年7月5日

秋の本番を占う決戦!昨季全国4強の京都産業大学か。大会初優勝を狙う関西学院大学か

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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関西大学 春季トーナメント 決勝戦 都産業大学 vs 関西学院大学

関西大学春季トーナメントの覇者を決める一戦だ。

七夕の7月7日(日)、奈良・天理親里で行われる大一番は、「2024関西大学ラグビー春季トーナメント」の決勝戦。

京都産業大学(昨季ムロオ関西大学Aリーグ1位)×関西学院大学(同3位)だ。

関西Aリーグ8校+同Bリーグ上位2校に、東海学生Aリーグの中京大学と中国地区大学リーグのIPU環太平洋大学(岡山)を加えた12校で争われたトーナメントで、流石の実力で勝ち上がってきたのが京産大だ。

初戦となった2回戦は同志社大学に43-7、3回戦では近畿大学を54-19と圧倒した。3年連続の優勝(2022年は天理大学と両校優勝)に王手をかけた。

3回戦の近大戦では、盤石の強力FW、展開攻撃の精度、昨季主将の三木皓正(トヨタヴェルブリッツ)に象徴された堅守のチーム文化を披露した。

共同主将のLOソロモネ・フナキ、キッカーFB辻野隼大の両名、そして「第2期エディー・ジャパン」トレーニングスコット選出のSH土永旭もそろう布陣で、伝統のスクラムでは再三ペナルティを奪った。

突進役のNO8シオネ・ポルテレは、パスで仲間を生かすなどプレー選択の幅が広がった印象。WTB堤田京弘は切れ味鋭いランで好機を作った。

好タックラーが豊富な京産大。両ロックのフナキ・ソロモネと日吉健は筆頭格。フランカー経験豊富な日吉は、高いフィットネスでサポートから2トライを奪った。

この3・4回生を中心としたメンバーに、スコットランド遠征メンバーとして発表されたU20日本代表組5名(八田優太、石橋チューカ高木城治、村田大和、宮里快一※6月25日時点)もいる。選手層は全国屈指だ。

決勝戦のメンバーは、3回戦から5名が替わり、フロントローはPR曽根隆慎 、HO李淳弘の2枚が入れ替わり。バックスはCTB藤本凌聖 、WTB西浩斗の4年生2人。

先発は4年生10人、3年生3人の上級生中心の構成で、下級生2人は2年生 CTBナブラギ・エロ二。

そしてスタメン唯一のルーキーで、大会初出場となるWTB林総大(御所実業)が11番に。U20代表の事前合宿のみ参加だった神拓実はリザーブに入った。

一方の関学大は、トーナメント初戦となった2回戦で関西大学を47-7、そして3回戦では昨季Aリーグ2位の天理大学を43-28で降し、2016年の大会創設以来、初の決勝進出を決めた。

天理大戦の勝因のひとつは、スクラムで互角以上に渡り合ったことだろう。

ファーストスクラムは強烈ヒットの天理大にペナルティを許したが、12-14で迎えた前半終盤にはスクラムPKを奪取。

スクラムを起点に敵陣に入ると、NO8小林典大の片手オフロードパスから、WTB武藤航生が左隅にダイブ。アクロバティックなプレーの連続で逆転トライを奪った。

かたや天理大は後半早々トライを奪われ、追いかける展開に。敵陣攻撃時にパスミス、ラインアウトスローなどでエラーが続き、決定力に欠いた。一方の関学大は攻守の集散が速く、敵陣アタックも高精度だった。

注目の決勝メンバーだが、スクラム猛者の京産大との決勝戦へ向けて、前戦リザーブだったHO平生翔大主将が先発に。

残る2人のスタメン変更は、先発唯一の下級生である2年生FLホルス陸人とWTB山本快。4年生10人、3年生4人の経験豊富なメンバーで挑む。

関学大は、京産大のプライドであるスクラムに対抗できるか。FW戦での奮闘を前提として、精度の高い展開攻撃で防御をこじ開けたい。京産大は前戦散見された自陣でのペナルティに注意したい。

頂点に立つのは京産大か。それとも関学大の初優勝か。秋の本番、関西大学Aリーグを占う決戦のキックオフは、日曜の午後2時だ。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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