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明治大学 vs. 早稲田大学
ファイナルスコアは36-26。体感では、この日の両チームのパフォーマンスには、もう少し大きな差があったように感じた。
先制点は前半7分だった。
明治の1年生SO萩井耀司がインターセプトで相手のパスをカット。戦況を読んで、前に出るタイミングも良かった。非凡さを感じさせるプレーだった。
しかし前半を終えたところで21-5とリードしたのは早稲田だ。
この日の赤黒ジャージーは、攻守とも鋭く前に出続けた。ウエットな天候もあり、そのプレッシャーを受けた紫紺のジャージーからは何度もボールがこぼれた。
この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチには早稲田の3番、亀山昇太郎を推したい。スクラムで優位に立つ原動力となった。自分のサイドで相手を押し込んだ。
明治のプライドあるエリアで上回ったことは、仲間を勇気づけた。反則を誘い、チームを前に出した。
1年時から出場機会を得ている亀山も4年生になった。昨シーズンはベンチスタートばかりでプレータイムが少なかった。
いつも、悔しさを味わって這い上がってきた116キロの重量PRは、ラストイヤーに燃えている。
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この日の早稲田FWは積極的に前に出た。
前半17分のトライは相手反則で得たPK後のラインアウトから。日本代表にも選ばれたHO佐藤健次主将が、スローイング後に走り込んで防御を突破した。直後のラックから出たパスを受けたPR杉本安伊朗がインゴールに入った。
31分に挙げたトライは、スクラムで相手反則を誘ったあとだった。
敵陣深い位置での左ラインアウトからモールを組む。FWの塊は真っ直ぐ進み、押し切った(トライスコアラーはHO佐藤主将)。
スクラムから好機を掴んだのは、前半36分も同じだった。早稲田はスクラムで押し込み、紫紺の塊を後退させる。
レフリーがコラプシングのアドバンテージを取る中、明治の防御は前に出られなかった。その状況でフラットなパスをつなぎ、外側で前へ。振り戻しのアタックにFWが縦に走り込み、LO栗田文介がトライランを越えた。
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【ハイライト動画】明治大学 vs. 早稲田大学
FL田中勇成は鋭い出足で防御全体が前へ出るのを引っ張った。森田倫太朗、金子礼人の両CTBもよく体を張った。
好敵手に強みを出させぬ戦い方を貫いた。
後半序盤、明治もギアを上げて攻め立てた。SH柴田竜成がFWを操り、NO8木戸大士郎主将らが躊躇なくクラッシュする。
自分たちのスタイルを強く出し、好機を掴んだ時間帯もあった。
しかし早稲田は防御で前へ出ることをやめなかった。
ダブルタックルで紫紺のランナーたちを押し戻す。SO野中健吾は落ち着いてゲームを作りながら、タックルで刺さっては起き上がり、すぐにまた肩をぶつけていた。
後半10分、キックコンテストの局面でLO西浦剛臣が危険なプレーをしたとジャッジされ、イエローカードを受ける。
その間にラインアウト後のモールを押し切られて5点を返されはした。しかし早稲田の勢いは衰えず、20分にトライ、26分にPG、32分にトライを追加。36-12として勝負を決めた。
32分のトライは前半36分のものと並ぶ、この日の出来の良さを象徴するものだった。
先発の両PRは退いていたがスクラムを押し込んだ。BKは緩急を使う。SO野中、CTB金子のコンビネーションで防御を翻弄。左サイドから大きくボールを動かし、最後は巧みなパスワークでWTB田中健想が右隅に飛び込んだ。
最終盤に2トライを返した明治の意地を感じたものの、勝者にとっては、試合前に大田尾竜彦監督が掲げていた「ディフェンスとセットプレー」へのこだわりを80分間貫いた好ゲームだった。
文: 田村 一博
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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