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ディビジョン2優勝は浦安D-Rocks
「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24」ディビジョン2の優勝をかけた浦安D-Rocksと、NECグリーンロケッツ東葛の一戦は、5月6日に宮城県・セイホクパーク石巻(石巻市総合運動公園)石巻フットボール場で行われた。
リーグ戦を9勝1敗の首位で終えたD-Rocksは、4月20日に行われた順位決定戦の第1戦で豊田自動織機シャトルズ愛知を57-20で退けて、勝ち点5を獲得した。一方、リーグ戦を8勝2敗の2位で終えたグリーンロケッツは先週4月28日(日)に行われたシャトルズ戦は終盤に逆転され、14-17と敗戦。勝ち点1にとどまった。
◆ディビジョン2 1~3位順位決定戦 順位(5月5日時点)
・1位 浦安D-Rocks 勝ち点5(1勝0敗)
・2位 豊田自動織機シャトルズ愛知 勝ち点4(1勝1敗)
・3位 NECグリーンロケッツ東葛 勝ち点1(0勝1敗)
そのため、D-Rocksは引き分け以上、または敗戦しても勝ち点が並ばなければ、2シーズン連続のディビジョン2優勝となる。一方でグリーンロケッツは勝利すれば、1位か2位となり、勝ち点が並んだ場合は、D-Rocksとの直接対決に勝利しているため、グリーンロケッツが1位となる状況だった。
風が強く吹く曇天の中、2001人のファンが集い、午後0:00に試合はキックオフされた。先に得点を挙げたのは風上のグリーンロケッツだった。
前半2分、キックカウンターから元オーストラリア代表SH(スクラムハーフ)ニック・フィップスがブラインドサイドを仕掛けて、CTB(センター)クリスチャン・ラウイが、WTB(ウィング)尾又寛汰とのパス交換から抜けだしトライ。SO(スタンドオフ)金井大雪がゴールを決めて7点を先制する。
しかし、ディビジョン2で10連勝中の浦安は焦りを見せることはなかった。ラインアウトでプレッシャーをかけて、相手陣でチャンスを得る。7分、ラインアウトからサインプレーで、WTB石井魁がトライを挙げて5点を返す。
ジャパンラグビー リーグワン2023-24
【ハイライト動画】ディビジョン2 順位決定戦 第3節 浦安D-Rocks vs. グリーンロケッツ東葛|D-Rocksが2年連続優勝
さらに12分、キックカウンターから元オーストラリア代表FB(フルバック)イズラエル・フォラウ、NO8(ナンバーエイト)タイラー・ポールがゲインし、最後はCTBシェーン・ゲイツ、CTBサミソニ・トゥアとつないで右隅にトライを挙げ、10-7と逆転に成功する。
その後、互いにが相手陣で攻める時間帯が続いたが、互いにスコアボードに得点を重ねることができなかった。そんな中、34分、グリーンロケッツのFBレメキ ロマノ ラヴァが、ノーバインドタックルによりシンビン(10分間の退場)となる。
SO田村熙(浦安D-Rocks)
数的有利となった浦安は38分、SO田村熙がグラバーキックし、そのボールを途中出場のFB安田卓平が拾い上げて、中央にトライ。SO田村のゴールも決まって、17-7として前半を折り返した。
後半開始早々、まだ数的有利だった浦安は後半3分、キャプテンのSH飯沼蓮、NO8ポール、CTBゲイツとつないでトライ。24-7と大きくリードした。しかし、FBレメキが戻ったグリーンロケッツも意地を見せる。
11分、ゴール前まで攻め込み、FBレメキがクイックタップ、最後はSHフィップスが中央左にトライ。12分にはキックカウンターから、再びSHフィップスがトライを挙げて3点差に追い上げた。
しかし、D-Rocksはチョークタックル(相手を抱え込むタックル)で相手の攻撃を止めると、17分、ラインアウトのチャンスから、最後は途中出場のFL(フランカー)ブロディ・マカスケルがねじ込みトライ。さらに22分にはCTBゲイツが相手パスをインターセプトして、そのままトライを挙げて38-21と突き放した。
30分、SO田村のPG(ペナルティゴール)を挟んで、32分にはゴール前のアタックからCTBゲイツがトライを挙げてハットトリックを達成。、48-21として勝負を決めた。グリーンロケッツも40分にWTB尾又が2本目のトライを挙げたが、試合はそのまま48-28でノーサイドを迎えた。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、攻守で存在感を示したD-RocksのNO8ポールが選出された。
開幕戦こそ負けたものの、その後は11連勝を達成したD-Rocksが、2シーズン連続でディビジョン2優勝を達成した。一方、順位決定戦で連敗し、ディビジョン2で3位となったグリーンロケッツは、入替戦でディビジョン1・10位のリコーブラックラムズ東京との対戦となった。
グリーンロケッツのウェイン・ピヴァックHC(ヘッドコーチ)は「すでに2回戦っていたので、いかに相手がフィジカルかわかっていた。強風の中ではポゼッションを上げるために、正しいエリアで正しいプレーをしたかったが、規律がそれを阻んだ」。
「ペナルティが重なり、相手が陣地に入ってきてプレッシャーをかけられた。個人個人のタックルもコンプリートできなかった。後半の方がコリジョンだったり、リサイクルだったりと、見せたいラグビーが見えた。ポジティブに入替戦に向かっていきたい」と前を向いた。
ディビジョン2で優勝したD-Rocksは入替戦で、ディビジョン1・12位の花園近鉄ライナーズと激突する。ヨハン・アッカーマンHCは「ゲームプランを遂行できたこと、そして勝利し、トロフィーを掲げられたことに満足している。相手がいいスタート切ったが、落ち着きをしっかり取り戻し、必要なときにスコアできたことはポジティブに感じている」。
「セットプレーで決めきれなかったり、トライを許したディフェンスだったりは改善すべきだが、達成すべきゴールが残っているので残り2試合、万全の準備をしたい」と気を引き締めた。また、飯沼キャプテンは「残りは入替戦のみとなった。今季こそファンの皆さんと昇格したい」と語気を強めた。
前日のディビジョン1、ディビジョン3に続いてディビジョン2も全日程を終えた。ディビジョン1/ディビジョン2の入替戦は下記の通りとなった。入替戦に勝利したチームが来季、ディビジョン1で戦う。
【ディビジョン1/2 入替戦】
◆第1戦
・5月18日(土)午後0:00(えどりく/東京)
浦安D-Rocks vs. 花園近鉄ライナーズ
・5月18日(土)午後0:00(瑞穂/愛知)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs. 三重ホンダヒート
・5月18日(土)午後2:30(柏の葉/千葉)
NECグリーンロケッツ東葛 vs. リコーブラックラムズ東京
◆第2戦
・5月24日(金)午後7:00(花園/大阪)
花園近鉄ライナーズ vs. 浦安D-Rocks
・5月25日(土)午後0:00(鈴鹿/三重)
三重ホンダヒート vs. 豊田自動織機シャトルズ愛知
・5月25日(土)午後2:30(相模原/神奈川)
リコーブラックラムズ東京 vs. NECグリーンロケッツ東葛
文:斉藤健仁/Photo by Noriko.ABE
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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