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ラグビー コラム 2024年5月10日

東芝ブレイブルーパス東京、14シーズンぶりの王座奪還へその爪を研ぎ続ける。リーグワン プレーオフ

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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キャプテンのFLリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)

いよいよ、5月18日(土)より王者をかけたリーグワン ディビジョン1のプレーオフ準決勝が始まる。

5月10日(金)、昨季の5位からジャンプアップ。14勝1敗1分で2位となり、2シーズンぶりのプレーオフ進出を決めた東芝ブレイブルーパス東京が、練習を報道陣に公開した。FW(フォワード)、BK(バックス)に分かれて、ユニット練習とチームアクティビティをした後、報道陣に対応した。

14シーズンぶりの王座を目指すブレイルブーパスは、準決勝で5月19日(日)、秩父宮ラグビー場で練習場を同じ東京府中市に置く、3位の東京サントリーサンゴリアスと激突する。なお、今シーズン3度目の「府中ダービー」で、リーグ戦では26-17、36-27と連勝している。

トッド・ブラックアダーHC(東芝ブレイブルーパス東京)

チームを率いて5シーズン目を迎える、ニュージーランド出身のトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は、準決勝でサンゴリアスと3度目の対戦になることを指摘されて「両チームとも、2回対戦して、2回お互いを分析することになる」。

「プレーオフでは違うメンバーで臨むだろうから、私たちはこれまでよりも最高の状態で臨めるように準備している。サントリーは何シーズンも続けてプレーオフに進出しているから、いい準備をする方法を知っている。だから、私たちとしては準備を万全にして本番に臨むだけ」と語気を強めた。

試合で鍵になることを聞かれて指揮官は、「一番大きなことは、おそらく自分たち自身の内面的なディシプリンだろう。今までのような規律では、決して決勝で勝てるようなものではない。昨日のチームミーティングでも、その点をしっかり話したし、整備する必要がある。ここからは負けたら終わりなので、ペナルティをしたら相手に3点与えることになる」と話した。

SOリッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)

スーパーラグビーで7連覇を達成しているオールブラックスのSO(スタンドオフ)リッチー・モウンガが今季入団し、チームのアタック面を先頭に立って引っ張っている。ブラックアダーHCは、SOモウンガの出来について、「フィールド内外含めて、実際に全く想像した通り」と称えて、こう続けた。

「いろいろな要素で彼は経験を伝えてくれている。リーグ戦の間は、試合でもミーティングでも私たちをリードしてくれていた。そして、長年プレーオフに進出してきた自身の経験を、ミーティングでみんなの前で話してくれているので、チームにとっていい助けになっている」。

「7連覇、優勝している経験は頼りになる」というFL(フランカー)リーチ マイケル キャプテンによると、前日のミーティングで、モウンガは「『One chance,one opportunity』、そのワンチャンスが、もしかしたら自分に来るかもしれないし、その機会も自分に来るかもしれないから、しっかり掴みましょう。1つのパス、1つのキック、1つのタックルで勝敗が決まるかもしれないから、(プレーオフを)楽しもう」という内容をチームメイトに伝えたという。

モニターを確認する選手たち

改めて、準決勝のサンゴリアス戦に向けて、リーチ キャプテンは「前回のサントリーとは違うと予測しないといけない。今季2回戦って、負けた後のサントリーが一番怖い。何をしてくるかわからないので、ちゃんと予想し、予測して、準備するのが大事。接点が大事なのは変わらない。ワクワクしている。勢いもあるし、やってきたことをすべて出し切りたい」と意気込んだ。

司令塔のSOモウンガはプレーオフを迎えて、「シーズンを通して、他の週と変わらないことが重要。もし、プレーオフだからといって、プレッシャーやストレスを感じてしまえば、それは試合に影響してしまう。ハードワークしながらも、そのプロセスを楽しむこと。笑顔で、笑って、そしてその1試合に全力を注ぐことが本当に重要だ」と強調した。

そして、モウンガはブレイブルーパスのラグビースタイルに関して、「東芝のゲームスタイルは本当にポジティブだと思う。私たちはボールを持って、ボールをパスして、フィールドのあらゆる場所から走り回るのが好き」。

「だが、私が東芝ラグビーで最も誇りに思っていることの1つは、ボールのないところでの仕事、ディフェンスでの懸命な働き、そしてプレーに対するケア。それが東芝のDNAだと思う」と胸を張った。

「猛勇狼士」を掲げるブレイブルーパスといえば、やはり強力なFW陣のセットプレー、接点が大きな武器である。

FLシャノン・フリゼル(左)とSOモウンガ

今シーズン、SOモウンガとともに加入し、15試合に出場したオールブラックスのFLシャノン・フリゼルは「リッチー(・モウンガ)とも、来日前からしっかり東芝のためにプレーするということを話し合ってきたので、チームメイトともいい信頼関係を築けている」。

「プレーオフになったら、どんな小さなことでも徹底することが必要。トライを取るのも大事だが、それ以上にスクラムやラインアウトで、しっかりボールを確保するなど、細かいプレーを精度高くやれば結果につながると思う」と話した。

一際大きいLO>ワーナー・ディアンズ

日本代表のLO(ロック)ワーナー・ディアンズは、「(サンゴリアスと3回目だが)違うサインプレーとかを出さないといけないので、自分はプラスだと思っている。シーズン中、2回やって2回勝った。タフな相手だが、自分たちのやりたいラグビーをちゃんとできればいい感じの試合になる。自分は自分のパフォーマンスに集中して、自分の仕事をきっちりやっていきたい」と先を見据えた。

リーチ キャプテン不在時に、ゲームキャプテンを務めたHO(フッカー)原田衛は「毎年決勝に行ける確率はそんなにない。今回のチャンスを絶対に取りに行かないといけない。リッチー(・モウンガ)やシャノン(・フリゼル)が来たおかげでチームが回った」。

スクラム練習を見つめるHO原田衛

「リッチーとやってみればわかると思うが、チームのカルチャーや戦う意志を奮い立たせる存在。(リーチ キャプテンが戻ってきて)だいぶホッとした。僕はセットプレーにフォーカスできる。準決勝はセットプレーが一番大事で、特別なことができないので、今までやってきたことを徹底したい」と語気を強めた。

トップリーグ時代は5度の王者に輝いたものの、2009-10シーズン以来優勝から遠ざかっているブレイブルーパス。現役選手で優勝の味を知っている選手はいないという。

闘志を燃やすリーチ マイケル キャプテン

リーチ キャプテンは「この5年の積み重ねがチームとして良くなっているし、過去の東芝のラグビーと、今の東芝のラグビーはだいぶ差が開いているし、今いるブレイブルーパスのスタッフ、選手を含めて、優勝していい流れを作っていきたい。若い選手もたくさんいるし、継続的に強い東芝でいたい」と静かに闘志を燃やした。

最後にクルセイダーズ時代、優勝を逃しているブラックアダーHCは、「チャンピオンになりたいか?」と聞かれて「もちろん勝ちたいが、もっと重要なのは、これ以上ないほど誇りに思う選手たち、スタッフと一緒に勝ちたいということ」。

「ハードワークが報われれば素晴らしいこと。それが実現したら、とてもうれしいし、そうなったら(クルセイダーズで優勝後、毎回のように踊っていたスコット・ロバートソンのように)ブレイクダンスをしようかな(苦笑)」と報道陣の笑いを誘った。

14シーズンぶりの王座奪還、そしてリーグワン初優勝を目指し、ブレイブルーパスは最後までその爪を研ぎ続ける。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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