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ラグビー コラム 2024年6月3日

【ハイライト動画あり】早稲田大学、春の早明戦で11年ぶりの勝利。ラグビー関東大学春季交流大会

ラグビーレポート by 早稲田スポーツ新聞会
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力強いボールキャリーを見せるHO佐藤主将

早明戦の厳しさを予見するかのように、強い雨が降り注ぐ新潟・デンカビッグスワンスタジアム。宿敵との伝統の一戦は、両校力を出し合う好ゲームとなった。

前半、明治大学がインターセプトからそのまま先制点を奪うも、その後は早稲田大学がスクラムで連続ペナルテーを獲得するなど流れを掴み、3本のトライを返し、21-5とリードして試合を折り返す。

後半に入ると明大の反撃を受け、自陣に攻め込まれる時間帯が多くなり、前半と同様に先に点を許してしまう。それでも明大の追い上げムードに動じることなく、自分たちのペースでゲームを進めた早大。ペナルティゴール1本含む、15点を追加して突き放した。最終スコアを36-26とし、春の対戦では11年ぶりとなる明大からの勝利を奪った。

試合開始からしばらく、雨の影響か両チームボールの落ち着かない時間が続く。そんな中迎えた前半6分、早大の自陣スクラムからSH(スクラムハーフ)細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)が持ち出し、投げたボールに対して明大のSO(スタンドオフ)萩井が反応。痛恨のインターセプトからトライを奪われてしまった。

先制を許したものの、安定したセットプレーとディフェンスで、徐々にペースを掴んだ早大は18分、敵陣ゴール前でのラインアウトを獲得する。大きなチャンスの場面でHO(フッカー)佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が突破を図り、一気にゴールラインに迫ると、SH細矢がテンポよく捌いたボールを受け取ったPR(プロップ)杉本安伊朗(スポ2=東京・国学院久我山)がゴール中央をこじ開けた。

コンバージョンを決め、逆転に成功すると、これをきっかけに早大に勢いが生まれる。特に光ったのはチームディフェンス。強力な明大の縦突破に対して、ダブルタックルで対応し、ゲインラインを割らせない。

さらにセットプレーでも終始優勢を保つ。30分には敵陣深くでの明大ボールスクラムでペナルティを奪うと、ラインアウトからモールを形成、力強く押し込みHO佐藤がグランディングした。36分にもLO(ロック)栗田文介(スポ3=愛知・千種)が得点を加え、21-5とリードを保って前半を終えた。

ラグビー 関東大学春季交流大会2024

【ハイライト動画】 Aグループ 明治大学 vs. 早稲田大学|早稲田が11年ぶりに春の早明戦で勝利

後半開始、明大のアタックが勢いに乗り始め、早大は陣地深くまで攻め込まれる場面が増える。後半10分にはLO西浦剛臣(社4=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)が空中戦での危険プレーによる一時退場を言い渡され、10分間を14人で戦うことを余儀なくされる。

さらにこの直後、明大ベンチはWTB(ウィング)安田、CTB(センター)秋濱らを投入し、一気に追い上げを図る。そして迎えた16分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれ反撃のトライを奪われてしまった。しかし、早大は集中力を切らすことなく硬い守備を続け、相手のミスから徐々に陣地を回復していく。

正確なキックとゲームコントロールで会場を沸かせたSO野中

20分には敵陣ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、再びHO佐藤がトライを決めた。明大の追撃の流れを断ち切ると、27分にはSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)がPG(ペナルティゴール)を沈め29-12。

さらに34分には敵陣10m付近の右サイドスクラムから、CTB金子礼人(法3=福岡・西南学院)が左サイドでゲインし起点を作り、ハイテンポで逆サイドに再展開すると、大外に待っていたのは、今試合で赤黒デビューを果たしたWTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)。

ルーキーらしいアグレッシブな動きで、ライン際のインゴールにボールをねじ込み36-12とリードを広げた。終盤に2本のトライを許したものの、明大の猛追を振り切った早大。36-26で試合を終え、関東大学春季大会開幕から3連勝とした。

デビュー戦で初トライを挙げたWTB 田中健

モールからの失点はあったものの、規律を守りながら激しいダブルタックルを駆使し、明大のフェーズアタックを封じ込めた早大。セットプレーでも重量FW(フォワード)を圧倒し、春の山場である重要な一戦を見事な勝利で飾った。

今試合は選手たちの勝ちにこだわる姿勢が印象に残るゲームとなった。HO佐藤主将も「戦い続けるだけだと伝えていた」と語るように、気持ちを前面に押し出したプレーで勝利をもぎ取った。

春季大会も残すところ2試合となり、最終節には強敵・帝京大学との大一番が控えている。シーズン全勝、そしてその先の『荒ぶる』に向けて、前進し続けるチーム佐藤から目が離せない。

文:西川龍佑/写真:清水浬央、村上結太(早稲田スポーツ新聞会)

早稲田スポーツ新聞会

早稲田スポーツ新聞会

1959(昭和34)年創刊。人気の野球、ラグビーを中心に早大体育会44部をくまなく取材し、年12回の新聞発行およびWebやSNSによる情報発信を行う。現在部員170名で活動。»早スポHP»Twitter»Facebook

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